晴れときどき化学、ところにより雑想

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アクリル繊維

2012年03月30日 01時14分05秒 | 化学のお話
アクリル繊維は、アクリロニトリルを付加重合させることで得られるポリアクリロニトリルを主成分とする合成繊維のことです。

アクリル繊維は一般に、染色性、吸湿性、溶解性、摩擦強度などの繊維性能を向上させる目的で、アクリル酸メチル、酢酸ビニルなどの成分を少量入れて共重合させることにより製造されます。

※ポリアクリロニトリル単独ではあまり用いられないようです。


合成繊維の中では最も羊毛に似ていて触感がよく、軽くて柔軟で、保湿性があります。

セーターや毛布、じゅうたんなどに用いられるほか、羊毛や木綿と混紡して衣料品に用いられます。

また、アクリロニトリルと塩化ビニルを共重合させた繊維は難燃性なので、防災用のカーテンやカーペットなどに用いられます。


なお、アクリル繊維を空気中で数時間熱処理した後、不活性ガス雰囲気下で高温加熱することにより、軽量で高強度・高弾性の炭素繊維(PAN系炭素繊維)が得られます。




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