季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

存在のない子供たち

2021-01-27 21:41:00 | 映画 movie
上映された時に、テレビで特集されているのを観て、興味があった。
WOWOWであったので録画しました。
録画しながら途中から観て、あまりの辛さに耐えられないなと思った。
それでも最後まで観て、今度は初めから観た。





ゼインと言う少年が主人公です。
あまりにもリアルでしかも辛いので、観終わってもずっとその事を考えてた。
それで映画そのものの事を知りたくて調べたら

レバノンで作られた映画だった。
監督もレバノンの人。3年かけて人々の暮らしを取材して、実際に登場人物と同じような境遇の人に役についてもらって撮った映画だそう。そうだろう、役者の演技じゃこんな風にならないと思う。

映画の間、ずっとこの子は辛いことばかりなので、本当にやり切れないなと思っていたら、
調べたらゼインを演じた子はこの映画の後、ノルウェーに家族で移住して笑顔で暮らしていると言うことがわかった。
映画がきっかけで良い人生になって良かった。

その話を加えてやっと観れる映画だと思う。それくらいひどい。

酷すぎるなと思いながらふと気付いた。
これはレバノンと言う遠い国の話じゃないってこと。
これに近い話を聞いたことがあるんだった。
それは日本で。

弟と2人で残されたその人は毎日必死の思いで生きて生き残ったんだと思う。
本当に映画の場面そのものだった。

その人にその話を聞いた時は、そこまで分からなかった。想像の範囲を超えていたんだきっと。
映画を観て初めてそれがどんなに悲惨で苦しいことか感じられたんだと思う。

子ども時代に本当に酷い境遇だった人の話を聞く機会が私は結構あるけれど、
この少年はそのどの人とも重なる。
映画の力ってすごいな。
あまりに悲しい話なので、誰にでもお勧めはしないけれど。私は観て良かったんだと思う。

1つ、これが作った話で映画だと思う点は
この少年は親が酷いってわかってること。
そして正しいと思う行いをしている事。
その姿勢が揺らがない。彼の聡明さとその良心がこの映画を照らしている。
だから観れるんだと思う。

実際の話の中では、どうかと言うと。
どんなに酷い扱いを受けていても子どもは親を受け入れる。
ダメなやつと言われればダメなんだと思って育つ。
自分は酷い扱いを受けて良い人じゃないって思いつきもしない。
そして子ども時代に受けた影響をずっと持って生きて行きます。

それでもこの映画と似ている話を聞いたことがある。
この映画ではテレビで観た子どもの虐待をテーマにした番組を観たことで、その子はその番組に連絡して立場が変わるんだけど
私の聞いた話でも、親に隠れて観たテレビ番組が同じく児童虐待のテーマで、それを観て初めて「自分は虐待されてるんだ。逃げられるんだ」って知って、自分で公のところに連絡してその人は助かりました。

そう思うと、テレビなどでそれが不当な扱いであること、誰にも幸せな暮らしをする権利があると言うこと。
自分が悪いのではないと言うことを発信することはとても大事なんだと思う。
この映画もそうだ。

世界中で、そして今の日本でもこう言う思いをしている人が居ると思う。
1人でも多く、そこから出られますように。
なるべく小さい時に。

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