まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

”Share(シェア)”するということ

2008-01-20 02:06:50 | まちづくりのキーワード
いまここに5人の子どもがいる。皆おなかを空かせている。5人の前にはりんごがある。けれど、りんごは3つしかない。

このような状況に置かれた時、あなたならどうするか?

切って分け、均等割りできない分は多く食べたい人が食べるというのが普通だろう。
でも、もっと美味しく食べる方法がある。

ある子が言う。
「そうだ!アップルパイにしようよ。」

果実をそのまま消費するのではなく、皆が手間を加える(汗をかく)ことで、より美味しく食べることができる。
パイより生で食べるのが好きとか、食べるまで時間が掛かるとか、パイを作るための材料があったなんてズルイとか、いろいろ意見はあろうが、これはあるマンガの中のお話。
しかし、現実の世界では、手間の掛かるアップルパイを作るよりも、労力や材料を差し出すことを惜しみ、目の前の資源をそのまま使い切ってしまうことが多いのではないだろうか。何かを「生産する」よりも「消費する」ことばかりがまかり通る。「消費者教育」はあっても、「生産者教育」という言葉を世間では耳にしない。

「Share」という単語がある。これは21世紀で最も重要なキーワードかもしれない。その「Share」について、NPOコレクティブハウジング社の代表理事/狩野三枝さんの次のような言葉がとても印象に残っている。

『Shareというのは、単に「分ける」ということではなく、分ける前に「持ち寄る」ことが大事』だと。

アイデアのある人はアイデアを、材料を持つ人は材料を、料理の得意な人は料理を、メンバーの特徴を掴み集団をまとめるのが得意な人は指揮を、片付けが得意な人は片付けをする。
人間誰しも、あらゆることを一人でできる完璧な人などいない。人間は基本的に不完全にできている。しかし、不完全な私たちも、それぞれが持てる「財」を持ち寄ることで、素晴らしい価値を創造することができる。
皆が手を差し出して、新しい価値を創っていく。
コミュニティは「生産」という行為を通じてつくられる。決して「消費」から生まれることはない。信頼は財の「提供」という行為があるからこそ初めて成り立つ。
「まちづくり」って、そういうプロセスの積み重ねでしか、できないのだと思う。

「生産」という行為を無意識で行うことの困難な現代で、暮らしの中に「生産」活動をデザインするNPOコレクティブハウジング社の活躍に期待しております。

<参考>
NPOコレクティブハウジング社(CHC)のWebサイト
http://www.chc.or.jp/
NPOコレクティブハウジング社の理念
http://www.chc.or.jp/aboutchc/idea.html
2007年5月29日 女性向けの人気Webサイト
“Cafeglobe”で紹介された「スガモフラット」
http://www.cafeglobe.com/news/trendbuzz/tr070529.html
NPOコレクティブハウジング社の最新プロジェクト(居住相談受付中!)
「(仮)コレクティブハウス聖蹟」のいま
http://www.chc.or.jp/seiseki/project_now.html

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