遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

故玩館の竹藪、伐採しました

2022年05月03日 | 故玩館日記

先回のブログで、故玩館の竹藪と坂道が、中山道美江寺宿を描いた広重の浮世絵のキーワードであることをのべました。

このうち、急坂は、道路改良によって失われました。

もう一つのキーワード、故玩館裏の竹藪は、何百年も同じ形を保ち続けてきました。

しかし、環境は大きく変わりました。かつて無数にあった野池やクリークはほとんどなくなり、出水時でも数日すれば、故玩館の周りからは水が引きます。あれほど頻繁にあった濃霧も、ここ5数年間に一度もみられません。土地全体が乾燥してきたのです。

竹は、水のあるところまでしか繁殖しません。竹根の伸びは水際で止まります。ところが、乾燥化がすすんで、ここ数年、竹がものすごい勢いで増えだしたのです。必死でくい止めてきたのですが、もはや体力の限界にきました。

やむを得ず、業者に伐採してもらうことにしました。

半分ほど伐採が終わったところ。

3日間で、撤去完了。

風景は一変しました。

中山道側(南)から見て、奥に繁っていた竹藪は・・・

もうありません。

 

かつては、こんな風情も。

 

このような景色も、

今となっては、再び見ることはないでしょう。

 

十五年前、一大決心をして、ほとんど朽ちかけていた母屋を大改修した理由の一つが、この竹藪でした。

今となっては、幻の竹藪です。


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
酒田の人さんへ (遅生)
2022-05-03 21:36:37
竹の根は、大地が続いている限り、どこまでも伸びてきますね。
凄い生命力です。
一日に数十センチも成長する植物なんて他にないでしょう。

竹の花は私も見たことがあります。皆、そのうち枯れるぞ、と言っていましたが、全く枯れませんでした。竹のたくましさ、あやかりたいものです(^.^)
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tkgmzt2902さんへ (遅生)
2022-05-03 21:27:24
いえいえ伐採だけで三日間かかりました。
根の掘り起こしはこれからです。
さらに擁壁工事もしないといけないので、本番はこれからです。
来年回しになる可能性大です(^^;
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遅生さんへ (酒田の人)
2022-05-03 21:05:27
竹藪が伐採されたんですね
ウチの裏の竹林(正確には隣の家の竹林が伸びて来た)も
畑の方に根っこが伸びて来ますんで、今の時期は孟宗が取れるとは言え色々と大変です。
関係ありませんが、今から50数年前、隣家の竹に花が咲いたのを見たことがあります。(細竹でしたが)
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Unknown (tkgmzt2902)
2022-05-03 19:21:02
伐採とは根まで掘り起こすのですか?
春に筍・・・という楽しみもなくなったのでしょうか。
3日間かかったということは、多分根まで処分したということでしょうね。
竹藪は日本の原風景には不可欠で風情がありますが、維持管理が大変ですよね。
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ゆりさんへ (遅生)
2022-05-03 17:44:22
維持するのは、新たに始めるより大変ですね。何のために苦労して維出て持するかと考えても、はっきりとした答えは出てきません。まあ、生まれ育ってからの何十年が、その前の何百年かと繋がっているという思いでしょうか。

竹藪はどうしたものかと思いながら、ズルズルと過ごしてしまいました。
男は決断力に欠けますから、いざとなったらやはり女性の力です。
そうやって、ずーっと続いてきたのですね(^.^)
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お気持ちお察しいたします (ゆり)
2022-05-03 15:04:30
こんにちは。

>歌川広重の『木曾街道六九次』の美江寺宿に描かれた場所

その目印の竹藪・・・本当に辛い決断だったことでしょう。
大変なのは実家の竹やぶで知ってます。
全部ではないですが、畑側に出たものは重機で掘り起こしたそうです。
建物他の維持管理は嫁ぎ先でも奮闘中ですので、これまたわかります。
しみじみ先の記事迄拝見させていただきました。

少しでも、楽な形で次代へ渡したいと思ってますが・・・
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クリンちゃんへ (遅生)
2022-05-03 14:38:52
竹藪の効用もいろいろあるのですが、もう手に負えなくて(^^;

もちろん、ほうっておけば、一年で元通りになります。それならば、切っても切らなくても同じ(^.^)
今回は、根絶です。根から絶つことになります。掘り起こした根がまた大変。処分場はチップにする機械が壊れるので、お金を払っても受け入れ不可。自前で何とかせねばなりません(^^;
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美恵子さんへ (遅生)
2022-05-03 14:30:27
1mカットも少しやってみたのですが、ヒコバエがすごくて、暑い時に退治するのが大変でした。結局、ギブアップ。
根を重機で掘り起こしてもらうことになると思います。
体が動かなくなった分、物入りです(^^;
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Unknown (クリン)
2022-05-03 14:26:54
竹やぶが!?エ~~ショック!!🐻ちせいさま、さぞやガッカリ・・⚠⤵⤵スズメさんたちのお宿は!?と思いましたが、今ちらっとコメントが目に入ったら、竹はまだまだ生えてくるんですね!そうでした✨
ちせいさま✨きっとまた竹を見ながらお茶を一服🍵ができるようになりますよ♪(←そうなるとそれはまた困るのかな・・)良いかんじに生やすためにも、春になったらタケノコのうちにとって食べていけばいいかもしれません⤴✨
ありし日の竹やぶの姿、ブログを見ればすぐ思い出せますね🍀✨
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Dr.kさんへ (遅生)
2022-05-03 14:24:31
後をどうするか、まだ決めていません。
いずれにしろ、何とかしなければ。

一角を囲って、目印的に生えさす案も浮上しましたが、誰かさんの強硬な反対にあい、日の目を見ませんでした(^^;
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浮世絵の世界が (美恵子)
2022-05-03 14:24:21
思い切られましたね。
竹はなかなか退治しにくいものですから、また生えてくるかもしれませんよ。
竹を枯らしたり、絶やしたりしたい時は、11月から2月の水が上がっていないと気に、1めーとる高さでカットすると枯れていきます。2年位かかりますが。
我が家も山の竹林を再生させるために3年がかりで伐りました。
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jikan314さんへ (遅生)
2022-05-03 14:21:29
秀句を、ありがとうございます。

竹の生命力はすごいです。猪は根を掘り起こして筍を食べ尽くすので、まれに枯れることがあるそうです。私は、他所で竹の花が咲くのを見たことがありますが、その後も何という事もなく生い茂っていました。猪以外、天敵無し、ですね(^^;

故玩館の名刺には、広重の浮世絵に写真を貼り付けています(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2022-05-03 14:09:57
広重の浮世絵の中での故玩館の位置を示す目印が無くなったんですね。
でも、また竹藪は復活してくるのでしょうね。
目印として、ほんの少しは存在させておいてもいいような気もしますが、ちょっと油断すると、また生い茂るのでしょうね(~_~;)
竹藪の管理は難しいですよね。
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Unknown (jikan314)
2022-05-03 12:54:44
故玩館の竹藪が、広重の絵に描かれていたと言う話は、とても興味深いですね。一枚の絵の謎を解きあかす推理小説を読むようです。
竹は、120年に一度開花して枯死すると言う事で、少なくとも2度は、生え変わっていて、ご先祖様が植え直したかも?
故玩館の案内図に、絵に張り付けた故玩館の写真を載せても面白いかも?😁
私にとっては、やはり夕日ではなく、朝日だと言う推理に敬服いたしました。
拙句
古里の面影みえじ竹の秋
(美江寺、見えじ)
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kinntilyannさんへ (遅生)
2022-05-03 12:40:34
ちょっと脱力感。

でも、このままにしてはおけないので、まだまだ苦労は続きます。
先立つものもおぼつかないし。
維持するのが一番大変ですね。

うさぎさんの長野通いには、頭がさがります。
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Unknown (kinntilyann)
2022-05-03 11:36:12
お疲れさまでした。
本当にお疲れさまでした。
竹と桜は子孫に恨まれるほどに旺盛です。
よく頑張ってこられたと感心しております。
新しい景色もなかなかに良いのではないでしょうか(^^)(^^)(^^)
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