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内気か対人恐怖症か?

2004年10月27日 | Weblog

対人恐怖症と診断されてる人々が多く存在するが、実際は病気なのか、単に内気なのかを明確に区別することは難しい。

アメリカの精神科医には対人恐怖症と内気の境界線が曖昧なために、製薬会社につけこむすきを与えていると指摘する。彼らによれば内気な性格をさも「病気」であるかのように宣伝している事例が多いと言う。製薬会社が2003年度に躁うつ病や対人恐怖症の治療薬の宣伝に費やした費用は総額17億ドル以上。

食品医薬品局(FDA)は2004年に製薬会社の対して対人治療薬として認可されている抗うつ剤「パクシルCR」のTVCMの打ち切りを勧告。FDAは「治療の必要のない内気な人と対人恐怖症の人との区別の混乱を招いた」と非難。対人恐怖症は決定的な診断方法がなく、専門医の主観で判断される場合も多い。

ちなみに米国で対人恐怖症と診断される人々はアルコール依存症に次いで多い。対人恐怖症、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の心の問題に悩んでいる成人の数は2300万人以上で人口の約10%。しかし、誤診も多いと指摘されている。