晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

偶然がもたらすもの

2012年07月29日 20時38分46秒 | 化学のお話
化学でも、偶然が訪れる瞬間があります。

フレミングによるペニシリンの発見は、培養皿に偶然青カビが混入したことから始まっていますし、

加硫ゴムの発見は、グッドイヤーが硫黄を混ぜたゴムを暖炉の上に(意図せずに)放置しておいたことがきっかけです。

また、近い時代での例として、導電性ポリマーの発見の契機は、白川博士の助手が触媒を誤って通常の1000倍加えてしまったことによるものです。


そのほかにも様々な事例がありますが、共通して言えることは、

その偶然から得られた結果を見逃さずに探求していったことが、新たな発見につながったということでしょうか。


もしかしたら(歴史には登場しませんが)、同じ偶然を他にも目撃した人がいたかもしれません。

偶然の出来事に対して、それをどう感じるか、そしてどう対処するかによって、その後の展開が全く変わってしまうということになります。


こういった事例を知って思うことは、

チャンスは準備ができている人のところにやってくる、ということなのかもしれませんし、

あるいは、それも含めて運命だった、ということなのかもしれません。


どちらの考え方も、それぞれ突きつめていけば興味深い方向に進んでいくと思いますが、

個人的には、すべてを運命で片付けてしまうのは少し強引かな、という気がします。




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