晴れときどき化学、ところにより雑想

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化学反応式のつくり方 その2

2012年02月02日 23時05分58秒 | 化学のお話
以前に、窒素と水素からアンモニアが生成する、という化学反応式を例にして、そのつくり方を書いてみましたが、

もう少し複雑な化学反応式、例えば銅と希硝酸が反応して硝酸銅(II)と一酸化窒素と水ができる、というような場合を見てみます。

まず、反応物と生成物をそれぞれ書いてみると、以下のようになります。

 Cu + HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + H2O

そして、それぞれの係数を求めていくわけですが、

個々の化学式を眺めているだけでは、なかなか答えが出せそうにありません。

こういう場合は、「未定係数法」というもので係数を求めます。


その方法ですが、

とりあえずそれぞれの係数を仮に文字変数(a~e)で置いてみると、以下のように書くことができます。

 aCu + bHNO3 → cCu(NO3)2 + dNO + eH2O

そして、それぞれの原子について左辺と右辺の数が合うような式を立てると下のようになります。

 Cu: a=c
 H : b=2e
 N : b=2c+d
 O : 3b=6c+d+e

ただしこの場合、変数が5個なのに対して式が4つであり、このままでは解けません。

そこで、どれかを1と置きます(ここでは b=1 と置きます)。

するとそれぞれの変数を求めることができて、

 a=3/8、b=1、c=3/8、d=1/4、e=1/2

となります。

そして係数を整数にする(ここではすべてについて8倍する)ことで、以下のように化学反応式を完成させることができます。

 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O


※ここでのポイントは、なるべく多くの式に含まれている変数を1と置くことです。
(それにより多少計算が楽になります)。


この方法に慣れておくと、複雑な化学反応式も難なく作れますので、少しは化学が楽しくなる(?)かもしれません。




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