晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

有機化合物と無機化合物

2012年02月23日 23時34分05秒 | 化学のお話
現在の定義で有機化合物というと、炭素の化合物を指します。

ただし、一酸化炭素や二酸化炭素、炭酸の塩(Na2CO3等)などの一部の化合物(以前より無機化合物に分類されていたもの)は例外として除外されます。

そして無機化合物は、有機化合物以外の化合物を指します。


以前の有機化合物の定義は、(生命固有の力で)生物だけが作り出すことのできる化合物ということであり、

無機化合物から有機化合物を合成することはできないとされていました。

しかしドイツの化学者ヴェーラーが、生物しか作ることのできない化合物とされていた尿素を、無機化合物のみから合成することに成功したことなどをきっかけとして、現在の定義となりました。


有機化合物が生物由来のものという限定から(ある意味で)自由になったことは、炭素の化学(有機化学)が発展するきっかけになったと言えます。

化合物の数では圧倒的に有機化合物が多く、2500万種類以上とも言われていますが、その数は増加する一方です。
(一方で無機化合物は数10万種類程度と言われています)


よりよい暮らしを実現してきたものの多くが有機化合物であることを考えると、その種類の増加については納得することができると思います。




コメントを投稿