まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

「NEET」から『NEED』へ

2005-09-07 07:00:00 | Personal Views

「きみはそんな人間じゃない…」

高校生の時に読んだ小説「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」の冒頭はこのように始まっていた。NYを舞台とするジェイ・マキナニーの有名な作品である。原文のペーパーバックの表紙には、今は亡きワールドトレードセンターが描かれてあったっけ。

それから十数年後の私はと言えば、勤めていた会社を辞め、今年の3月まで自らNEETの道を選んでいた。約10ヶ月、就職活動もせず、ただひたすら独学でまちづくりを黙々と学んでいた。いくつかのNPOに関わって、情報を提供し、人と人をつなぎ、そして時には助成金の獲得のお手伝いをした(そのNPOのいくつかは今も付き合いがある)。雇われていたわけでもなく、教育を受けていたわけでも、研修を受けていたわけでもない。
 ※NEET【ニート】(Not in Employment, Education or Training)
来年の4月には、ひょっとするとNEETとなってNPOの活動をしているかもしれない(現在の職場は育休スタッフの代打である)。

世間ではこのNEETが、「何とかしなくちゃいけない」やっかいな問題として槍玉に挙げられている。でも、私は知っているが、実はそんなことは全然問題じゃない。彼らは既存の社会にNOと言っているだけなのだ。「私が望むのは、そんな社会じゃない」と心の中で叫んでいるのだ。
NEETの中には、世の中の役に立ちたいけれど、活躍の場が既存の企業にはない(もしくは見つからない)人が結構多い。数字を把握しているわけではないが、結構馬鹿にならないぐらい存在すると思う。中にはNPOに活躍の場を見出す人もいる。

本当に必要なことは、今の状態のまま研修の機会を増やしたり、就職を斡旋するのではなく、彼らが活躍できる新しい社会を創ることだ。そこにNPOが果たす役割は大きい。
経営の神様ピーター・ドラッカー氏が言うように、非営利組織の経営は、営利組織の経営よりもずっと高度で難しい。そして難しいだけに、営利組織よりも達成感や遣り甲斐はハンパじゃない。時には“血沸き肉踊る”ほど素晴らしい快感を覚えることもある。

NEETとカテゴライズされる彼らには、誰よりも人生を真剣に考え、正直に生きている人が少なからずいる。学校を卒業したら何の違和感もなく、当たり前のように就職していく人達よりもずっとまともだ。
私はそんな素敵な人達を、NEETなんて下らない言葉で呼びたくはない。
そして、新たにこう呼びたい。

Not Egoistic, Exclusive or Dirty
利己的でなく、排他的でもなく、そして汚れていない人。

そう、『NEED』である。社会が君たちの力を必要としている、と。

そんなNEEDたちに、下記の言葉を捧げたい。私は何度読んでも、涙なしに最後まで読めたためしがない。

狂った世界を生き抜くための逆説の十カ条
http://blog.goo.ne.jp/cheolsaito/e/3110d5958799e3adc099d755207afb20

しあわせはいつも

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