僕がその存在を知ったのは高校生の時。
当時、大学受験もイタリア古典歌曲のみしかレパートリーのない高校生の芹澤には、五線より上の世界は存在していなかった。
ト音記号で記譜された五線譜、その第五線の上が「ソ」の音である。
音符で示せば第五線の上にちょこんとお餅でも乗っているかのような可愛らしいスタイルではあるが、「ファ」と「ソ」の間は果てしなく遠く、勇気を持って踏み出そうと上げた足の下に広がるのは闇。
『いつになったら「ソ」が出るようになるんだろう』
世間知らずで万能感に満ちた高校生は、まだ出ぬ音に強いあこがれを持っていた。
そんな時「男声が歌う曲(役)で、楽譜に書かれた最も高い音」という存在を知る。
そして、それは「清教徒」というオペラの中にあるのだと知る。
当時、インターネットも発展していなければ、気軽にオペラスコアを探せる環境もなかった。
ようやくその音源に巡り合ったのは国立音楽大学の冬期受験準備講習会を受けに上京したときだった。
講習会中に泊めてもらっていた兄のアパートで、ようやく手に入れることが出来たCDを、いつ出てくるかも知らない「そのたった1音」をヘッドホンでじっと探していた。
しかし、全然見つからないのだ。
僕自身のソルフェージュ能力が低いせいもあるが、全曲(CD3枚)の中からその1音のみを探すのはもはや苦行であった。
しかし聴き続けて2日目、あることに気がついた。
「この曲、途中のこの1音だけ女声が歌ってる?なんでだ?」
後に楽譜を手に入れ、その箇所が探し求めていた音だとわかった。
歌劇「清教徒」第三幕フィナーレ ”Credeasi, misera!”より
拡大↓
これがオペラ作品における、実際に作曲家自身が楽譜に書いた、男声で一番高い音である。
このあまりにも高すぎる音は、しばしば別の音に変えて歌われたり、ファルセットで歌われたりする。僕の購入したCDではファルセットで歌われていた。だから僕は「なんで突然女声?」と違和感を覚えたのだ。
もしかしたら現代音楽やジャンルが違えば、この高さの男声用楽曲もあるかも知れないが、正統的、伝統的オペラ作品の中では圧倒的な高さを誇る。
実はこの曲、一度歌ったことがあり、何ならそのライブ録音はダウンロードコンテンツとして販売されていたのだ(今も買えるのかな?)
ちなみに男声、女声の違いはあるが、YouTubeにて公開しているこちらの動画↓
とあるテノールが「夜の女王のアリア」を本気で歌ってみた!
Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen
こちらの最高音と同じです(笑)
ただ、こちらの「夜の女王のアリア」のHigh Fは持続音ではなく瞬間的なアタックなので、清教徒のHigh Fとは感覚的に全く異なってきます。
「保つ」というのは「瞬間的に出す」より技術的に複雑で高難易度です(どの音に関しても)
芹澤のテノリズム(テノール+イズム)は「音が高いからと言って楽譜に書かれている音、調性は変えない。その音が出なくなったら歌わない!」です。
書かれているのなら、再現するのがプロの務め!
試合会場、日時はこちらです↓ (試合?)
詳しい案内はオペラサロントナカイ公式HPに掲載されておりますので、下記リンクよりご確認下さい( ・∀・)
オペラサロントナカイ公演案内(公演詳細)
《清教徒》セレクション
ちなみに「力強い超高音が煌めくテノール」ってキャッチフレーズは僕が考えたものではありません(笑)
ちなみに(2回目)、プロフィールって通常自分で作るんです。
そう、多くの人は「自分で作文するんです!」
そういった視点から読んでいくと色々と面白いですよ(笑)
ちなみに僕はそろそろ誰かに書いてもらおうかな~って考えてます!
だって、経歴だけ書いてもなんかつまんないですし、どうせなら読んで面白いほうが良いな~って・・・・
え?先にプロフィール写真撮り直せって???
芹澤最新バージョン(Ver2.0)
「帰ってきた!Laboratorio141-4431」リハーサル中