昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

75ターボEvo インプレッション

2018-11-27 01:33:46 | ALFAROMEO

乗りたかった、75ターボEvoのハンドルを握り、私なりのインプレッションを。

外観は、以前に当方の工場でも、Evoルックの、75ミラノ改を作ったこともあるので、まあ、カッコいいなという程度の感じだが、ハンドルを託されたからといっても、ドリフトサーキットでの試乗ではなく、一般山道での試乗なので、3速までの試乗だが、今まで雑誌のテスターや、マニアもどきの、販売店オヤジなどの、レポートと、私のレポートは、まったく印象が違った。

良く車を理解している、2台のオーナー様の言うとおり、あくまでもホモロゲーションモデル、その昔の60年代ジュリアGTAとおなじく、FIAの改造のあくまでもベースなので、ロードゴーイングレーサーや、ラリーチューンカーと違い、チューニングしていないに等しいターボエンジンは、ごく普通のパワーしかないが、そのぶんドッカンターボなどではなく、エンジンパワーで言えば、ランチアデルタの8Vのほうがはるかにパワーがある。
あくまでも、チューニングベースのエンジンなので、ノーマルでは、メーカーで、パワーを挙げることなど意味がないので、ごく普通だ。
雑誌や、ブログも間違ったインプレッションを聞かされていた私は、スタートが難しい低速がスカスカのエンジンを想像していたが、普通に、1800クラスの低速トルクがあり、スタートは難しくない。ドッカンターボといううわさも、山道で、普通に走れるくらいの感じで、オーナーいわく、タコメーターが少し狂っているというタコメーターで、2500RPMくらいから、ターボですよとエンジンがモリモリとしてくるが、音が、V6と比べておとなしいので、わくわく感は少ない。デルタ8Vのほうがはるかにパワーがあるし、トルクフルなことは間違いない。

ボディに関しても、剛性感があるとのインプレッションもあるが、特に、スプリングや、アーム類をチューニングしてるわけでもなく、ショックだけを思いっきり強化してるこの車は、SZのような感じの感覚だが、SZと違い、ショックのマウントゴムで遊んでしまうSZの簡易的足回りセッティングと違い、こちらのほうが、ショックがまじめに仕事をして、硬いが不快感はない。良くできたラリーカーに乗っている感覚だ。LSDも付いているはずだが、ポジトラクションセッティングの、ZF25%LSDと同じ感触で、方輪で路面を蹴って行く、競技用のセッティングではない。

ノンパワーのラックアンドピニオンは、75のツインスパークによくある、コーナーリング中のスティックに見舞われることもなく、GTV6の鼻を軽くしたような、T/Sとはまた違う、フロントのエンジン重心の低い、実に回頭製のよい、手のひらで路面とお話できる優れものだった。

Evoが、旧型ヘッドにこだわったのも、重心の低い旧型ヘッドのコーナリングを重視したからではないだろうか? エンジンはターボつきなので、パワーはチューニングでどのようにでもできることだし、重心が高くて、フロントのロールが深いT/Sヘッドはあえて避けたような気がする。V6エンジンとT/Sエンジンで、同じ75でも、まったくコーナーの安心感が違うから、ターボでパワーとトルクが得られるのなら、軽くコーナーリングのレスポンスの良い旧型のヘッドだということなのだと思う。

ホモロゲーションモデルとは、改造が許されているところは、お金をかけないのが基本だ。変更が許されないところだけを、市販時、前もってチューニングしているのが、ホモロゲーションモデルなので、後からいくらでもブーストアップでパワーの得られるエンジンなどは、手をかけない。ボディ剛性や、足回りのブッシュなども、あとから強化できるから、わざわざ市販モデルで強化する必要などまったくない。 さすがアルファーロメオ、競技の世界のことをよく理解している。

ライセンスを持って、競技の世界に身を置いた者なら、そこらのことはよくわかるのだが、嬉しがりの似せテスターは、そういう本質のところを見ることができないものだ。

なぜ、Evoというクルマが、大きなオーバーフェンダーをつけながら、GTV6と同じ、6Jの大きなプラスオフセットのホイールでお茶を濁しているのか、大きめサイズのターボを装着して、いかにもドッカンターボといういでたちだが、実際にドッカンターボに乗ったこともない人間は、この程度のターボでも、ドッカンだというのが情けない。

若いころ、近畿道の料金所で、横に並んだパトカーと、よーういドンしたことがあるが、デルタの8バルブでさえ、3速MAXで、パトカーを振り切り、なりふりか回す4速にアップして、4速MAXに達する前に、パトカーの回転等が消えたのを確認する遊びをやったことがあるが、あの、まったくのノーマルのデルタ8Vのほうが、はるかにパワーがあったと思う。

このEvoが、どのくらいプーストアップしているのかは知らないが、一般道のドライブでは、対向車も、自転車も走っているので、フルスロットルは踏んでいないが、ノーマル状態のままなら、カタログスペック道理のパワーだと思う。

今回の車は、オーナーが、実に具合良い感じの、足回りセッティングをしてあったので、乗りやすくて、楽しいドライブができた。それでも、信貴山の山は、ターボで走るには、ちょっとタイトすぎた。フラワーロードに舞台を移せば、3速フルスロットルまで十二分にテストできるが、ペダル位置や、ハンドル位置が、自分用のセッティングでない車で、無茶はできない。でも、私も、75のにせEvoでも作ろうかと思ったほど、この手のサイズのクルマは楽しいですね。今の丸々太ったブタ車とは、まったく違う。

久しぶりに、ドリフトサーキットでも走ってみたくなりました。


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1 コメント

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先週は試乗触診ありがとうございました (75evo)
2018-12-01 21:29:01
「普通に乗れるな!」は嬉しいコメントでした。癖のある車と思っておりましただけに、普通に発進して普通に山道を運転される姿にプロを感じました。
ちなみに、ダンパー、リアバネ以外はノーマルです、パワーアップもしていません。
この「普通」をいつまでも楽しめるよう、引き続きよろしくお願いします。

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