「なんでもない」 まどみちお
なんでもない ものごとを
なんでもなく かいてみたい
のに つい なんでもありそうに
かいてしまうのは
かく オレが
なんでもないとは かんけいない
なんにもない にんげんだからだ
ほら このみちばたで
ホコリのような シバのハナたちが
そよかぜの あかちゃんとあそんでいる
こんなにうれしそうに!
なんでもないからこそ
こんなに なんでも あるんだ
天のおしごとは
いつだって こんなあんばいなんだ
なんでもない ものごとを
なんでもなく かいてみたい
のに つい なんでもありそうに
かいてしまうのは
かく オレが
なんでもないとは かんけいない
なんにもない にんげんだからだ
ほら このみちばたで
ホコリのような シバのハナたちが
そよかぜの あかちゃんとあそんでいる
こんなにうれしそうに!
なんでもないからこそ
こんなに なんでも あるんだ
天のおしごとは
いつだって こんなあんばいなんだ