
「サワノちゃんに会いたいって言ってたよ」
Nちゃんからそう聞いて その場で泣き崩れそうになった。
「伝えてくれて良かった」、そう返すのが精一杯。
あの頃と変わらないご両親を見て 胸が締め付けられる思いだった。
お焼香する手が がたがた震えた。
あの教室で私達が過ごした無敵の10代は、永遠だ。
朝 登校してくるのはいつも Jちゃんが一番 遅かったから
先に教室に入っている私達の騒ぐ声が 階段まで聞こえるよって笑ってた。
バイト先のパン よくみんなでご馳走になった。
(あ、書いちまった!バイト禁止の高校だったンだ!....もう時効か)
Kちゃんと一緒に彼女の家に泊まりにいったことも数回。
夜、お父さんが連れて行ってくれた小料理屋さんで 美味しい海老をいただいたのを覚えてる。
翌日はお母さんが 中華屋さんの出前を取ってくれた。
ほんの少し 後に控えた進路への不安を抱えながらも コワイモノなんてほとんど無かった。
卒業してからも 私が出展する作品展には必ず来てくれた。
去年のうつわ展も然り。
「サワノちゃんのすっごいステキだった。かわいい作品で にやにやしちゃった。
もっとスポット当てて展示して欲しいくらい 影もステキだったよ。
楽しかったよ。ありがと。」
会場ですれ違いになってしまって会えなかった Jちゃんがくれたメールは
まるで昨日のことみたいに 私のケイタイに残ってる。
Jちゃんの魅せてくれた強さを、優しさを、そして死を、私は抱えて生きようと思う。
サヨナラは言わない。私達には似合わない。
天国までの道中は今ではもう華やかなんだろう。
三途の川でラフティング体験とか どう?
カヤックの方がいい?
Jちゃんの好きそうな 無国籍な感じのレストランとか、いっぱい並んでそう。
夢みたいな5つ星ホテルだって いくらでもあるさ。
ココから旅の無事を祈ってる。
その様子を綴るFBは もう読めないけど。
そうだ、いつか、あの教室で、先に待ってて欲しい。
ちょっと遅れるかもしれないけれど 必ず行くね。