Hans J.Wegner の「 CH23」(左)と「CH24」(右)↑
ペーパーコードを使った座編み講座に参加した時 撮らせていただいた。
おそらく....いや間違いなく、TassのE先生の私物。
1951年、一般の家庭用に と シンプルなデザインで設計され
ウェグナーの椅子の中でも不動の人気を誇るダイニングチェア。
「CH」は 「カール ハンセン社」の頭文字。
今はもう生産されていないCH23の
座面から貫にかけて張られたペーパーコード↓
見た目の美しさはもちろん 強度の役割も担っている。
ぎしぎし締め上げるから ね。
座面の形状は手前から奥に向かって幅が狭くなっている台形なので
経糸は 手前の方が巻きが多くなっています。
チーク材(背板)とオーク材(後脚)による ジョイント部分↓
隠すことが常識とされたいた接合部を あえて見せた
当時としては斬新なデザインだった様です。
しかし チーク×オークの組み合わせってすごいな、私ならやらない....(笑)。
座枠に釘を打ち込んでペーパーコードを折り返し
裏面の編み込みを端折っています。
そしてこの焼き印↓
「カール ハンセン&サン オーデンセ デンマーク」の、文字。
オーデンセは 童話作家アンデルセンの故郷でも知られるデンマーク第三の都市で
旧市街の可愛らしい町並みは観光地として有名です。
そんな町から名作椅子が生まれるのだなぁ、
この焼き印だけで 相当カッコいいっ
右側の椅子は メジャーすぎる程メジャーなCH24、ウィッシュボーンチェア。
背板の形状から 通称「Yチェア」と呼ばれる。
すでに著作権が切れているそうですね。
ネット上で ジェネリック商品と言われるリプロダクトが氾濫していて驚きました。
その多くが中国などでコストを抑えて大量生産される為に 驚きの価格です。
カールハンセン社のオリジナルは9万~15万円(木の材質で異なる)であるのに対し
ジェネリック商品は2万でおつりが来る感じ。
あくまでもオリジナルに忠実に再現するのが「ジェネリック」なのだと思いますが
ほとんどのモノは技法が(木工屋、家具マニアから見れば明らかに)違う様です。
まぁ当然ですよね。
他のメーカーが簡単に低コストで作ってしまえるなら
それは名作椅子にはならなかったでしょう。
家具としての問題は無い とはいえ、「ニセモノ」(←この表現は やはり違うのか?)
だと分かっていながら 誰が買うんだよ、と、思っていたら
意外なことに、このジェネリック商品を購入している人も少なくない。
ウェグナーの「Yチェア」を知っていながら あえてこれらを選んでいたりする。
....うーん、あり得ないな。
ところでジェネリックといえば「ジェネリック薬品」。
もし病気になったとき「毎日飲む薬が一粒10円、
ですがジェネリック薬品ですと一粒2円で 効能は同じですヨ」なんて言われたら
迷わず 「ジェネリック薬品でお願いします!!」と答えますね....
....ジェネリックなYチェアに救われる人もいるということか。
北欧家具、というか、ウェグナーの椅子に魅せられたのは 椅子に興味を持ったハタチ頃。
今回のブログを書くにあたり
学生の身としては清水の舞台から飛び降りる様な勢いで買った本を
久し振りにぱらぱらめくってみたら これがやっぱりいい
当時は学びきれなかったことも、今なら学ぶことが出来るかもしれない。
キタニの美術館でも行こうかなぁ....
そうそう、国際工芸学園(行ったことありませんが)の跡地が 飛騨産業の工場になるらしい!
同じように地場産業であるはずが、静岡あたりに暮らしていると
地域をあげて めまぐるしく(?)進化する高山がチョットうらやましい。