横浜のカラーリストの今日もありがと

魅力アップ・心の安定応援セラピストK.H.Takahashi
「人生にカラーパワーを!」

‘カラーリスト マユミ’

2009-04-10 16:39:42 | 小説 「カラーリスト マユミ」
私の仕事がどんなものなのか、わかりにくいとよく言われるので
  小説にしてみようと思います!
  登場人物については、全てフィクションで実在のものとは
  関係ありません。
  

  小説  「カラ-リスト マユミ」
                         Copyrights(C)Takahashi

  1-1Springの人

      「おはようございます。」 
     
      明るく若々しい声で、女性が扉を開けて入ってきた。
      今日のお客様は、HPからのお申し込みの方で
      主婦で35歳。
      
      「山田様ですね、おはようございます。
       どうぞこちらにおかけ下さい。」

      パ―ソナルカラ-診断では、いつもノ―メイクでの診断を
      お願いしている。
      彼女は帽子を深めに被り、もうすでに素顔だった。
      お化粧を落とすことに、抵抗を感じる方も確かにいる。
      けれど、生まれ持った体の色をしっかりと見極めないと
      正確な分析がしにくい。
      お化粧の色は化学的なもので、その色味は強い。
      本来持っていないその色との調和を、優先してしまう結果に
      なりかねない。
      もって生まれた色で無理なく魅力アップするのが
      パ―ソナルカラ-なのだから、まずは素になって
      自分と向き合うことが大切なのだ。
      
      「こちらに記入してくださいね」

      私は、カウンセリング用紙を彼女に渡し
      お茶の準備をした。
      
      お茶を飲みながら、普段のファッションについて
      色々と尋ねた。
      彼女は黒ばかり着てしまい、色物はなぜか選べない
      という悩みを持っていた。
      
      パ―ソナルカラ-診断のお客様のほとんどが
      似合う色を知りたい、と来られる。
      それは、その人に似合う色=パ―ソナルカラ-なのだから
      当然なのだけど、多くの人はその時欲しい色で洋服を選んだりする。   
      でも結局選べなくて、無難な色のものを手に取ってしまう。。。

      彼女の場合、少し心理的影響もありそうだった。

      パ―ソナルカラ-についての説明の後
      早速診断に入った。

      「お肌はクリーム色ですね。瞳は茶系ですが。。。
       あ~、どちらかといえばブル―べ―ス系のSummer寄りかな。。。
       実際にドレ―プ(色の布)を当ててみましょうね」

      赤・ピンク・緑・黄・青・・・・・・
      次々と4シ―ズン(診断は春・夏・秋・冬のグル―プに分ける)
      の代表カラ-を顔の近くにあてて
      鏡に映った顔色の変化を一緒に見ていく。
      
      普段、念入りにお化粧をしていない人でも
      スッピンで鏡の前に座り、自分の顔がしっかり
      写るとなぜか眼を背けたくなっている。
      診断の途中まで、鏡の中の自分と焦点が合っていない
      お客様もかなりいる。
 
      彼女もまたそのひとりだった。
      
      「ほら、ここを見てください。この頬の影が濃くなっているでしょう」
      「あっ、はい」

      私の問いかけで、慌てて鏡の中の自分をやっと見る。
      診断を受ける気がないのではない。
      それなら、わざわざお金を出してまで来るわけがない。
      常日頃、忙しいからと言い訳をしながら、本当の自分と
      向き合うことをしていない。
      だから改めて見るのが怖い、のである。
      心の中のみならず、外見もそうなのだ。
      私達は結構、自分を見ているようで見ていないのかもしれない。
      見えているだけで、本当には見ていないのかもしれない。

      それでも慣れてくると、顔の変化を見ようと積極的になり
      終る頃には、ほとんどの方は自分で似合う、似合わないを
      見つけられるようになる。
    
      彼女も似合う傾向がわかり、納得もあり、驚きもありの様子だった。
      
                                         

       

 1-2 Spring

    パ―ソナルカラ-診断では、色々な流派が存在する。
    私の場合は、一番主流とされている
    4シ―ズンを使っている。
    季節の特徴になぞらえた4つの色のグル―プ。
    それぞれ似た特徴を持つ色をグル―プ分けにしていて
    春・夏・秋・冬----どのグル―プにもそれぞれに様々な色相が入っている。
    
    あなたは春タイプです、とか夏タイプです、というように
    診断をしていくのだけど、血液型のようにきっちりと
    分けられるわけではない。
    肌の特徴、瞳の特徴、ひとりひとり微妙に違うのだから
    4つにきちんと分類するほうが無理というものだ。
    
    私の場合は、ファ―ストシ―ズンとセカンドシ―ズンを
    決めて、全部で16タイプの分類を行っていた。
    これならもっと詳細に分析ができる。

    「お疲れ様でした、こちらにお戻り下さい」
   
    ファ―スト・セカンドシーズン、ベストカラ-、アクセサリ―カラ-など
    一通りの診断が終わり、私はこれまでの診断結果を
    まとめて彼女に伝えた。
 
    「意外でした。。。。こんな明るい色が私に似合うなんて。。。」
    
    「この水色やピンクもとてもお似合いでしたよ。」
 
    「今まで黒が多かったけれど、これから春になるから
     少しは明るい色も着たいなあ、と思っていたので
     なんか嬉しいです。」
  
    黒はファッション的には、どちらかといえば外せない色。
    ワ-ドロ―ブの常連かもしれない。
    けれど、心が違う色を欲しているなら
    もっともっと冒険するチャンス。
    
    似合っている色なら自信を持って
    身に着けてほしい。
    パ―ソナルカラ-が派手すぎて、こんな色の服は
    着れない、という方もいる。 
    けれど、いくらベストカラ-がその色だからといって
    全身その色にする必要は全くないのだ。
    顔映りが良いように、意識して顔の近くに
    似合う色を持ってくればいい。
    
    スカ―フやストール、アクセサリ―を
    選ぶときに自分のパ―ソナルカラ-を
    知っているのと知らないのとでは大違い。
    そこで、魅力アップできるのとできないのとで
    運命の分かれ道、といっても言い過ぎではないかもしれない。
 
    「ではコスメのカラ-チェックをしますので、いつも使っているものを
     見せてください。」

    「最近、この色を買ったのですけど、これは大丈夫ですか?」

    
                                     
    
 
  1-3 Spring

    「このアイシャドウは、どちらかといえばAutumn寄りですね。
     山田さんはファ―ストシ―ズンがSpringなので
     もう少し明るい感じのチャ系や黄緑、タ―コイズグリーンなどが
     とても似合っておススメです。」

    「あ~、はい。。。このリップは、どうでしょうか・・・」

    「ロ―ズ系ですね。もう少しオレンジ系の方が、血色もよく見えますよ。
     せめてグロスをもう少しサ―モンピンク系やオレンジ系に
     してみたら。。。」

    「そうですね。。。診断を受けてから、買おうと思っていたので
     今日これから帰りに見て、買って帰ります。」

    そう言って彼女は明るく微笑んだ。
    
    ファンデ―ションやチ-クカラー、ヘアカラ-やネイルカラ-など
    おススメのカラ-を紹介しながらト-タルでカラ-アドバイス。
    その後は、今シ―ズンの流行色情報から
    似合いそうなものを提案して終了。
    
    そして希望がある場合は、部分メイクを似合う色で行っている。
    彼女がメイクをして帰るというので、私はおススメのカラ-を
    のせてみた。
    
    「わあ~、いつもとやっぱり感じが違う。
     少し若くなった気分です。。。」

    「とてもはつらつとして、チャ―ミングさが増した感じですよ。」
   
    しばらく彼女は鏡の中を覗き込んで、数回瞬きをした。
  
    「お手数ですが、アンケ-ト用紙にご記入をお願いします。」

    私は、いつもアンケ-トの記入をお願いしている。
    時間があるときには、記入していただいたそのアンケ-トの内容で 
    少しお話をすることもあるのだ。

    「今日はありがとうございました。山田さんはもともとのイメ―ジが
     明るく若々しい感じの方なので、お洋服選びの時にはSpringカラ-を
     意識して、お顔の近くに持ってくるようにすれば、さらに
     元気の魅力アップですね。周りまで元気にしてくれるようなパワ―を
     Springの方はお持ちなのですから。。。」

    「なんか気持ちまで明るくなったような気がします。
     ありがとうございました。」

    診断のときがノ―メイクということもあるのだが
    それにしても終ったときには、皆さん自信を持った笑顔でお帰りになる。
    きらきらしている、といっても大げさではない。
    
    そういうお客様の姿を見送るとき、私は私の心の中に
    温かいものを感じることができる。
 
    いろいろな事を言い訳にして、本当の自分を見つめず
    自分に手をかけていない人。。。
    自分に愛情を注いでいない人が、結構多いことに
    この仕事を始めて、私は気が付いた。 
    鏡に映る自分と対話する時間がない、余裕がない、勇気がない。。。
    だからって、見てみない振りや最初からあきらめていていいのだろうか。
    
    本当の自分はどうなの?
    周りにはそう言われているけれど、本当にそう?
    自分ではこの色はしっくりいかない気がする。。。
    いつも似合うと思ってこの色を選ぶけれど、ひとりよがりじゃないかしら?

    自分で思う自分に自信が持てないと、ファッションを楽しむ余裕ももちろん
    持てない。
    自分で自分の事を考えたり思うのは、あくまでも主観。
    それを似合う色=自分の本来持っている体の色に調和する色という視点で
    なるべく客観的に分析していくのがパ―ソナルカラ-診断。
    
    診断して、もし意に反する色がパ―ソナルカラ-だったら。。。
    その方の思っている主観と診断結果の客観が大きくずれていたら。。。
    受け入れられない方も、もちろんいらっしゃるけれど
    そこを、そのギャップを埋めていくのが、私の仕事でもあるのだ。
    
    パ―ソナルカラ-アナリストとなって、初めは外見の魅力アップの
    お手伝い、と思っていたけれど、数多く診断をしていくうちに
    パ―ソナルカラ-を知ることが、心にも大きな影響を与える結果になる
    ということがわかってきた。
    
    人は外見じゃない、中身よ、という言葉は全てじゃない。
    外見によって中身が影響を受けてしまうなら
    人は外見だけじゃない、でも中身だけでもない。。。

                                      第1章 終わり  


     

    
  
  2-1 カラ-ボトルセラピ―

   「この10本のカラ-ボトルから、惹かれる色のボトルを6本
    選んでください。」

   「次々と選んじゃっていいんですか?」

   「はい、この中から惹かれるボトル、手に取りたいなあ
    と思われる色のものを、こうして選んで手前に順番に置いて下さいね。
    先入観を持たないように、眼を閉じて心を静めて深呼吸をしてみてください。
    落ち着いたところで、ゆっくりと眼を開け、ボトルを選びましょう。」

    今日のクライアントさんは、40代の既婚女性。
    お子さんがまだ2歳前なので、お子さん連れでサロンに来ていた。
    その女の子は比較的おとなしく、彼女のひざの上で
    今はおもちゃをいじって遊んでいる。

    彼女は深呼吸をした後、そっと眼を開け、左手で6本を選んだ。
   
    「はい、ありがとうございます。では順番に見ていきましょうね。」
  
    このカラ-ボトルセラピ―では、過去・本質、現在、未来と
    選んだ色でリ-ディングをしていく。
    
    色からのさまざまなメッセ―ジを伝えながら、ゆっくりと記憶を
    たどってもらう。
    
    閉じ込めていた、眠っていた記憶ももちろんあるはず。
    思い出したくないことに気が付いたり、思い出が鮮明でないときもある。
    つらいこと、話したくないことは無理に口に出さなくてもいい。
    本人がそのことに向き合う時が来たことがわかれば。。。

    この選ばれた6本は、今現在、テ-マにしなければならない
    色のボトルが選ばれている。
    偶然、というよりは無意識に本人が選んでいるのだ。
    
    「今、井上さんは安定した穏かな気持ちで過ごしていますか?」
     
    「ある意味、安定していますね。家にいて育児に専念しているので。」

    「感情面では、その反面落ち着きのないイライラした気持ちがあったりしますか?」

    「子供に対しては、イライラすることは今はないですけど、家にいることが
     多いので、なんか外とのつながりが少なくて・・・」

    「家にいることが多くて、閉鎖的に感じているのですね。。。」

    「40になって結婚して子供が授かったので
     子育ては楽しみながらしています。でも今まで結構
     自由にやってきて、最近、友人と出かけることもなくなってしまい
     孤独感を少し感じているんです。子供が出来たので仕方がない
     とは思うんですが。。。」

    安定した生活なのに、心は実は不安定。
    選んだグリ―ンのボトルは、彼女のそういう複雑さも
    表わしているのかもしれない。

                                            

    

    
   2-2 カラ-ボトルセラピ―

   「潜在意識では、母性の強いボトルが来ていますね。
    女性的思いやりにあふれた色です。また家庭を大切に
    思う色でもありますね。」

   「今はとにかく家庭が一番なので。。。」

   「お母さまからの影響が何かあると思いますか?」

   「実家の母とは最近連絡を取っていなくて、それを気にしていたからかな。。。」

   「お母様とは疎遠になっているのですか?」

   「自分の事で手一杯で、なかなか連絡をとる気にならなくて。」

   「小さい子供がいると時間が自由にはならないですものね。」

   彼女は何か言おうか、言うまいか、迷っている様子だった。
   そのとき、彼女のひざの上にいた女の子が、飽きてきたのか
   体をそらしたり手足をばたばたさせはじめた。
   彼女は申し訳なさそうに軽く頭を下げ、かばんの中から
   お菓子を取り出して、女の子に渡した。
   女の子は、おいしそうにもぐもぐと口を動かし、お菓子を
   口いっぱいにほお張った。

   過去・本質、現在、未来とボトルの色を糸口に
   一通り話をしながら、彼女も少しずつ心の整理が付き始めたようだった。
   
   「でも本当にびっくりしました。何でこんなに当たってしまうのかって。。。
    どうしてわかってしまうのかなって・・・」
   
   「全て井上さんがご自分で無意識に選ばれたものですよ。
    もやもやした気持ちがあったら、自分の心と向き合って
    色で心模様を映し出して、クリアにしていくのもストレスを
    ためないための方法のひとつです。」

   最後にヒ-リングカラ-をカウンセリングしながら決めて
   カラ-ボトルセラピ―は終る。
   
   彼女の今日のヒ-リングカラ-が、彼女に今足りていないエネルギ―を
   補ってくれるはず。
   今の彼女には、人との交流や楽しみが必要に見えた。
   育児以外の楽しみも、できる範囲で見つけるようにしたほうが
   心も安定するようだ。
   それに対して、決して罪悪感を持つ必要はないのだ。
   
   「ありがとうございました。心が軽くなった気がします。」

   彼女はそう言って、バギ―を押してサロンを後にした。

   小さな子供がいるお母さんは、特に自分の自由時間が少ない。
   そういったストレスのはけ口が、子供に向いたりすることもある。
   そして自己嫌悪に陥り、自分に自信が持てなくなり
   余計に閉鎖的になってしまうことも。
   
   それも本当に一生のうちの少しの間だけと思って
   乗り切って欲しい。
   終わりが必ず来る苦しみは耐えられる、と思うから。
   
   カラ-ボトルを私が並べなおしていると、メ―ルが入った。
   友人からだった。
   
   ‘ 久しぶり、マユミ! マキコです。 仕事は順調かな?
     カラ-セラピ―をお願いしたいんだけど。
     都合のいい日を教えて。'


  

    2ー3 カラ-ボトルセラピ―

   マキコとは高校時代からの友達で、付き合いは長い。
   私のカラ-セラピ―を受けたのは、初めは興味からだったけれど
   今では、心の中に疲労と老廃物が溜まってきたな、、、と思うと
   時々、セラピ―を受けに来てくれるようになっていた。

   カラ-ボトルセラピ―は、もちろん医療行為ではない。
   ボトルを選んでもらって、話をして、心の声と向き合ってもらうよう
   ナビゲ―ションし、心のバランスをとってもらうのが目的。
   
   心のバランスを崩し病気になり、それが体の病気にまで繋がらないよう
   心の健康管理をしていくためのものだ。
   なので病院に通われている方には向いていない。
   予防医学の分野になる。  
   ずっと敷居の低い町のお姉さん?相談員?!みたいな感じかもしれない。 
    
   通常のカウンセリングでは、クライアントの話したことに対して
   守秘義務がある。
   なので、セラピ―中の話しは他言はしない。
   悩みや相談、ストレスに対して利害関係もないので
   あまり固く考えずに、友人と話をする感覚で受けてもらえる。
   
   けれどクライアントが初対面の時、私自身ももちろん緊張する。
   その緊張をどうやってリラックスに持っていくかが、結構難しい。
   
   緊張を和らげる効果として、私は音楽とアロマを使っていた。  
   音楽は私の気分でチョイスしたものを流しているけれど
   最近はケルト民族系の音楽がお気に入り。
   アロマは柑橘系のスィ-トオレンジが今の私のお気に入りになっていた。
  
   ハ-ブティ―も欠かせない。
   女性には特に人気の高いロ-ズティーを、男性にはリラックス効果の高い
   カモミ―ルティーを出していた。

   「今の園長代理の仕事がきつくて、悩みが多いわよ。
    今日はもうひとつのセラピ―のトリコロ―ルでお願いしようかな」

   マキコは元気いっぱいに笑顔を見せた。
   少し疲れている様子だけど、その笑顔はまだまだ余裕が
   ありそう。。。私は安心した。

     「了解。ではこの12本のボトルの中から6本を選んで下さい。
    惹かれるボトルを順番は関係なく選んでみてね。」

    3層に分かれた繊細で美しいカラ-ボトルを
    いたずらっ子のように眼を輝かせながら
    マキコは選んでいった。

    「では、その6本をこの図のマルの中に置いて下さい。
     好きなボトルを好きな位置に置いてね。」

    マキコは、少し迷いながらも6本のボトルを
    図に従って好きな位置に置いた。

    「この中で、今一番気になるボトルはどれですか?」

    「ん~、そうだなあ。。。これかな。。。」

    マキコは、一番上の位置においてあるボトルを指差した。
    
    それは堕天使のボトル。。。

                                         

         
2-4 カラ-ボトルセラピ―

  
   トリコロ―ルは、中国の古代の考え方である5つのエレメントを
   分析に使っている。
   5つのエレメントはエネルギ―のサイクルとして考えられ
   その変化が規則正しくおきることで、エネルギ―の流れが
   スム―ズになり、問題が起きなくなると考えるのだ。

   ひとつのところに留まるとマイナス感情が生まれ
   バランスも崩れてしまう。
   自分が陥りやすい状態などを理解していれば
   バランスもとりやすくなる。
   意識・潜在意識・深層心理までカラ-でリ-ディングしていく。
  
   「何か物事を行うときや決断をするときって、楽しいことや人との交流を
    意識したりする?」

   「ん~、そうだなあ。。。それはあるかも。決めるときって
    それが楽しいかどうかとても気になる。。。」

   「そんな時、ポジティブなのかな」

   「ん、あまりネガティブにはならないかな。他の人と何かをするのも
    好きだし。。。」

   「自分にとってのエネルギ―がピ―クになっている、と
    思うときって、物質的な豊かさを求めたり、快楽主義になって
    いたりする?」

   「そうかも。私って結構物に弱かったり、現実的だったり。。。
    どっちかといえば体を使って楽しむことが好きかな。
    子供達とダンスしたり、、、」

   「ちょっと怒りっぽくなったりもするかな?」

   「そうねえ~、エネルギ―を周りに発散させるタイプかも。」
    周りは迷惑かもね~。」  
 
   マキコはそう言って笑った。 

   「深層心理にゴ―ルドだけど、一生懸命やっていることに対して
    評価されないことへの不満とかあるのかな?」
   
   「ん。。。今は園長代理になって現場に出れないというか
    担任にならないで、全体の管理役になっているから
    子供達とのふれあいが少なくて、欲求不満になっているかも。
    評価されない不満というなら、、、自分の意見がなかなか
    通らないことへの不満が大きいかな。
    園長や理事長との方針の違いがあったりして。
    こっちは立場が弱いから。。。」

   「このボトルには権力あるものへの抵抗という意味もあるから
    そういう思いが表れているのかもしれないね。
    このボトルはね、生きることへの喜びを他の人へ伝えられる人の
    ボトルだから、マキコは周りを楽しくさせることで
    自分も楽しめて、幸せを感じることができる人なんだよ。」

                                          

   

  2-5 カラ-ボトルセラピ―

  5つのエレメントのボジションに置かれたカラ-ボトルについて
  色々と話しをしながら、かなりあちらこちらと話題が飛んでしまったけど
  リアルセルフ-本当の自分のボトルについては、マキコなりに
  考えるところがあったようだ。
 
  「そうかあ~、確かにすぐに結果を求めるタイプでは
  あるよね。。。人から指図されるのも嫌いだしね。
  自分が種をまいたことが出てくる、、、カルマの法則って
  言うんだっけ?!
  それは肝に銘じないとね。。。」

  「でも、楽しようとばかり考えないで、地道な努力をしていけば
  サクセスに導かれる人、というのがこのボトルの意味だし
  正義感が強いタイプって出ているのが、マキコらしいと思うよ。」

  「ん、私、正義感は強いかも。」
 
  マキコの色々な面が、このセラピ―でクロ―ズアップされ
  改めて自分を見つめなおす良い機会になったようだった。
  
  最後にヒ-リングボトルを選び、そのボトルの象徴の意味を
  伝えて、カウンセリングは終る。

  「マユミ、今日はありがとう。」

  「いいえ、どういたしまして。マキコは私の友達でもあり
   クライアントでもあるから、いつも感謝しています。」

  「来月、またリカ達と連絡を取って食事に行こうね~。」

  「ん、じゃあまたね~。」

  キャリアを積んだ女の颯爽とした歩き方で
  マキコは帰っていった。
  恋愛がなかったわけではないし、結婚まで考えた人が
  いなかったわけでもない。
  ただ、タイミングが合わなかっただけ。
  
  最近、恋愛の話はマキコとはしていなかったから
  今度食事のときにでも話題にしてみよう。
  恋愛に対する考えがどういうものなのかを
  自分で知っておいたほうがいいはずだ。
  それにはちょうど良いカラ-心理テストがある。
  
  毎日生きていて、悩みや問題や不安が全くない人は
  いないと思う。
  全くない、と言い切れる人は見てみない振り,気が付かないふりを
  しているのではないか。。。

  そして何か悩んでいるその答えは
  やっぱり自分の中にあるのだと思う。

  人それぞれに、その人に合ったクリアしなければならない
  問題が起きているのだとしたら、その問題の解決方法は
  その人の資質や考え、心の中、行動パタ―ンから
  見つけられるはず。
  それが簡単にはわからないから、人は悩むのだ。

  色々な角度から、色によって導かれる自分探求の時間。
  古からの教えも絡めながら、神秘的なボトルになっている
  このトリコロ―ル。

  セラピ―の後、あまりに情報が多すぎて、全ては思い出せない
  かもしれない。
  けれど、ひとつでもふたつでも心に残った言葉や思いが
  何かの時のキ―になるはず。

  ストレス発散に旅に出ると、現実から離れて
  リフレッシュできるけれど、もし体的にその場所を
  離れることができないなら、心だけでも自由に
  あちらこちらと自分探求の旅へ出ることをおススメする。
  
  その旅の中で、思わぬ拾い物をするかもしれない。
  自由を満喫できるかもしれない。。。
  いくら体ばかり自由でも、心が自由でなければ
  人は希望を持って生きてはいけない。。。

                                   第2章 終わり

  
   
  
 3-1 カラ-心理テスト


  「この中でこれまでの自分の恋愛のイメ―ジに
   一番近いものはどれですか?」

  「ん~、これかな。。。」

  少し考えた後、その女性はひとつのカラ-プレ-トを選んだ。
  
  彼女は30代半ばで婚活中。
  派遣でOLをしているが、こんな不景気の世の中。
  いつ派遣契約を打ち切られるか、わからないので
  なおさら婚活に力を入れているようだった。

  見た目は年相応。
  物腰は柔らかく、女性らしい雰囲気を持っていた。
    
  いわゆる肉食女子とは違うタイプで
  告白されるのを待つほうだった彼女は
  この年になってようやく積極的になろうと決心。
  これまでの恋愛で何か結婚に辿り着かなかった
  原因があったのなら知りたい、ということで
  サロンにやってきた。
  
  相手を知る以前に、まずは己を知る
  これは、効率的な婚活の鉄則だ。

  彼女はこの色を拒否している。。。  
  抱えている問題がありそうだ。

  「これまでの恋愛で、何か嫌な思い出があり
   それを引きずっているようですね。」

  「あ~、実らなかった恋愛もありましたから。。。」

  「自分を受け入れてもらえない想いが
   そのときにありましたか?」

  「そうですね。。。初めはとてもうまくいっているように
   感じるんですけど、いつも途中から冷たくされちゃうんです。」

  「途中から冷たくされているように、感じるのですね。
   鈴木さんは、尽くすタイプの方のようですが
   いかがですか。」

  「あっ、尽くすほうだと思います。それで煩がられるのかも。」

  彼女は、これまでの受け入れてもらえなかった思いを
  ゆっくりと思い出しながら、言葉を選びながら話し始めた。

  彼女は、精神的な繋がりを大切に思うタイプ。
  そういう相手となら熱い関係になれる。
  けれど、相手に尽くすことで幸せを感じる彼女を
  疎ましく思う相手もいた。
  
  彼女のような恋愛観を持っている人は
  1人の人を愛し、密接に繋がっている状態に安心感を持つ
  結婚という形に合っている人といえるかもしれない。

  
                                           


  
 3-2 カラ-心理テスト

  「今までうまくいかなかったのは、鈴木さんの求めている恋愛観に
   共感してくれる人や、理解してくれる人がいなかったせいね。
   幸せに感じることや、恋愛に求めることは
   人それぞれ違うから、難しいの。
   まず鈴木さん自身がどういう恋愛タイプの人なのかを
   わかっていたほうが、いいわ。
   でも、今日色々とお話をして自分自身でわかったんじゃないかしら。」

  「はい。自分が恋愛に対して、どういうことを求めているのかがわかって
   なんか今までの自分の恋愛が腑に落ちました。やっと冷静に
   自分を見れる気がします。
   恋愛観ってとても大切なんですね。」

  「婚活、頑張ってくださいね。きっと鈴木さんとぴったりの人が現れて
   幸せな結婚ができると信じています。」
   
   彼女はこのテストを通して、自分を客観的に見て、初めて
   心の中の整理がつき、自信を持つことができたようだった。
   素敵な笑顔を見せて、頑張りますの言葉を残し
   サロンを後にした。


   顔さえ知らない相手とお見合いで結婚する時代もあった。
   その時代の後遺症のせいか、お見合いは敬遠されるようになり
   自然恋愛の延長線上で、結婚を求めるのがあたり前になった。
   
   婚活といっても、根本は変っていない。
   結婚を前提として恋愛をしたい、結婚という花が咲く恋愛を
   したいだけだ。
   ただ出会い方を合理的にして、無駄を省きたいのだ。
   その花が咲く確立を高くするために。。。
   その花を一緒に咲かせるという同じ目的を持った人に会うために。。。
   
   条件だけの結婚はありえない。
   最終的にはハ-トだ、と思う。
   恋愛にならなければ、結婚には踏み切れない。
   
   結婚後に長く続く、共に歩む生活を思うと
   一度も愛を感じられない人と家族になることは
   無理のように私には思える。

   恋愛傾向、それは恋愛に求める欲求。
   普段の社会的に見せる性格や傾向と異なることも多い。
   だからなおさら人は戸惑う。
   恋愛、それはもっともプライべ-トなデリケートな部分。

   自分の恋愛傾向をこういう風に心理的に測ったなら
   社会的な仮面の下の本当の自分の顔が
   見えてくるかもしれない。。。  

                                

   
  
3-3 カラ-心理テスト

   「はじめまして。山中です。お願いします。」

   その男性は、少し緊張した表情で軽く頭を下げた。
   40代半ばぐらいのサラリ―マン風の男性だ。

   「リラックスしてテストを受けてくださいね。難しい質問では
    全くありません。ただ好きか、嫌いかを
    お答え頂くだけです。」

   「はい。」

   「時間は10分ほどで終ります。では、早速はじめましょう。」

   このカラ-心理テストは、今のありのままの心の状態を
   知るテスト。
   基本的なパ―ソナリティやその日の気分もわかる。
   さらに感情と理性の心の矛盾を明らかにすることで
   本人が気が付かない心の闇を照らしていく。
      
   テスト結果をもとに過度な欲求と過度な拒否を分析
   それをもとに色々と話をしていくのだ。
   
   「はい、お疲れ様でした。テストと名の付くものは
    なんとなく緊張しますよね。これで全て終わりです。
    リラックスしてくださいね。
    この結果をもとにお話をしていく前に、まずは簡単な
    分析チェックをしますので、少しお待ちください。」

   彼はやっと緊張が解けてきたのか、二コリと笑みを見せた。

   本当にテストの結果は人それぞれ。
   彼の場合は、基本的なパ―ソナリティからはそれほど
   外れた欲求は出てはいなかった。
   けれど、行動面や問題解決への取り組みでは
   いつもの彼とは違う一面が現れていた。

   「外部に対しての働きかけやリアクションで
    現在、非常に強いコントロ―ルを自分でしていませんか?」

   「あ~、そうですね。実は今、会社が合弁という形になって
    今の上司は別の会社から来た人で、かなり気を使っているので
    そういう点ですかね。」

   「そうですか。上司の方に気を使われていて、争いごとや
    リスクに繋がることを避けようと努力しているのですね。」
   
   「そうですね。やっぱり会社ごとにカラ-があって、私が今いる部署は
    その別のほうの会社の人ばかりで、結構大変なんです。」

   「気を使われて大変なんですね。それで慎重になったり
    自分自身を強くコントロ―ルしている状態なのですね。」

   「ストレスで、結構胃が痛くなるんですよ。」

   そう言って、彼は顔をしかめた。
  
   「行動面でとても慎重になっている反面、ご自分の本当の欲求が
    満たされない時、違う方向にその攻撃性が向いてしまう危険性も
    あります。
    今は、山中さん、ご自身がご自身を冷静に見ようとされているので
    その心配はないとは思いますが。」

   「あ~、確かに。。。そうですね。八つ当たりとかしたくなる時も
    ありますよ。。。。」

    彼はそう言うと笑った。

                             



 3-4 カラ-心理テスト

  「やはり今現在、抱えているストレスから早く
   逃れたい、解放されたいと願っていますね。
   そしてそれは、いずれ解決されるだろうと楽観的に
   考えてもいますね。」

  「そうですね。仕事や上司とも慣れてくれば何とかなるかな、と
   思っているので。」

  「ご自分では、尊敬されたいという欲求を満たすことで
   そういうようなストレスから解放される、自由になれる
   と思われているようです。
   今考えているストレスから解放されるには、周りにご自分の事を
   認めてもらわなければ、という思いが強くあるようですが
   いかがですか?」

  「確かに。。。周りはどちらかというと友好的というよりは、敵対心みたいな
   雰囲気があるので、自分の会社でのポジションがとても微妙です。
   自分のポジションを確立したい、しなければ、と。。。」

  今の彼のストレスの原因は、主に仕事にあるようだった。
  彼の話を聞いていると、彼の持つ欲求は当然の流れのように思えた。
  ただその欲求を無謀なやり方で押し通そうとしたり、または
  完全にあきらめて、無視してしまうことが良くないのだ。
  行過ぎた思いや行動、無視は心のバランスを狂わし
  人を破滅へと導いていく。

  これまでは、彼なりに心のバランスをとってきたのだろう。
  けれど、それは彼にとってはかなりの我慢であり
  もはやその状態に絶えられないところまで
  来てしまったようだ。
  

  「理性面でも同じように考えられているようですね。 
   なので感情と理性ではそれほど矛盾はないのですが
   ひとつだけ気になるとしたら。。。
   近しい人との間での満足感を、無視している状態
   つまり、見ない振りをしているような状態になっていることですね。
   それは感情面で現れています。」

  「あ~、それは。。。近しい人っていうのは家族っていうこと
   でしょうか。。。」

  「そうかもしれないし、会社の中でのことかもしれませんが
   何か思い当たることはありますか?」

  思い当たることがあったのか、彼は苦笑しながら
  小さく何度もうなずいた。
  
                                     
  

    
  3-5 カラ-心理テスト

  「こんなこともテストに出てしまうんですか。。。
   驚いたな。。。ん~」

  彼は苦笑いをしながら、少し考え込んでいる様子。
  話しを切り出そうかどうか、迷っているようだった。

  「お話になりたくないことは、無理に話さなくても大丈夫ですよ。
   山中さんに思い当たることがあって、そのことかな、と
   思われているのでしたら、それだけで十分な意味があります。」

  「はい。。。大体は、、、思い当たることはあるんですが。。。」

  短時間でしかも初対面なのだから、いきなり心の奥底に
  沈めてある感情を、ためらいもなく表に出すことは難しい。
 
  話したくないときは、無理に聞き出すことはしない。
  本人が、そのことに気が付くことが大切なのだ。
  気が付いたことで、その思いともいずれは向き合わなければ
  ならない、、、という気持ちになる。
  心の中のもつれた感情を、少しずつ解いていくきっかけになるはず。
 
  
  最後に、彼の偏った心に対するバランスのとり方を
  アドバイスして終了した。

  「ありがとうございました。なんかすっきりしました。
   面白かったです。」
 
  そう言って、彼はさっきまでしていた苦笑いとは違う
  さわやかな笑顔でサロンを後にした。
  

  このカラ-心理テストは、自己統制心理学を
  基にしたテスト。
  とても論理的でしっかりとした統計結果をべ―スにして
  開発されたものだ。

  どちらかといえば、お堅い。
  だから意外と大人の男性が興味を示す。
  
  日常生活や近所のことや友達のことよりも
  会社や仕事のことで悩むことの多い男性は
  自分の進む道や会社での立場に
  神経を張り巡らせる。
  
  どちらかといえば話してすっきりする遺伝子が
  組み込まれて生まれて来たような女性。
  けれど、男性は自分の内面をさらけ出し、自分の弱みを
  簡単に見せることはしない。
  何の解決にもならないおしゃべりは、無駄なのだ。
  
  この心理テストは、そういう男性にも受け入れられている。
  
  心のバランスを健全に保つ方向性を見つけていくには
  最適な心理テストなのだ。

  心の中で複雑に、善と悪、天使と悪魔がささやく。
  私達の心の中の対話は、自分 対 自分。
  
  自分が思っている自分らしい自分。。。
  バランスの取れた健康的な自分。。。
  人の目に映っている自分。。。
  人生、生きにくくしている自分。。。
  色々な自分がいる。
  
  もちろん、人生、生きやすくする自分もいる。
  
  人生の行程を楽しむために
  少しでも自分の事を客観的に見る事が大切。
  そのためのバイブルともいえるカラ-心理テスト。
  活用しないなんて、それはもったいない。。。

                                第3章 終わり


  
みなさん、第3章までお付き合いいただき、ありがとうございました。
  
  今回は、私のお仕事紹介を兼ねたエッセイ風小説だったので
  少し堅苦しい内容になってしまいましたが
  もし、次回作「カラ-リスト マユミ」シ―ズン2を書くことができましたら
  いつになるかはわからないのですが、その時はもっと楽しめる内容にして
  アップしたいと思います。
  あっ、でも本当にいつになるかわかりません。
  小説ばかり書いていると、自分の本業がおろそかになってしまうので(^^;
  気長にお付き合いくださいませ。
  小説「カラ-リスト マユミ」 最後まで本当にお付き合い頂き、ありがとうございました。
  この小説を通して、少しでも多くの方がカラ-について関心を持ち
  日常生活で役立てることができたら、と願っています。
                                    Color275


  



 
   
   

 
  
 





     
   

    
    
         

     
                 
 

       
    
    
    
    

 


 
      



       




      
             
             
    

  





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