晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

周期表 その2

2012年01月31日 22時45分57秒 | 化学のお話
周期表といえば、メンデレーエフという人の名前が出てきますが、

元素の性質が周期的に変わっていくということに最初に気づいたのは彼ではありません。

元素を原子量の順にらせん状に並べていって、ひとまわりしたときの原子量の差が16になるようにすると、よく似た元素が上下に並ぶということを発見した人(フランスのシャンクルトア)がいました。
※彼はこれを「地のらせん」と呼んでいたそうです。

また、元素を原子量順に並べていくと、8番目ごとによく似た性質のものが出てくることから、音階と関連付けた人(イギリスのニューランズ)がいました。
※彼はこれを「オクターブの法則」と名付けていました。


メンデレーエフも元素を原子量順に並べていますが、彼らとの違いは、

・まだ発見されていない元素について、(後に発見されると予測して)空欄を設けた。
・未発見の元素について、その原子量や性質を詳細に予測(予言)した。

 ⇒ 後に、彼が予言したものとほとんど同じ原子量や性質をもつ元素が発見された。

という点にあります。


メンデレーエフが最初に周期表をつくったときに発見されていた元素は63種類で、まだまだ未発見の元素が多くある頃でした。

そんななかで彼は、「未発見元素」の納まるべき場所まで指定したわけですが、

実際のところは、それまでにわかっている元素について、地道に原子量や性質をきちんと調べていたからこそではないか、と思いますし、それを基にしたひらめきがあったからではないかと思います。

また、ある種の思い込み(固定観念)からも自由だったのかもしれません。


今後何かを考えるときの参考になれば、と思って今回は書いてみました。



イオン化エネルギーと電子親和力

2012年01月30日 23時34分10秒 | 化学のお話
イオン化エネルギーは、

原子から電子を1個取り去るときに必要なエネルギーのことです。

小さなエネルギーで(比較的簡単に)電子を1個取り去ることができる原子の方が陽イオンになりやすい、といえます。

逆にイオン化エネルギーが高いと、その原子を陽イオンにすることはかなり難しい、ということになります。


アルカリ金属は、一番外側の電子(価電子)1個を取られると、(安定な希ガス配置になることから)陽イオンになりやすいのですが、実際のイオン化エネルギーも小さいことがその裏付けになります。

一方で希ガスは、もともとの安定な電子配置から無理やり電子1個を取ろうとしてもなかなか困難なのですが、それについてもこのイオン化エネルギーの高さによって説明がつきます。


電子親和力は、

原子が電子1個を受け入れたときに放出されるエネルギーのことです。

もし放出されるエネルギーが高ければ、エネルギーを放出した方は、より安定した「エネルギーの低い状態」になります。

従って、あと1個電子がくると安定な希ガス型電子配置になることができるハロゲンはこの電子親和力が高くなります。

結果として、より多くのエネルギーを放出することになるため、生成する陰イオンは安定になります。


イオン化エネルギーは、直感的になんとなくわかると思うのですが、電子親和力の方は少し理詰めで考えないと混乱しそうですね。

ポイントは、「より安定である」=「よりエネルギーの低い状態」、ということになるでしょうか。



昔の文章

2012年01月29日 13時50分09秒 | よしなしごと
つい最近、自分で書いた昔の文章を読み直す機会がありました。

・今よりもさらに未熟な文章と、
・当時と今での立場や考え方の違い
 (こんな観点で考えていたんだなあ、等々)

という両方に気づかされました。


人も年月を経るに従って、

・変わらないところと、
・少しずつ変わっていくところ(いい意味でも悪い意味でも)

がもちろんあるわけですが、文章も同じですね。


「文は人なり」とよく言われますが、このブログやメルマガを通して自分らしく成長していくことができたら、そして文章にもそれが表れてくるようになったらいいなあ、と思っています。



原子の構造 その2

2012年01月28日 13時45分29秒 | 化学のお話
原子の構造は、陽子と中性子からできている原子核が中心にあって、そのまわりに電子が存在しているというものです。

原子の大きさは10の-10乗メートルくらいですが、原子核の大きさはかなり小さくて、10の-14乗メートル程度となります。
(10の-10乗メートル=0.1nm ※nmはナノメートル)

原子の質量の大部分は原子核が占めているので、原子の内部はほとんど空間といってもよいくらいです。

実際に、

ごく薄い金箔に対してα(アルファ)線を当てたところ、大部分がそれをまっすぐに通過し、跳ね返ったり進行方向が変わったりしたものはごくわずかだった、という実験結果がそれを裏付けています。

※α(アルファ)線は、陽子2個と中性子2個がくっついた粒子で、ヘリウムの原子核と同じものです。


また、電子は原子核のまわりで、まるで雲のような形(電子雲)となって見えます。

これは不確定性原理から、電子の位置と速度(正しくは運動量)を同時に決められないということに起因しています。

そこで電子の存在する確率分布を点としてプロットすると、それがあたかも雲のように見えることから電子雲と呼ばれています。

※不確定性原理:量子力学では古典力学とは異なり、電子の空間における位置と運動量の両方を同時に正確に測ることはできないという原理のこと。
 

なお、原子の構造の詳細については、比較的最近になってから(20世紀になってから)わかってきたことで、化学の基礎的な理論が完成するのもほぼその頃になります。



放射性炭素による年代測定法

2012年01月27日 22時53分46秒 | 化学のお話
放射性同位体である、質量数14の炭素(この後は簡略化して14-Cと書きます)を使った年代測定法についてです。

まず前提として、

・14-Cは、宇宙線の影響により常に生成しているので、大気中での割合は一定になっている。

・14-Cは放射性同位体なので、徐々に別の元素に変わっていってしまうが、その減少の度合いは、もとの半分の量に減るまでの時間が約5700年である。

(もとの半分の量になるまでの時間を「半減期」といいます。14-Cの半減期は約5700年である、というように使います)。

・生物は大気中でCO2のやりとりをしているため、生きている間は大気中と同じ割合の14-Cを持っているが、死んでしまうとそのやりとりがなくなるので、14-Cは減る一方になる。

ということを押さえておきます。


ここで、例えば木でできた古い道具が見つかったとします。

それに含まれている14-Cの量を測れば、(上に書いた前提をもとに計算すると)それが今からどれくらい前に作られたのかがわかります。

測定した結果、14-Cの量が大気中の半分の量だったとすれば、この道具は約5700年前につくられたもの、ということになります。

また、もし大気中の4分の1の量だったとすれば、約5700×2=約11400年前のものということになります。

※約5700年経つと1/2、さらに約5700年経つとその半分である1/4、その後さらに約5700年経つと1/4の半分である1/8になる、というように減っていくためです。

(約5700×2=約11400年で、すべてなくなってしまうということではありません。あくまでも半分、さらにその半分、そしてさらにその半分、というように減っていきます)。


なお、この年代測定法では、約6万年前くらいまでのものが測定可能になります。

考古学にとって、大変有益なツールとして役立っています。



化学反応式のつくり方

2012年01月26日 22時43分18秒 | 化学のお話
今回は、化学反応式のつくり方です。

まず最初に、元素記号や化合物の分子式、組成式などをある程度、頭に入れておく必要があります。
(水はH2O、二酸化炭素はCO2、塩化ナトリウムはNaCl、などなど)

これについては、一度になんとかしようとするとパンクしますので、出てくるその都度覚えていく、というのがよいと思います。


次に反応するもの(反応物)を矢印「→」の左側に、生成するもの(生成物)を「→」の右側に書きます。

例えば、窒素と水素からアンモニアができる、という反応の場合は、
窒素(N2)と水素(H2)を左に、アンモニア(NH3)を右側に書いて、間に「→」を置きます。
(すると以下のようになります)

 N2 + H2 → NH3

でもこのままでは、左側と右側の原子数がつりあっていないので、それをあわせるために、「係数」をつけます。

この場合、左側に水素原子が2個、右側に水素原子が3個あるので、両方をそれらの最小公倍数である6になるようにします。

すると、

 N2 + 3H2 → 2NH3

となります。

水素は揃えたので、残りの窒素原子の数も揃えることになるのですが、今回は(運よく?)左右が2個ずつとなっており、自動的に揃いました。

ということで、窒素と水素が反応してアンモニアができるときの化学反応式が(上のように)できました。


ポイントは、左右の原子数がきちんと揃うように係数をつける、というところにあります。

そしてこの係数が、それぞれの量的な関係(物質量:モル)を比で示していることになります。


化学反応式が自在につくれるようになると、化学も少しは楽しくなってくるものと思います(笑)。


化学反応式

2012年01月25日 22時21分11秒 | 化学のお話
今回は化学反応式についてです。

具体例で見ていきます。

水素と酸素が反応して水ができるという反応では、化学反応式は以下のようになります。

 2H2+O2 → 2H2O

そして、この化学反応式の下に物質量や質量などを書いてみます。

例えば、2molの水素と、1molの酸素が反応する場合、水が2molできますが、

         2H2  +  O2  →  2H2O

物質量(mol): 2mol   1mol     2mol

質量(g)  : 2g×2   32g×1    18g×2

というように物質量と質量の関係を書くことができます。


ここでのポイントは、それぞれの分子の前についている係数にあります。

 2H2+O2 → 2H2O

であれば、水素:酸素:水=2:1:2となっていることに注目してください。

単純に考えると、

水素分子2個と酸素分子1個が反応して、水分子が2個できることになります。

ここでそれぞれをアボガドロ数倍してあげると、水素2molと酸素1molが反応して水2molができる

ということになります。


また、水素分子の分子量は2、酸素分子の分子量は32、水分子の分子量は18なので、それぞれを質量に換算すると、

水素4g(2g×2)と酸素32g(32g×1)が反応して、36g(18g×2)の水ができる

となります。


さらにもし、同温・同圧の条件で、すべてが気体の場合であれば、水素:酸素:水の体積比も2:1:2になります。


化学反応における物質量(モル)や質量、体積の換算を行う場合には、上に示したように、化学反応式の下にそれぞれを書いてみるとわかりやすくなります。


物質量の換算

2012年01月24日 22時22分04秒 | 化学のお話
質量数12の炭素原子を12g集めてくると、その中に6.02×10の23乗個の炭素原子がある、ということでした。

これを少し言い換えると、

1)6.02×10の23乗(アボガドロ数)個の炭素原子(質量数12のもの)の質量は12g

ということです。


また、

2)質量数12の炭素原子の原子量を12とする

という定義があることを以前書きました。


この2つのことから、

例えば、水素原子(原子量1)を6.02×10の23乗個(アボガドロ数個=1モル)集めたときの質量は1g

になることがわかります。

同様に、

水分子(分子量18)を6.02×10の23乗個(アボガドロ数個=1モル)集めたときの質量は、18gになります。


ということで、

ある原子や分子を1モル集めてきたときの質量は、その原子量や分子量に「g(グラム)」をつけたものになります。

※これで、物質量(モル)を仲介とした「(原子や分子などの)粒子の数」と「質量」の換算ができるようになりました。


一方で、気体の場合に限りますが、1モルの気体を集めると、その体積は標準状態で 22.4Lになります。
(標準状態:0℃、1013hPa)

※これはアボガドロの法則(同温・同圧では、気体の種類に関わらず同じ体積中に同じ数の分子を含む)がベースになっています。


以上で、物質量(モル)を仲介とした「(原子や分子などの)粒子の数」「質量」「(気体の場合の)体積」への換算ができるようになりました。


モル

2012年01月23日 22時04分09秒 | 化学のお話
モルは、物質量の単位です。

質量数12の炭素を12g集めてきたとき、そこには6.02×10の23乗個の炭素原子が含まれています。


ここで、この6.02×10の23乗、というのをアボガドロ数というのですが、

原子や分子、電子やイオンなどに代表される粒子を、このアボガドロ数個分集めてきたとき、その物質量は1モル(mol)であるということになります。


要するに6.02×10の23乗個というものについて、モルという単位でひとまとまりとして考えましょう、ということです。

果物屋さんに行って「りんご一山ください」、と言うときの一山、
あるいはよく例に出されますが、鉛筆12本をまとめて1ダースと呼ぶ、というのと考え方はまったく同じです。

※違うのは、ひとまとまりとする個数がむちゃくちゃ多いことくらいです。
 10の23乗は、1兆(10の12乗)のさらに1000億倍なので、想像もつかないくらいの多さですね。


モルのところ(およびそれを使った計算のところ)で化学が嫌いになってしまう人が多いのですが、モルという単位(考え方)によって、物質の質量や(気体の場合の)体積、および原子や分子などの個数をうまく結びつけることができます。

多少面倒なところもありますが、残念ながら慣れも必要です。

最初から毛嫌いしないでもらえるといいかな、と思います。



化学を学ぶ意義

2012年01月22日 21時48分25秒 | よしなしごと
「どうして化学を学ぶ必要があるのか」

ということを何かの折に考えることがあるのですが、

現時点では「正直なところわからない」というのが私の答えになります。


現在の私は化学の知識を多少なりとも使うような仕事をしているので、それなりに必要性を感じているのですが、化学を実際の生活上では使わない多くの人たちにとって、化学とは何でしょう?


もし化学的な知識があると、
例えば化学物質に関するニュースを理解しやすくなると思いますし、地球環境問題を考える上でも、解決に向けた方法を提案しやすくなるとは思います。

しかし、それが化学を学ぶ理由のすべてなのか、というとそういうわけでもないような気がします。


高校で化学を学ぶことによって高校生の人たちが何を得るのか、あるいは学ぶことで何が変わるのか、が私の中ではまだ見えてきていない現状があります。

たぶん、今後も水面下でずっと考え続けていくのでしょう。
(個人的な趣味の域になりそうですが・・・)。


今後、何かきっかけのようなものがもし掴めたとしたら、このブログやメルマガ(左側にリンクがあります)で書いていきたいと思っています。


分子量と式量

2012年01月21日 09時27分39秒 | 化学のお話
原子量は、質量数12の炭素原子を12と規定したときの相対的な質量ですが、

分子量は、分子を構成する原子の原子量を合計したものになります。

水(H2O)の場合、水素の原子量を1.0、酸素の原子量を16.0として考えると、

・水の分子量:1.0×2+16.0=18.0

となります。


一方で分子ではないもの、例えばイオンからできているものは、分子量という形では表せません。

この場合は、式量で表します。

まず、構成しているイオンなどの組成比で表した組成式を考えます。

塩化ナトリウムの場合は、ナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)が1:1の組成比でできているので、この組成式はNaClとなります。

このNaClに対して、Naの原子量23.0、Clの原子量35.5を用いると、

NaClの式量:23.0+35.5=58.5

となります。

※ここで、ナトリウムイオン(Na+)とナトリウム原子(Na)の質量はほとんど同じとみなしています(電子の質量が軽いため無視できる違いとなります)。


原子量

2012年01月20日 23時14分11秒 | 化学のお話
原子の質量はとても小さいので、一般に使われているg(グラム)などの単位で表すよりも、基準となる原子の質量と比べた相対的な質量で表すほうが、なにかと便利になります。

そこで現在は、質量数12の炭素原子を基準として、原子量を決めています。

※以前は、水素原子を1とする基準や、酸素原子を16とする基準などもあって混乱していましたが、現在は質量数12の炭素原子の原子量を12とする基準で統一されています。


なお、元素の原子量(周期表に書かれているもの)は、同位体の存在を加味した値となっています。

例えば、炭素には質量数12、13、14の3種類の同位体があるので、その存在比と個々の同位体の原子量を加重平均した値である12.01が(元素としての)炭素の原子量になります。

ちなみに計算方法は以下のようになります。

 ・質量数12の炭素:存在比98.9%
 ・質量数13の炭素:存在比1.1%
 ・質量数14の炭素:ごく微量なので無視できる

上記を踏まえて、12×0.989+13×0.011=12.01 となります。


化学結合 その2

2012年01月19日 23時24分23秒 | 化学のお話
前回の続きで、残っていた金属結合についてです。


3)金属結合は、

金属原子が集まったときに、それぞれの原子が電子を出して、それらの電子を全体で持ち合うことによってできる結合です。

全体で持ち合うことになる電子は、金属原子の集まりの中を自由に動けるので、自由電子と呼ばれます。

この自由電子のおかげで、金属は電気を通しやすく、熱が伝わりやすいという一般的な性質を持つようになります。


また、電子を出した金属原子はプラスの電荷を持つことになるわけですが、自由電子のおかげで緩やかにつながることができるので、それなりに規則正しい配列(結晶の状態)を組むことができます。

ただしそのつながりは緩やかなので、力を加えると平らにしたり、伸ばしたりすることができます(それぞれ展性、延性といいます)。


※なお、化学結合についての補足として、

 ・金属結合 : 金属元素同士の結合
 ・イオン結合: 金属元素と非金属元素の結合
 ・共有結合 : 非金属元素同士の結合

となります。


化学結合 その1

2012年01月18日 22時44分07秒 | 化学のお話
化学結合は、以下のようないくつかの種類に分けられます。

 1)イオン結合
 2)共有結合
 3)金属結合

1)イオン結合は(前回も少し書きましたが)、

・電子を手放してプラスの電荷を持った粒子(陽イオン)
・電子をもらってマイナスの電荷を持った粒子(陰イオン)

の2種類のイオンが、静電気的に引き合うことによってできます。

塩化ナトリウム(NaCl)や、フッ化カルシウム(CaF2)などが挙げられます。


2)共有結合は、

・原子どうしがお互いの一番外側にある電子をそれぞれで共有することによってできます。

共有する際には、それぞれの原子から見て、お互いに希ガス型の電子配置になるような方法を採ります。


具体例として、水(H2O)を考えます。

ここで酸素原子は一番外側に6個の電子、水素原子は一番外側に1個の電子を持っています。

それぞれの原子がばらばらのままでは希ガス型の電子配置にならないので、酸素原子と水素原子がまず1個ずつ電子を共有します。

すると、この水素原子のまわりには2個の電子があることになります。

その一方で酸素原子のまわりには、この時点で7個の電子があることになります。

そして残ったもうひとつの水素原子が同じ方法で酸素原子と電子を共有すると、

酸素原子のまわりには8個の電子、水素原子のまわりにはそれぞれ2個の電子があることになって、どの原子もめでたく希ガス型の電子配置となりました。

※電子1個分を結合の「手」としてお互いが差し出している、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

分子は、このような共有結合によって原子どうしが結びついたものになります。


※ここまでで長くなりましたので、3)の金属結合については次回に書きたいと思います。


イオン

2012年01月17日 23時35分28秒 | 化学のお話
繰り返しになりますが、

・原子は、より安定な希ガス型の電子配置になろうとする

ということで、

例えばナトリウム原子(Na)は電子をひとつ手放すことで安定になろうとし、塩素原子(Cl)は電子をひとつ調達してくることで安定になろうとします。

その結果として、この場合では、ナトリウム原子からひとつ電子のとれたもの(プラスの電荷をもつもの)や、塩素原子にひとつ電子がくっついたもの(マイナスの電荷をもつもの)ができるわけですが、これらを総称してイオンと呼んでいます。

・ナトリウムイオン(Na+):ナトリウム原子から電子がひとつとれたもの
・塩化物イオン(Cl-):塩素原子にひとつ電子がくっついたもの

そして、このナトリウムイオンと塩化物イオンが静電気的に引き合う(プラスとマイナスが引き合う)ことで、いわゆる塩化ナトリウム(NaCl)ができます。

※なおNaClでは、イオンどうしがくっついた形となっていることから、この結合のことをイオン結合といいます。


イオン結合を含む化学結合については、次回以降に書きたいと思います。