チャリポタ DAITAI WEEKLY

健康の為はじめた自転車が高じて、街や郊外を探訪するようになると、普段は見えていなかった景色が見えてきた。

庚申塔(史跡探訪)

2007年04月14日 | 史跡散策
「藁科川上流の葵区日向地区に、庚申塔がたくさんある」と聞いて行ってきました。

地方へ旅行した時に、田舎の街道脇に「庚申塔」とか「庚申塚」と刻まれた小さな石碑を見る事がありますが、それが何だか知りませんでした。「道祖神」と関係があるのかなと、かってに思っていました。珍しいという事なので、とりあえず行ってみました。

トレーニングコースの一つなので、日向地区にはよく行きます。
安西橋(安倍川)を渡り、藁科川沿いの街道を走る。大原、富沢を過ぎて、左「本川根」、右「井川」の交通標識のある丁字路を右に進む。
藁科川を見ながら赤沢、寺島、鍵穴、小島を過ぎて坂の上、その先が日向地区になる。市内の安西橋から約23km程の距離なんですが、川上への登りなので時間はちょっとかかる。(トレーニングにはちょうど良い距離です)
 
日向地区の旧道に入り、「堂下」バス停前の狭い道を登り、茶畑の直ぐ上に「福田寺」と「白髭神社」があった。ちょうど大川中学校、大川小学校と背中合わせの位置にあたる。



 日向 遠景


本堂前の広場から、茶畑、日向地区の民家を見下ろすことができる。春のそよ風、小鳥のさえずりが聞こえ、何だかとっても懐かしい気分がした。



 福田寺


このお寺は住職がいらっしゃらないお寺の様子(それとも麓にお住まいなのか)。きっと地区の人々が交代で長い間守って来たんだろうと思って地元の方に聞こうと探したのですが、当日は誰ともお会い出来ませんでした。この様なお寺が、静岡にはいくつか有ります。



 白髭神社


福田寺と並んでたっている白髭神社も荘厳で立派な神社でした。

福田寺の横、山の斜面にその庚申塔はあった。何とその数の多い事! 30位は有ろうか、(よく数えなかった)。





庚申塔って何だろうかと、広辞苑、百科事典等で調べてみました。初めて知りました(とっても面白いです。)

庚申とは、干支の一つで”かのえさる”。(枕草子にも出てくる)。庚申待の略、青面金剛、庚申塚、庚申講等々。何だかさっぱり分からない??です。

要はこんな事なんだそうです。(なんでも道教に由来するという)

人間の体には三匹の虫(三尸虫=さんしちゅう)がいるんだそうです。一匹は上尸(=道士の姿=キョンシーみたいな奴かな)、次は中尸(=獣の姿)、そして下尸(=牛の頭に人の足の姿)でいずれも二寸である!。(何かいやに具体的でリアルでユーモアがあってって感じ。ちょっと見てみたい気もする)

庚申の夜眠ってしまうと、人の体の中から三尸虫が出てきて、天帝にその人間の罪を告げるのだそうです。その罪悪によっては寿命を縮められてしまうということで、その夜は一睡もしないで朝を待つんだそうです。(仏教(家)では帝釈天および青面金剛(しょうめんこんごう)を、神道では猿田彦(白髭神社に祀られている神様)を祀って徹夜をする)

一人でいると眠くなるのでみんなで一緒に酒など飲みながら過ごすんだそうで、これを「庚申待」「庚申会」「御申待(おさるまち)」などというそうです。
その庚申待をする仲間が「庚申講」。

この庚申講を3年、18回続けた記念に「庚申塔」が建立されるそうです。





それにしてもこの数です。ずいぶん長年に亘って続けてきたんですね、この地区では!。

始めは信仰から生まれたものでしょうが、だんだん変わっていって村人の連帯感の醸成、コミュニケーションの場、レクリエーションの場などに変わっていったんではないかと、わたしは思うんですが。

また安倍・藁科一帯には白髭神社がとても多いことに気が付きます。

白髭神社はご存知、猿田彦(白髭明神)が祀られている神社で、新羅(古代朝鮮)の神ともいわれています。

神話では、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト=天照大神の孫)が降臨(つまり天孫降臨=天下りの元祖ですね)の際、道案内をした神様といわれ、身の丈七尺余、鼻の長さが七咫(七あた=約18cm×7=126cm・・凄い!)赤ら顔で、つまり天狗さんの様な神様。

後に日本の神様と結婚しているそうですので、これまた”国際結婚第1号”というところでしょうか。

難民(朝鮮半島での戦)などとして渡ってきた渡来人達が全国いたるところに住み着き、文明や、いろいろ生活に必要な技術などを広めたといわれています。

その人々が住んだ地域に猿田彦を祀る白髭神社が多いということも確かでしょうが、私は山間部に白髭神社が多いのは、神話にあるように高天原から高千穂に天降った時、道なき道を案内したということから、山仕事の多い山間部の人達が山で迷わないように、また事故の無い様にと願って祀る事が多かったのではないかと思っています。

とても勉強になった一日でした。(単なるトリビア・・・ですが)


















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2 コメント

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子どもの頃を思い出しました (zenpeichan)
2007-04-16 20:31:35
そうそう、そうなんですよねえ。
思い出しましたよ。子どもの頃、よく大人の人が
お庚申さんの当番の日?だとかいいながら
集まっていたのを思い出しましたよ。
こちらでは、田舎なので、30年ぐらい前まで
やっていたようです。今は、もうやっていなようです。
改めて勉強させていただきました。ありがとうございます。
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さびしいです (candle_march)
2007-04-17 00:16:53
我が実家でも、つい最近までは(という感じがするのですが)、おばあちゃんがいろいろな行事(お日待ちなど)をやっていたんですが・・・
昔の習慣や行事などが、段々消えていくのもさびしいことですね。
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