新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

三島 由紀夫 作家 1925-1970

2012-08-21 08:51:44 | 旧仏像ワンダフル

無機的な、からっぽな、ニュートラルな、
中間色の、富裕な、抜け目がない、
或る経済大国が極東の一角に残るだろう

1970年(昭和45年)に残されたこの言葉。

 45歳で自衛隊市ヶ谷駐屯地にて演説後に
割腹自殺した三島由紀夫のものです。
8/18の新聞記事「昭和時代」よりお題にしました。

昭和42年の平凡パンチのミスターダンディー人気投票で
三船敏郎、石原慎太郎、加山雄三、長嶋茂雄等を
抑えて堂々1位に輝いた才色兼備??な方のようです。

家庭を持ち子供を持ち、社会的にも一定の評価を得て
40過ぎて自衛隊に自ら身を置いて・・
肉体を鍛えて最後まで自分で演出した感じです。

鍛えた上半身は美学に沿った姿だったのでしょう。

こういう人物の言葉だというフィルターを
取り除いてみても・・


40年を経て、残念なことに
見事に今の世相を現しているように感じます。

組織とか国家とか、
気持ちの集約する場所は無く
矛先を家族に向けても
蜃気楼のように土台が揺らいでいる。

世界を救うのが目的ではないにしても
小さな自分の中で
何か筋を通しておかないと
心の平安は一生訪れないかもしれないですね。


金剛力士像・吽形  興福寺・奈良  鎌倉時代

2012-08-17 08:29:58 | 旧仏像ワンダフル
華麗な鎌倉彫刻の阿吽像。
ちょっと顔のパーツが中心に集まっていますが
かえって表情を生き生きとさせていますね。

こちら「吽形」は終わり、ENDを象徴すると
いうことでした。

日本も終戦の日が過ぎました。

まさか自分から仕掛けることはしなくても
領土にしても資源にしても
利害主張の違いから小さな衝突が絶えません。

世界が終わるその日まで争いは無くなら
ないのでしょう。

平和な日々が争いを認識させて
戦争が平和の意義を知らせているのでしょう
だから永遠に繰り返すのかもしれません。

どんな行為に対しても感情的に反応せずに、
過去の痛みの記憶を先人を通して思い返します。

その先の道が見えてくる事を願いながら。







金剛力士像・阿形  興福寺・奈良  鎌倉時代

2012-08-14 08:19:36 | 旧仏像ワンダフル
阿吽って一体どんな意味なんでしょうか。

密教の定義では
「阿」は口を開いて発音する最初の音声で、
「吽」は口を閉じて発音する音声で、字音の終末とする
とあります。

サンスクリット語の「ア・フーム」の音写で
世界の万有の始源と究極とを象徴すると言うことで
簡単にいうと「はじめ」と「おわり」
でしょうか。

それにしても金剛力士像が体現すると
ここまで力が入るものです。

オリンピックから覚めやらぬ
筋肉と血管のハーモニーですね~

長崎原爆・平和の像と阿修羅

2012-08-11 11:05:30 | 旧仏像ワンダフル
毎年8月になると過去の戦争が
よみがえり行事が報道されます。

先人が感じた痛みや悔恨の想いを
風化させては浮かばれません。

戦争を知らない世代が出来る事は
戦争や原爆などのエネルギーに対して
確固たる認識を持って、
これからの判断に反映すること。

同じ間違いを繰り返さないこと。

戦いに敗れた阿修羅も同意しますよ、多分。

水木 一郎 アニソン歌手 1948-

2012-08-08 08:44:54 | 旧仏像ワンダフル

ちょっと新聞の日曜版でお見かけしたので 描いてみました。

自分の世代ではこの声の歌を知らない人間は

 いないんじゃないかと思うほど

ヒーローもののアニメやドラマの 主題歌を歌っていた人です。

 もう還暦を過ぎているというのに なんてことでしょう。

昔の少年少女のロマンを裏切らない 歌声にルックス!

 

 ああやっぱり水木一郎じゃないとダメなんだ・・

 あの頃に戻りたくなるひと時でした~


天燈鬼&龍燈鬼立像 背面  興福寺・奈良  鎌倉時代(1215)

2012-08-06 16:40:56 | 旧仏像ワンダフル
後姿にも隙がない2体の鬼です。

その背中が、腕が語ります。
日本男子はふんどしだと。

愉快に力強く、
自由を謳歌しています。

天燈鬼立像  興福寺・奈良  鎌倉時代(1215)

2012-08-04 19:00:31 | 旧仏像ワンダフル
確かに阿吽の「阿」なんですが。

豚のような耳を持つ鬼の口は大きすぎて
なんだか笑っているようにも見えます。

それにオリンピックでもなかなか
お目にかかれない、素晴らしい筋肉です。

凄いですよ!体全体からみなぎる緊張感、
浮き出る血管。
まさに真柏のポーズなんですが。

ソーラーの電灯をつけて
うちの門にも一対欲しいもんです。
防犯にも良さげですね。

龍燈鬼立像  興福寺・奈良  鎌倉時代(1215)

2012-08-03 12:13:54 | 旧仏像ワンダフル
作者は運慶の三男の康弁で
西金堂のご本尊である釈迦如来に
燈篭をささげている門番のような鬼です。

鎌倉の復興期に新たに造られて、
かの有名な金剛力士像の阿吽像のように
阿吽の2対になっていて、
こちらは「吽」ウン。

ふんどしで寄り目の玉眼、ギザギザ眉毛は金属を
切り抜き、巻きつく龍もなんだか脱力感がある、
これでも国宝なんです。

ただその素晴らしい筋肉の表現力で
神聖な場の空気を読んでいます。

ちかごろ日本が世界に誇る文化として
注目されているアニメも
こんな遺伝子が関係しているかも
しれないですね。

阿修羅立像 興福寺・奈良 奈良時代(734年)

2012-08-01 11:38:40 | 旧仏像ワンダフル
153センチの身長でまさに少年のような
プロポーションの興福寺のアイドル?
いや仏像界のアイドルでしょうか。

2011.09.10のブログ

前にも登場していますが今回は顔の表情を
クローズアップしてみました。

特徴のある眼は縁取りの線で描いてあり、
黒目も玉眼ではないのですが
これが希薄な空気のようなものを
放出しているように感じます。

完全な悪役でありながら
千年の時を超えて多くの人に愛されて
本当は幸せ者かもしれませんね。


世親立像-2  興福寺北円堂・奈良 鎌倉時代

2012-07-29 07:49:26 | 旧仏像ワンダフル
弟の世親は視線を上げて
なにかを探しているようです。
まさに求道の体なのでしょう。

運慶の描く求道者の在り方は
例えばこんな感じでしょうか・・

兄の無著が道を得ることを願い
弟の世親が道を求め、
そして見ているあなたと私が
自分にとっての道を得て受け取る、

願って求めて受け取る、
西洋にも共通する道理ですね~