遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

七宝古代紋花瓶

2021年04月14日 | 陶磁胎七宝

先回に引き続き、明治七宝の紹介です。

高 18.5㎝、幅 7.5㎝。明治中ー後期。

近代七宝の技術が確立し、欧米への輸出がピークに達したころの品物です。

イギリスからの里帰り品です。

西洋を意識した、対称性の高いデザインです。

胴には、鳳凰と龍が2匹ずつ描かれています。

このような模様は、なぜか古代紋とよばれていて、盛期尾張七宝の得意とするパターンの一つです。

 

花瓶の内側や底にも青釉が施されています。

 

鳳凰と龍も格調が高い。

 

 

小品ながら、完成度の高い七宝です。

縁取りの植線は銀でしょう。

表面の平滑度が高く、まるで釉薬の下に色絵があるような錯覚をおぼえます。

当時、欧米の人々が競って求めたのも肯けます

 

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする