小説 「カラ-リスト マユミ」
フィクションです
Copyrights(C)Takahashi
1-3 Spring
「このアイシャドウは、どちらかといえばAutumn寄りですね。
山田さんはファ―ストシ―ズンがSpringなので
もう少し明るい感じのチャ系や黄緑、タ―コイズグリーンなどが
とても似合っておススメです。」
「あ~、はい。。。このリップは、どうでしょうか・・・」
「ロ―ズ系ですね。もう少しオレンジ系の方が、血色もよく見えますよ。
せめてグロスをもう少しサ―モンピンク系やオレンジ系に
してみたら。。。」
「そうですね。。。診断を受けてから、買おうと思っていたので
今日これから帰りに見て、買って帰ります。」
そう言って彼女は明るく微笑んだ。
ファンデ―ションやチ-クカラー、ヘアカラ-やネイルカラ-など
おススメのカラ-を紹介しながらト-タルでカラ-アドバイス。
その後は、今シ―ズンの流行色情報から
似合いそうなものを提案して終了。
そして希望がある場合は、部分メイクを似合う色で行っている。
彼女がメイクをして帰るというので、私はおススメのカラ-を
のせてみた。
「わあ~、いつもとやっぱり感じが違う。
少し若くなった気分です。。。」
「とてもはつらつとして、チャ―ミングさが増した感じですよ。」
しばらく彼女は鏡の中を覗き込んで、数回瞬きをした。
「お手数ですが、アンケ-ト用紙にご記入をお願いします。」
私は、いつもアンケ-トの記入をお願いしている。
時間があるときには、記入していただいたそのアンケ-トの内容で
少しお話をすることもあるのだ。
「今日はありがとうございました。山田さんはもともとのイメ―ジが
明るく若々しい感じの方なので、お洋服選びの時にはSpringカラ-を
意識して、お顔の近くに持ってくるようにすれば、さらに
元気の魅力アップですね。周りまで元気にしてくれるようなパワ―を
Springの方はお持ちなのですから。。。」
「なんか気持ちまで明るくなったような気がします。
ありがとうございました。」
診断のときがノ―メイクということもあるのだが
それにしても終ったときには、皆さん自信を持った笑顔でお帰りになる。
きらきらしている、といっても大げさではない。
そういうお客様の姿を見送るとき、私は私の心の中に
温かいものを感じることができる。
いろいろな事を言い訳にして、本当の自分を見つめず
自分に手をかけていない人。。。
自分に愛情を注いでいない人が、結構多いことに
この仕事を始めて、私は気が付いた。
鏡に映る自分と対話する時間がない、余裕がない、勇気がない。。。
だからって、見てみない振りや最初からあきらめていていいのだろうか。
本当の自分はどうなの?
周りにはそう言われているけれど、本当にそう?
自分ではこの色はしっくりいかない気がする。。。
いつも似合うと思ってこの色を選ぶけれど、ひとりよがりじゃないかしら?
自分で思う自分に自信が持てないと、ファッションを楽しむ余裕ももちろん
持てない。
自分で自分の事を考えたり思うのは、あくまでも主観。
それを似合う色=自分の本来持っている体の色に調和する色という視点で
なるべく客観的に分析していくのがパ―ソナルカラ-診断。
診断して、もし意に反する色がパ―ソナルカラ-だったら。。。
その方の思っている主観と診断結果の客観が大きくずれていたら。。。
受け入れられない方も、もちろんいらっしゃるけれど
そこを、そのギャップを埋めていくのが、私の仕事でもあるのだ。
パ―ソナルカラ-アナリストとなって、初めは外見の魅力アップの
お手伝い、と思っていたけれど、数多く診断をしていくうちに
パ―ソナルカラ-を知ることが、心にも大きな影響を与える結果になる
ということがわかってきた。
人は外見じゃない、中身よ、という言葉は全てじゃない。
外見によって中身が影響を受けてしまうなら
人は外見だけじゃない、でも中身だけでもない。。。
第1章 終わり
フィクションです
Copyrights(C)Takahashi
1-3 Spring
「このアイシャドウは、どちらかといえばAutumn寄りですね。
山田さんはファ―ストシ―ズンがSpringなので
もう少し明るい感じのチャ系や黄緑、タ―コイズグリーンなどが
とても似合っておススメです。」
「あ~、はい。。。このリップは、どうでしょうか・・・」
「ロ―ズ系ですね。もう少しオレンジ系の方が、血色もよく見えますよ。
せめてグロスをもう少しサ―モンピンク系やオレンジ系に
してみたら。。。」
「そうですね。。。診断を受けてから、買おうと思っていたので
今日これから帰りに見て、買って帰ります。」
そう言って彼女は明るく微笑んだ。
ファンデ―ションやチ-クカラー、ヘアカラ-やネイルカラ-など
おススメのカラ-を紹介しながらト-タルでカラ-アドバイス。
その後は、今シ―ズンの流行色情報から
似合いそうなものを提案して終了。
そして希望がある場合は、部分メイクを似合う色で行っている。
彼女がメイクをして帰るというので、私はおススメのカラ-を
のせてみた。
「わあ~、いつもとやっぱり感じが違う。
少し若くなった気分です。。。」
「とてもはつらつとして、チャ―ミングさが増した感じですよ。」
しばらく彼女は鏡の中を覗き込んで、数回瞬きをした。
「お手数ですが、アンケ-ト用紙にご記入をお願いします。」
私は、いつもアンケ-トの記入をお願いしている。
時間があるときには、記入していただいたそのアンケ-トの内容で
少しお話をすることもあるのだ。
「今日はありがとうございました。山田さんはもともとのイメ―ジが
明るく若々しい感じの方なので、お洋服選びの時にはSpringカラ-を
意識して、お顔の近くに持ってくるようにすれば、さらに
元気の魅力アップですね。周りまで元気にしてくれるようなパワ―を
Springの方はお持ちなのですから。。。」
「なんか気持ちまで明るくなったような気がします。
ありがとうございました。」
診断のときがノ―メイクということもあるのだが
それにしても終ったときには、皆さん自信を持った笑顔でお帰りになる。
きらきらしている、といっても大げさではない。
そういうお客様の姿を見送るとき、私は私の心の中に
温かいものを感じることができる。
いろいろな事を言い訳にして、本当の自分を見つめず
自分に手をかけていない人。。。
自分に愛情を注いでいない人が、結構多いことに
この仕事を始めて、私は気が付いた。
鏡に映る自分と対話する時間がない、余裕がない、勇気がない。。。
だからって、見てみない振りや最初からあきらめていていいのだろうか。
本当の自分はどうなの?
周りにはそう言われているけれど、本当にそう?
自分ではこの色はしっくりいかない気がする。。。
いつも似合うと思ってこの色を選ぶけれど、ひとりよがりじゃないかしら?
自分で思う自分に自信が持てないと、ファッションを楽しむ余裕ももちろん
持てない。
自分で自分の事を考えたり思うのは、あくまでも主観。
それを似合う色=自分の本来持っている体の色に調和する色という視点で
なるべく客観的に分析していくのがパ―ソナルカラ-診断。
診断して、もし意に反する色がパ―ソナルカラ-だったら。。。
その方の思っている主観と診断結果の客観が大きくずれていたら。。。
受け入れられない方も、もちろんいらっしゃるけれど
そこを、そのギャップを埋めていくのが、私の仕事でもあるのだ。
パ―ソナルカラ-アナリストとなって、初めは外見の魅力アップの
お手伝い、と思っていたけれど、数多く診断をしていくうちに
パ―ソナルカラ-を知ることが、心にも大きな影響を与える結果になる
ということがわかってきた。
人は外見じゃない、中身よ、という言葉は全てじゃない。
外見によって中身が影響を受けてしまうなら
人は外見だけじゃない、でも中身だけでもない。。。
第1章 終わり