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No437 冥王星はどうして惑星ではなくなったか

2006年08月29日 | おもしろ新最新情報
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1930年、冥王星が発見されました。1950年前後に2人の天文学者が、それぞれ「冥王星付近あるいは外側に、氷でできた小天体がたくさん存在する」という考えを発表しました。この領域は「エッジワース・カイパーベルト(EKBO)」と呼ばれます。1992年に冥王星以外のEKBOが発見され「1992 QB1」と名づけられました。直径が約200キロメートルです。その後、1993年に5個、1994年11個、1995年16個、…と発見数が増えていき、2006年7月21日現在、その数は冥王星とその衛星カロンを除いて1118個です。この中でも、冥王星より大きなEKBOが発見されています。冥王星大きさは直径2306キロメートルです。セドナ(Sedna)と名付けられたこの天体は、直径は推定1800キロメートルでしたが、2005年7月に2003 UB313が冥王星よりも大きいことが判明し、時を同じくして直径推定1500キロメートル前後の2005 FY9、あまりにも速い自転で推定2000×1000×1200キロメートルのラグビーボール形になってしまった2003 EL61という2つの巨大EKBOの存在が発表されています。
そこで、国際天文学連合は次のように、太陽系に属する惑星およびその他の天体に対して、衛星を除き、以下の3つの明確な種別を定義しました。

1. 太陽系の惑星とは、(a)太陽の周りを回り、(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、(c)その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。
2. 太陽系のdwarf planetとは、(a)太陽の周りを回り、(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、(c)その軌道の近くで他の天体を掃き散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。
3. 太陽の周りを公転する、衛星を除く、上記以外の他のすべての天体は、Small Solar System Bodiesと総称する。
冥王星は上記の定義によってdwarf planetであり、トランス・ネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。

まあ、EKBOを惑星に混ぜると、収拾がつかなくなるという配慮だったのでしょう。