昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

命にかかわる、プロと素人の差 (ねじの規格)

2014-12-14 23:26:37 | ALFAROMEO

先日の、ブレーキトラブルの1750GTV

ブレーキオイルが、サーボのバキューム室内に漏れて、ブレーキオイル不足となり、エアーが噛んで、ペダルがフカフカになる状態だった。

フロントのサーボ内での漏れだったため、リヤブレーキに負担がかかり、一気にリヤパッドが消耗して、リヤホイールはダストで真っ黒に。

 

最初は単純に、リヤーのパッドが消耗したのだろうと、待ち作業で、作業を始め、リヤパッドの交換で、ピストンを、押し戻さねばならないので、リザーバータンクの液量を確認して、ブレーキオイル不足を見つけ、外部に漏れがないことから、サーボ内部への内出血と、判断。

サーボのエアータンク部を割って、フロント側のみ、内出血を確認、フロントのサーボと、リヤのパッド交換、ブレーキオイル補充、エアー抜きと、一連の常識的な作業が終わり、丸1日、0.2キロの与圧をブレーキにかけての漏れ確認をしたら、フロント側のメインプレッシャースイッチの樹脂の部分に、うっすらとブレーキオイルのにじみがあったので、急遽、部品屋さんに行き、予備も含めて、2個ほどプレッシャースイッチを購入、工場につくなり、すぐに作業開始、(単にプレッサースイッチの交換だが)。 この道40年の手の感触は、部品のねじの違いを、感じ取っていた。(その自分の手のひらの感触を信じずに、部品屋の供給してくれた新品パーツを信じようと何度も締めこんだ私がおろかだったのだが)

しかし、まさか、ブレーキのパーツを、他車のものを規格も、確かめず、(というか規格違いがあるというのを知らないのに)、流用して売っているとは、私も人間的に疑ってもみなかった。

 

アルファロメオの油圧タイプのブレーキストップランプスイッチは、その昔からアルファロメオのブレーキが、ダンロップや、がーリング系の、英国パーツを結構使っている関係からか、ブレーキパイプのフレアナット部分は、ミリねじ規格であっても、T字型のジョイント部の、ストップランプスイッチのつくねじの規格は、インチのテーパーねじであるのは、ロメオを長年触っているメカニックについては幼稚園レベルの常識なのだが。

 

105ロメオの生産がずいぶん前に終わってから新規参入した、部品屋さんのレベルでは、ミリ規格で作られている車の、一部に、まだ、インチ規格のねじが残っていることに、気がつかなかったのだろう。(非常に恥ずかしい話なのだが)

 

エンジンの油圧系統は、10ミリ径で、1ミリの極細目ピッチの平行ねじと、テーパーねじが使われている。
しかし、ブレーキのランプスイッチは、ガスねじが使われている。

2つのオンタねじを比べてみると、ピッチは見た目にはほとんどわからないが、重ねてみると、ピッチの違いがわかる。ミリねじの、ミリピッチと、インチねじの、一インチあたりの山の数と、規格の基準が違うのと、テーパー角度の違い、そのほかにも細かく言うと、ねじ山の角度もインチとミリでは違うのは工業形の技術者なら、高校1年で習うだろう。

この、ねじ外径、約10ミリ、ねじピッチ約1mmのねじ単体でみて、約0.1mmのピッチの違い、約0.05mmの外形の違い、ねじ山の5度の角度違いは、ほとんどわからない。唯一気になったのが、テーパー角度だが、今日入荷したばかりとの、部品屋さんの言葉に、『これ本当に正しい品なの』という、疑問の言葉を出すことはできなかった。

取り付けてみて、締め付けるレンチのチカラ加減から、やはり見た目で不安感が合ったテーパー角の問題かなと、思いつつ、しっかり締めこんでしまえば問題ないだろうと、いつもよりずいぶんと強く締めこんだのだが。(ここはプロとしての私の判断ミスでした。自分の手のひらの職人の感触を信じるべきでした。)

 

加圧式のエアー抜き工具で、圧をかけると。しばらくして、ねじ部からにじんできた。

数回増し締めしては、加圧テストをと繰り返したが、なかなかとまらない。

ねじを壊す位の気持ちで、閉めこんでやっと,ニジミが判らなくなったのと、お客様が引き取りにきたので、経緯を説明して、スイッチ部の点検を再々してほしいと、お願いして納車した。

が、あくる日の昼間に、電話があった。

漏れたオイルが、エキゾーストパイプにかかって、白煙を上げたとのこと。ほんの一滴の漏れでも、燃えると、ど派手に白煙を上げるブレーキオイルだが、ほんの一滴が漏れてもいけないのがブレーキの油圧系なのだ。

 

まさか、ブレーキねじの違いを、アルファロメオの部品を扱っている部品屋さんが、知らないなどとは夢にも思わない私は、はずした部品と、新たに手に入れた予備の部品を、あらためて比べてみて、愕然とした。

2個のパーツのねじ部を、重ねて見比べて、明らかにガスねじと、ミリねじの違いが判った。
すぐさま、ピッチゲージと、エンジンブロックの油圧系のねじを使っての確認。
手に入れた新しいパーツは、明らかにミリピッチのもので、ロメオのブレーキランプスイッチに使われているガスねじとは、異なるものだった。

お客様がこられて、謝りの言葉もそこそこに、元の、長時間油圧をかけると、かしめ部から滲んでくる元の部品のほうが、はるかに安全と判断。元の部品に戻して、まともな部品が入荷するまで、我慢してもらうことにした。

ここで、元の部品に戻して、締めこんでいくと、こんどはまた、本来の手の感触と違う締め込み感覚が。

ピッチ違いの新パーツを、漏れが出ないくらいに締めこんだ悪影響で、メスねじに、新たなピッチがきられてしまったのだ。

おかげで、何度もすり合わせするように、締めては緩めて、やっと、元の油圧スイッチの締め込み角度がまっすぐに修正でき、OIL漏れをとめることができたが、ねじ山で2山ほども、奥に締めこんだ位置でOKとなった。

 

部品屋さんでも、新たに入荷したパーツ(フィアット用だという)と、以前に、他のクルマやに出荷して、だめだとクレーム返品された品があるので、それを送るとのこと。

1日待って、手にした、その一度クルマにはつけたが、走行をしていないという出戻りパーツは、目で見て、すぐに判るほど、ねじに、取り付け傷があった。そのピッチは、明らかにミリピッチだった。

今回の事案は、部品屋さんが、こういう最重要な部分の規格の種類があるということを知らずに、ごちゃ混ぜにパーツを売りさばいていたことに原因がある。

出戻りというパーツを見れば、一目瞭然で、ミリピッチのところに、ロメオのガスねじのプレッシャースイッチを無理やり締めこんだ跡があり、ちょうど、私と反対のパターンだった。

ずいぶん前に私もこのブログで書いたことなのだが、知らないことがあれば、専門のところに聞いてくれたらいいのに、他の工場から、クレームが有ったときに、この部分のねじには種類があると、謙虚に受け止めてくれていれば、私のところにフィアットの部品を渡して、お客様の車に傷をつけることもなかったのにと残念である。

 

ちなみに、そのことが有った、あくる日に、カルロチッチと、ボローニャ金ちゃんが、当方の近くを通ったと、尋ねてきてくれた。

今回のことを話すと、金ちゃんは即座に、『ロメオのあそこはピッチが違うからな』と。

伊藤忠時代から、ロメオに携わるメカニックは、ツーカーで通じる、基本中の基本の、いろは話でも、まだまだ、素人に毛の生えた新参者といわずをえないパーツ屋さんとでは、次元が違いすぎるようだ。

 

もうだいぶ前のことだけど、シンクロリングが、私が見ただけで使えないと却下した品に対し、『どこが、違うんですか』と、問うたパーツ屋さんだったが、見ただけでその違いが判らない目では、今回のブレーキスイッチのテーパー部の違いも、見極めるチカラはないものだと思う。

最初から、ロメオ用のパーツを供給してくれていたなら、問題はなかったのだが、わざわざフィアット用を注文して流用しようとしたパーツ屋さんには、もっともっと勉強してもらう必要がある。

 

ことがブレーキだけに、他社の部品流用は、よほどの確実性がない限りすべきではないし、その部品チョイスを間違えたために起こったかもしれない、事故と、賠償、刑事罰のことを考えて、仕事はしなければいけないと思う。

 

基本、ミリ規格で作られている車でも、たとえば、ロッキードのサーボのプラスねじは、フィリップスではなくjポジドライブ規格だし、スキーのビンディングの取り付けも、ポジドライブだ。

古い、英国車は、インチではなく、ブリティッシュ規格なのだ。

よく似ていても違う規格は違う規格。そのことを本当によく知ってから、ものを扱うべきではないだろうか?

 

後日、写真アップします。

 


ブレーキエア抜き ゲゲゲ ブリーダーが。

2014-12-08 00:23:02 | ALFAROMEO

運良く、週末には、ブレーキサーボが入荷予定とのことで、部品待ちのアイドルタイムは最小で済んだ。(しかし、その高価なことには驚く、あの安く供給してくれるところでさえ、、、、)


手に入った、サーボは、ボッシュ製のボナルディタイプ。

もともと付いていたものとは同じボッシュ製ながら、メッキ部分の色と、ネジのサイズとかが違うが、今回のもののネジサイズのほうが、昔のサイズのままだ。

聞いた話では、中華製の物があるとのことで、ブレーキだけに要注意の品だ。

  
ドイツ製とはいえ、仕上げは荒く、シリンダーボディと、蓋の部分とが、ねじれて組まれていた。もちろんソロバン玉形状のオカマのバンドを緩めて、向きをまっすぐに直した。


フロント側のブレーキサーボを交換して、さあエア抜き。

タイヤを外して、アレー    ボケー   どあほ

 

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表題を読んだだけで、プロのメカニックは、想像が付いたとは思いますが。

 


ど素人以下の腕のメカニックの仕事の象徴『潰したブリーダー』
 この車を購入した時には、すでにブレーキサーボは、見た目はきれいなものが付いていたと言うが、どうしてエアー抜きはしたのだろう??

もちろんバイスプライヤで挟んで、ブリーダーを緩めたことは傷の入り具合から想像できるが。

アホメカニックは、こういう仕事をする。


おかげで、ストックしてあった、キャリパーが、アホメカニックの犠牲に。(ブリーダー取りのドナーに)

中部地方でこの車は手に入れたらしいが、本当にすばらしい仕事をしている。
まともなメカニックにはマネの出来ない世界だ。


エアー圧をかけながら、のエアー抜き。

コツは、エンジンをかけて、バキュームサーボを必ず、作動させること。
エアバルブ部の、小さなシリンダーの中のエアーも出すためだ。(作動させないとこの部分のエアーは出てこない)
ただし、ブレーキペダルを放すときに、ヘタにサクションが生じると、カップ部からエアーを吸って、延々と、ポツリ、ポツリと、エアーが出てくることがよくあるので、必ず、ブレーキタンク側に、圧をかけて、ブレーキペダルを戻したときに、サクションが生じないように、しなければならない。(このサクションによる、延々と、エアー噛みが取れない現象は、75のあのPバルブと同じで、必ず圧をかけてエアー抜きはしなければならない。)

圧をかけて、さらにエンジンをかけて、サーボを作動させてのエア抜きでは、触っていないほうの、リヤー側のラインからも、けっこうな量の、エアーが出てきた。 以前に、サーボを交換したメカニックは、まともなエアー抜きも,ようせえへんヘボ腕メカニックだったようだ。


ついに、ブログランキング 1000位以内に突入!!

2014-12-05 11:45:10 | ALFAROMEO

昔が良かった。

ブログの開設から 1,034日

 

無料フォト

12月4日のアクセス数

  • 閲覧数1,358
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独立して、ブログ開設以来、1000日と少々で、ついに、ランキング1000位以内に突入しました。

 

数ある、ロメオのショップのブログの中から、当方のブログにお越しいただき、ありがとうございます。

以前は他のショップのブログにお邪魔して、間違い指摘のコメントを書いており、親しい方からは『指摘マン』と冷やかされておりましたが、あるブログからは、自分の聖域に入るなといわれ(間違いを指摘されたのが気に入らないらしい)、あるブログでは、間違いを認めず、あくまでも間違った意見をさらに上塗りして、オーナーをだますあのショップなど、このままでは、ロメオが素人上がりの、口先ショップの毒牙に、かかってしまう若いオーナー、被害者が多数出てしまうと、このブログを開設させてもらったしだいです。

ちょうど、2チャンネルで、悪徳ショップとかの記事があったころに、指摘マンとして、時々他のブログに書き込みしていた私ですが、あまりに間違った、ブログ記事に、業を煮やしてこのブログを開設。 Dr,Hの助けもあり、徐々に読者が増えてきて、いつのまにやら、まったくお会いしたこともない方とも、意見が合って、リンクを張らせてもらったりと、さらに読者を増やし、その昔は、コメントでお邪魔していたショップの閲覧者数を上回ることも多くなり、特にこの1年は、50~100人程度上回ることがほとんどとなって、今回は、どこぞのショップの倍近い閲覧者数で、ついにランキング1000位を、大幅に上回る、ランキング939位を獲得!!

 

正しいことを正しく書く、本当に知っている過去のことを正しく伝えること(伊藤忠当事の事を電話で聞いてきて、さも自分がしっていたように話す口だけショップではダメなんです)。
メンテに対しては、伊藤忠オート時代からの、正しい知識での判断、整備がいかに大切か。
クレームに対しては、外注仕事に出してというか、仕事は外注しかできないのに、クレームが出ると、すべてメカニックに擦り付けて、知らん振りするショップはダメで、なぜ、クレームが出たのか、メカニック目線で正しく判断することの大切さが、このブログ閲覧者数の変移が物語っている。

 

メカニックとして、手は一つなので、同時に何台もの仕事をこなす能力は私にはないが、黙って、応援してくれている方がいるのは心強いものがある。

一部の口先ショップにだまされて無駄に金を使うオーナーが減ればと願い、このブログをつづる私です。

 ありがとうございました。


嬉しさ半減  勝利の秘密は、車ではなく、ドライバーの腕だった。

2014-12-03 06:12:16 | ALFAROMEO

先日、ヒルクライムで優勝したというアルフェッタ。

 

確かに、私が、新車のころより、オーナーチェンジしても、長く付き合ってきた車両なのだが。

現在のオーナーに,,詳しく聞いたところ、ノーマルの1800だという。

私の手元を離れたときは、私の組んだ2000のファインチューンエンジン仕様だったのだが、、、。

ボンバ関東支部に、行ったときも、2000のままだと聞いていたのだが。。。。

 

現オーナーの話だと、ボンバ関東支部のF氏と、メカニックさんが、私の組んだ2000エンジンを下ろして、1800のオリジナルエンジンに積み替えたらしい。いきさつは知らないが、私の組んだファインチューンエンジンは、30年ほど前の当時、実験的にかなりの部分を私なりに追求して組んだエンジンで、現在私が主に組んでいる、ファインチューンエンジンの元になった仕様のもので、ベースのファインチューニングに、鼻の脂をたっぷりプラスした仕様だった。普通のファインチューンよりもトルクフルで、評判が良かったエンジンだったので、今回のようなヒルクライムには、最適仕様だったのではと、優勝という言葉を聞いたときは、本当に嬉しかった。

しかし事実は違っていた、このアルフェッタでの自慢は、その心臓部の2000のファインチューニングエンジンだったのだが、それが降ろされて、車が売られていたとは、、、、。

振動の多いラフな2000エンジンを、1800並のスムースな回転と、2000ならではの圧倒的トルクを両立したファインチューンエンジン。どれだけ酷使されても、根を上げなかったアノエンジンが、積まれていない。いくら経年変化でパワーダウンしてといっても、1800のエンジンとのカマの差は、トルクの差。 それなりの効果はあったろうに。

まして積まれていた1800エンジンはノーマルを調整しただけのものという。

となると、今回の優勝は、新オーナーのドライバーとしての腕一本で、優勝をもぎ取ったのだ。

フロントロールセンターをあげてステアリングのはりを上げるなど、わかったセッティングを施しているのも、こういうコースでは、かなりの効果があっただろうし、同じシャーシーを使っても、メカニックが、わかったセッティングを施し、本当に腕の良いドライバーが操れば、非力なノーマルのエンジンでも、このような結果が得られるということを証明したことは立派だと思う。

その昔ラリードライバーをしていた私なので、ナゼ他のハイチューンの有名どころよりタイムが良かったのかは、私もわかる。

元の車の出所が云々ではない。ドライバーの腕の勝利だったのだ。

 


今度はブレーキトラブル ②  

2014-12-03 06:04:31 | ALFAROMEO


ブレーキタンクの形は、上図のようになっている。

一番上が、注入口で、下側の2箇所が、ブレーキマスターシリンダーの、インレットパイプにつながる。

黄色の線が、フリュードのアッパーレベルで、アッパーレベル付近では、フロント側と、リヤー側は、つながっているので、どちらのパッドが減ろうと、上から3分の一くらいのところにある、前後の仕切りまでは、全体でのレベルが下がるだけである。

赤い細い線で示した位置、この位置より、フリュードのレベルが下がると、前後で、単独のレベルとなる。
片側のパッドの減りだけでは、このラインまで下がることは無い。
前後のパッドが、パッドの止めてある十字の板に当たって、さらにパッドが減って、はじめてこの赤いラインより下側になってくるが、パッド止めの十字に当たるまでパッドが減った時点で、ペダルはスポンジーになるので、普通の人間なら、パッドの減り、そのことを感じることが出来る。

万が一、ブレーキフリュードが漏れて、レベルが下がったとしても、赤いラインより下がるのは、漏れているほうのブレーキラインであり、他方のリュードレベルは、赤いラインよりは下がらず、赤いラインより下がるのは、パッドの減り分である。したがって、ブレーキフリュードが、漏れていても、両方のレベルが、赤いラインより大幅に下がることはまずは無い。
たとえば、漏れていないほうのブレーキパッドに負担がかかり、大幅に磨耗したとしても、その磨耗したブレーキパットを新品に交換すれば、そちら側のタンクは(液漏れしていない側のタンク)、赤いラインのところまで戻るのが当たり前だ。

今回のトラブルでは、フロント側のブレーキサーボの内部で漏れるというトラブルで、リヤー側の、サーボの漏れはなかった。
フロント側は、液漏れで、エアーが噛むレベルまで、フリュードレベルが下がったので、ブレーキの負担は、圧のしっかりかかった、リヤパットに集中し、一気にリヤパッドが磨耗したのだと思われるが、パッドが磨耗して、フリュードレベルが下がった分は、新品パッドを入れれば、赤いラインのところまで上がるのが常識である。

しかし、リヤパッドを新品と入れ替えても、フリュードレベルは、上図の青い色の部分くらいまでしか回復しなかった。
オイルが、漏れていない、パッドが減っていない状態なら、赤い線まで戻らなければならないのに、青い線までしか戻らない。それは何を意味するか? 漏れていないのであれば、ブレーキフリュードを入れていないのだ。少なくとも、タンクの前後がつながる、タンクの3分の2以上の位置まで、ブレーキフリュードを満たしていたのなら、前側で、いくら漏れても、独立したリヤー側は、赤いラインの位置からレベルが下がるのは、パッドの磨耗分だけである。

 

 

 

前回の、私の工場での仕事が、足回りやブレーキ関係でなかったのと、ロードテストで異常な感じは感じ取れなかったので、ブレーキやクラッチのOIL量は、気にもせず、しっかりと点検していなかったのだろう。少なくとも、私自身、ブレーキオイルクラッチオイルを点検したかどうか記憶が無い。(いつも、納車時には意識しないで点検している項目なので)
しかし、メカニックとして、工場から出庫するときに、確実にホイールナットの締め付けと、ブレーキとクラッチのオイル量、エンジンオイル量、クーラント量の点検は、していなければならないし、今回のような常態をみると、それが完全ではなかったのだと思う。(しっかり意識して点検するように、あらためます)
メカニックとして、その車が、一度工場に入った以上、その時の仕事とは関係ない箇所でも、認証工場として、それらのチェック漏れがあったことは、反省しなければならないし、お客さまにもお詫びしなければならない。私の工場は、嫌いなところの仕事だからとか、知っていても知らぬ顔するような、ヤミ工場ではない、そこまで落ちぶれた工場ではないのだから。

 

車というもの、始業点検してから乗る、最終的にはドライバーの責任というのは、もう過去のこと、たとえそれが、そうであっても、今回の、リヤ側タンクのフリュードレベルと、しっかり切れるのだけど、オイルの入ってなかったクラッチタンクを見ると、100%の確実さを期待しているお客様の、期待を裏切ったことになる。そのことは、真摯にうけとめ反省しなければならない。