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心のたねを言の葉として

2年4組の皆さんへ 本田技研のお話    一歩

2012-01-25 06:38:30 | 教育
2年4組の皆さんへ 本田技研のお話    一歩



 本田技研のお話です。新聞やテレビのニュースに出てくる大人たちは、子供たちを失望させることばかりしています。では日本で一流、子供たちに誇れるものは何でしょう?一部の企業、早くから国際競争にさらされ鍛えられてきた企業がそれに当たるでしょう。本田技研という会社はまさにそういう企業の一つであり、日本の多くのお父さん達が尊敬している会社です。

 「本田の歴史をひもとくと、ずいぶんメチャクチャをやってきた、いろいろ失敗をしてきたが、目的の正しさにおいて成長してきた、と言える。目的こそ企業、個人の生存の要点であり、目的による連鎖を確立したい。」と本田技研の創設者本田宗一郎は述ています。企業は目的先行、はじめに目的ありきで経営を続けていきなさい、と言っているのです。では、本田という会社の目的は何なのでしょうか?
 「全世界の18%の車好き、へそ曲がりに対して廉価で機能の優れた車を、夢を提供すること。造って喜び、売って喜び、乗って喜べるような車を提供したい」これが本田宗一郎が会社を作ったときの目的です。できたばっかりの小さな会社。朝礼でミカン箱の上に上がり、2、3人の社員に向かってこう語りかけたそうです。

 わずか数人から始まった本田の会社が、現在のような企業にまで成長しできた理由の一つは、社員の一人ひとりが「目的・目標」を持つことでした。そして、「下が上に対等の立場でものを言えるシステム」を作ったことです。
 本田では上から下まで皆が「目的・目標」を毎年書いています。社長も部長も下の人も。会社としての方針もありますから、個人の目的・目標と異なる仕事を要請されることは当然あります。目的・目標が個人の目的・目標と違うと、つまらない、イヤになる。それではいけないので議論が始まる。「おかしいじゃないか」「あなたこそおかしい」。議論をやるときは対等の立場でやろう、仕事の方向性に関する議論に上司も部下もない。この葛藤が組織のエネルギー。組織がナアナアではダメ。ぶつかり合いこそエネルギー、活性化です。意志を持った分子と分子がぶつかり合う組織にしていこう。一人一人が目的を持ち、議論するところから、本田のエネルギーは生まれました。

「組織がそうであるように、そこで働く人、個人も自分の目的先行で仕事に臨むことが大切である。企業と言っても人の集団。個人がまず目的をしっかり持たないといけない。あなたは何をしたいの?あなたは本当に何をしたいの?これが原点となって、このあなたが何をしたいのが積み重なって、企業の目的と連動する。」

「大切なのは、計画+無理。無理が本当の活性化の原点になる。できることだけやっていても活性化にならない。高い目的・目標があるから当然無理が出てくる。活性化とは変化の取り込みとも言えるし、その変化は企業の命運を賭けた変化でなければならない。」

 このような本田宗一郎の言葉に、本田の哲学がうかがえます。
 本田は、42%もの市場占拠率を持っていた軽自動車からあっという間に撤退、トヨタ・日産も諦めたCVCCエンジンに経営を賭けて取り組み、他社に先駆けてオハイオに工場を作り、F1にチャレンジ、こういうことをドンドンやってきました。この意思決定に会社の全員が興奮する、とんでもないことだ、と言って興奮する。それをやるために神経がすり減る。「こういう状態をムンムンカッカというんです。」「分からないのか」「そっちこそ分からんかい」と激しくぶつかる。こういうことをやりながら、これが目的・目標に繋がっていきます。
 
 本田は、こんなふうに成長して、世界のHONDAになったのです。
 
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