いつのまにやら桜の季節です。
故玩館横、堤の桜も満開です。
昨今は、ビニールシート敷いて、どんちゃん騒ぎする人、皆無です。
ポツポツ人が通り過ぎるだけ。
薄ピンクの中に、緑のボールを発見。宿り木です。
茫洋とした桜景色が締まって見えます。
唐物青磁茶碗?
ご覧のような青磁の茶碗です。
大傷物です。
唐物でしょうか、それとも高麗青磁?
貫ニュウの入り具合や高台の砂からすると、高麗でしょうか。
鉄分が非常に多く、堅く焼き締まっている土からすると中国の品にも見えます。
それに、紫口鉄足と言えないこともない。
雨過天晴は無理にしても、雨過薄曇くらいなら許される?
いずれにしても、大陸、半島経由の品でしょう。
茶をいれても、結構、様になります。
飲みやすさも、なかなかのもの。
高麗青磁茶碗
高麗青磁の茶碗です。
釉色からすると、高麗後期~李朝初期の品でしょう。
大変薄造りです。
青よりも黄色がかっています。
これでも、青磁?
米色青磁と言うんだそうです。
大振りですが、茶を入れて飲むにも適しています。
黄瀬戸は青磁から?
この2つの茶碗と「伯庵手?黄瀬戸茶碗」を並べてみます。
黄瀬戸は、謎にみちた焼き物です。
どうやって、黄瀬戸が焼かれたのかもよくわかっていません。
こうやって並べてみると、黄瀬戸のルーツ、諸説ありますが、
「黄瀬戸は、日本で青磁を焼こうとして、偶然に出来た」
と思えるのです。
コピー品の黄瀬戸茶碗
そうそう、黄瀬戸茶碗のコピー品がありました。
豪華な釉垂れ、それなりの雰囲気はあります。
ただ、見込みの茶だまりは、造りが中途半端。
釉薬の掛け方などは、室町時代の灰釉茶碗をよく真似ています。
小さな石がはずれた跡もあります(人為的?)。
高台は削り出し、しかも三日月高台ではありませんか。
さらに、高台内には、シッピキ跡まで。
多分、櫛で引っ掻いたのでしょう。削り出し高台にそんなものあるはずないでしょ(笑)。
そこまで過剰に演出するなら、竹の節高台にしておけばよかったのに。
「伯庵手?黄瀬戸茶碗」(右)と較べてみると、こんなにも違います。
やはり、コピー品の演出は過剰ですね。
それに、全体としてキレイすぎる。
最後の決め手は、やはり、用。
使ってみると違いは歴然です。
本物は使うために作られています。
コピー品は、見かけがよければそれでいい。
それぞれの茶碗で、お茶をのんでみます。
手取り、口当たりなど、言葉ではなかなか表現しづらいですが、使うために造られているかどうかが、はっきりとわかります。
骨董市には、精巧なコピー品があふれています。兎が走り、見込みに花弁の立派なそばチョコも、コーヒーやお茶を飲んでみれば、すぐにアウトと判断できます(買ってしまった後では遅い(苦笑))。