ささやかなささやき 1.01

ねこの魅力は、そのファジーさに尽きる。

グラデーション

2011-02-10 06:37:54 | 本・漫画
東野圭吾の「変身」を読みました。
なんというか、個人的には少しすっきりしない読後感となりました。
あまり救いがないような内容だからでしょうか。
最後の展開をどう捉えるかに依りそうですが、それはまた
「人の心とは何か」「人の死とは何か」といった命題への
個々の考え方とも関わるのかもしれません。

自分で何言っているのかわからない。

ノーウェジアン アゲイン

2011-01-28 07:26:37 | 本・漫画
村上春樹の「ノルウェイの森」を読みました。
6年くらい前にも一度読んだことがあるのですが、
映画化されて何かと話題にもなっているようだったので
改めて読んでみようと思ったわけです。

6年前読んだ時は、それが私にとって初めて読む村上作品だったこともあり
「村上春樹って変」
という印象を持った記憶があります。(その認識は間違っていないと思っとります・・・)
そしてその後、何作か村上作品を読んで作風をだいぶ理解したうえで読んでみると、
多少ストーリーに馴染みやすくなった気がします。(それでも変だとは思いますが。)
以降の作品に比べればわかりやすいほうではないでしょうか。
感想書くのがヘタなのでどこが良いとかうまく指摘できないのですが、
人を愛することについてなどが繊細に描かれていると思います。

暗闇の世界

2010-10-02 17:16:01 | 本・漫画
「闇の子供たち」という本を読みました。
タイでの児童売買、児童売春を扱った小説なのですが、
テーマがテーマだけに、過酷な描写も多くとにかく暗い内容です。
とりわけ、ある少女が(文字通りに)捨てられて
自力で故郷に帰ったあとの末路を描いたくだりは、
読んだその日一日鬱になるレベルです。

こういう現実があるとは信じ難いというか信じたくないものですが、
もし実際にある程度事実に基づいて書かれたものであるなら
そこから目をそむけてはいけないのでしょう。
いろんなことを考えさせられる本です。

マサは語る

2010-09-18 10:01:25 | 本・漫画
宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」を読みました。
良かったです。
悲しい話でしたが、最後は少し爽やかな締め方でした。
一部犬視点で描かれていて、シリアスなシーンでも
犬が語ることでちょっとコミカルになっているというのも
面白かったです。

keep dancing

2010-07-24 15:08:59 | 本・漫画
村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」を読みました。
昔、ミスチルの曲で "Dance Dance Dance" っていうのがありましたが
それは関係ないので置いとくとして、

本作も、村上春樹らしい意味不明さが溢れていました。
ただ、理不尽な展開になってもわりとすんなり
受け入れられるようになってしまっているあたり、
村上ワールドに引きずり込まれてしまっている証拠かもしれません。

村上春樹が何を書きたかったのか正直わかりませんが、
主人公が話していたいくつかの思想やらポリシー(?)などは
作者本人の考えが反映されたものなのかもしれません。

switcheroo

2010-07-05 07:27:17 | 本・漫画
東野圭吾の『仮面山荘殺人事件』を読みました。
非常に面白かったです。
終盤はごろんごろん展開が変わっていきます。

ただ・・・

何というか、「非常に特異な状況」があって、
そこから「かなり意外な展開」に転んだ結果、
どちらかというとちょっとありがちな話になってしまった
ような気がしないでもないです。
もちろんその意外性も面白かったわけですが、
そのまま素直に話が進んでいたらどんな結末になっていただろう?
というのも知りたいと思いました。

私の頭の中の羊

2010-07-01 07:40:50 | 本・漫画
村上春樹の「羊をめぐる冒険」を読みました。
ちなみに私の書く感想が誰にとっても何の参考にもならない
ということは自覚しております。

この作品は三部作の完結編らしく、それだったら先に
「1973年のピンボール」を読んでおくべきだったなー
と思いつつも、1つの作品としても十分に楽しめるものでした。
もちろん謎なところも沢山ありましたが、
今まで読んだ村上春樹作品の中ではわりと好きなほうです。
終盤の展開はちょっと切ない感じです。

Good bye-sweet dream

2010-06-18 07:25:32 | 本・漫画
Cocco の小説、「ポロメリア」を読みました。
小説とありますが、登場人物の名前を変えているだけで
おそらくは自伝的なものではないかと想像します。
(過去の雑誌のインタビュー内容などと符合するところもあるので。)

文章は、どこまで本人が書いたものかはわかりませんが、
これも過去のエッセイと同様の文体で、ユーモラスな表現が
なかなか面白かったです。
内容も、それぞれのエピソードはそれぞれに面白かったり
興味深かったりする点はあったのですが、
全体としての繋がりはちょっとわかりづらかったです。
個人的には、その後の話が気になるところです。

門と過去

2010-06-14 07:38:01 | 本・漫画
夏目漱石の「門」を読みました。
ここんとこ読後感想が村上春樹か夏目漱石ばっかりですが。

実を言うと、主人公とその妻の二人の"過去"について
具体的に一体何があったのかというのが最後まで読んでみても
私にはわかりませんでした。
物語の一番核となる部分だというのに
どんだけ読解力低いんや・・・。
「三四郎」、「それから」に続く三部作になっているらしいので、
前二作を読めばもっと理解が深まるのかもしれません。

内容としては全体的に暗い感じの作品でした。
じわじわと悲壮感が漂ってくるような感じです。
終盤の主人公の行動には展開としてちょっと
拍子抜けしないでもなかったですが、
主人公の心境はよく伝わってきたように思います。

wind song

2010-05-31 07:36:57 | 本・漫画
村上春樹の「風の歌を聴け」を読みました。
150ページ程度なので、さっと読むことができました。
氏のデビュー作らしいですが、そのためか
あまり謎めいた事は出てこず、比較的平凡といえば平凡でした。
でも、文体自体は村上春樹らしさが既に滲み出ているように思います。