電気系をあっちこっち点検し。
唯一の便りが、アルフェッタ2.0GTVのオーナーズマニュアルの配線図。
残念ながら、伊藤忠オートが扱ったGTV6は、並行輸入扱いだったし、もう、伊藤忠が撤退するという時期だったから、ワークショップマニュアルも、部分的なものしかなかった。
独立してからも、GTV6のお客さんの数は知れているし(大阪の伊藤忠では2台のみで、1台は、私の持っていたGTJ1600を下取りに出して、チューニングマニアのI社長に飼ってもらった1台)、その後の並行輸入で、姫路のM自動車が入れた2台が、当方のお客様が手に入れてメンテしていただけだった。
合計3台のためにだけ、オーナーズマニュアルを手に入れる気はなかったが、その付けが今頃になって回ってきた。
ボティのスタイルは、マイナーチェンジされたが、2.0GTVは、同じ型式で11636。
GTV6は11646なので、同一系列の車種ということで、キャブ仕様と、Lジェトロの違いだけで、ボディ形状、配線は、大まかに同じだ。
引っ越しで、どこかに行ってしまっていた、オーナーズマニュアル類の入った段ボールがやっと見つかったので、さっそくスキャナーして、必要なところをプリントアウトして、配線図に色付けをして、現車のGTV6とにらめっこした。
基本的に、電気トラブルのもとは、シピアー製のIGスイッチのトラブル。80年代に入って大量に不具合発生したIGスイッチトラブル。私が名付けたシピアー病だ。
この病気、155等も発生している、ロメオの基本的トラブルなのだが。
このGTV6の場合は、フューズBOXを過去に焼いていて、その時のメンテしていたショップがフューズBOXを交換せずに、国産のフューズBOXを使い、配線を延長したりしているから、まことにややこしい。下のヒューズBOXに入っている配線と、リレー関係はそのまま使い、配線延長で、元のBOXの点検が簡単にできないようなかぶった位置に、新たなBOXをつけているので、配線系統のトラブル発見は極めて面倒なのだ。
なんとか、配線を追いかけてエンジンは無事にかかるようになったが、まだ、ラジオの表示が時々点滅したりするから、アクセサリー系には、しっかりした安定電圧が届いてないようだ。
ヘタな後付け配線はトラブルを増やすだけなので、私は大嫌いなのだが、自慢している方もいるようなので、、、、、。
エンジンが安定して回り出したので、まずはクーラー関係の仕事を完成させようと、ガス充填をしていたが、なぜか、途中から、ガスが入っていかない。
それでも、半分以上、ガスは入っているから、最初の状態くらいの効きはあるが、本来の窓が曇るほどの効きではない。
外気、内気の切り替えとか、配管とかを順に調べていくと、エキパンバルブのところの、結露防止用に巻いてある断熱材が、やけに浮いているではないか。
ダッシュ下に頭を入れてよく見ると、エキパンの感熱管の、スパイラル上に巻いた先端部を、エバの出口に巻かずに、外に放り出してある。 前に触ったメカニックが犯人だ。そんなショップもあるんだと感心するとともに情けないと。。。。。
ゲージマニホールドも調子がいまいちなので、騙しながらもなんとか、サイトグラスを見ながら、時間をたっぷりかけてのガス充てんで、クーラーは効くようになった。
ヤット、フロントガラスが曇るまで、冷えるようになった。
むき出しのままのエキパンの周りには氷も着くようになったので、とりあえず、ガス充填はOK。
とにかく前のショップの仕事はひどすぎる。
こんな状態のを下取ったのなら、査定は安かったんだろうな。
私の工場は、販売ショップの都合のいいお客様にされたようだ。どうやら、私の手は一つしかないということがわかっていないようだ。
私の工場は、物を売る時は最低限、恥ずかしくない状態にして出すが、販売のものは、売り逃げが美徳と思っているようだ。 整備は必要悪と言われた言葉が思い出される。
私は、売り逃げと、両引き鋸のような商売は、人間の基本としての恥だと思っている。
修理はクレームで、OIL漏れと言われて、トランスアクスルを下して、新しい、ドナーまで用意して、完全クレーム対応したりもしている。
工場移転、事実上破産状態で、自宅売却交渉の大ピンチの時に、こちらの事情を言って、それを承知で、マネージャをしてくれるということで受けた仕事を、仕事の進みが遅いと言われて、内燃機屋とかの外注仕事の支払いを、当方が持ったまま、仕事を引き上げられて、外注仕事代の大赤字状態、どさくさに紛れて火事場泥棒されたのではたまらない。
今回、状態がいいと言っていた車は、この状態で、仕事が遅れて、こちらが困っているのに、。。。。。。。
当方の直接のお客様は、黙って我慢してくれているのに。
良い仕事をしてほしいから、当方の工場に来てくれている直のお客様と、どうでも仕上がりはいいから、差額だけ抜きたい外注下請けのつもりで出している仕事の違いか。
何か、下請けレベルで早く仕事をせよと言われている感じがする。
どちらにせよ、私の手は、一つしかない。 程度が良い車だというなら、手のかからない商品を与えてくれなければ、他の仕事が遅れるだけだ。 それをお客さんにどう説明すればと私に言ってくるのは筋違いも甚だしい。
直のお客様はみんな黙っていてくれている。
遅いと文句言うのは、直でない仕事と、横入りなのに追加を言ってくる仕事だけだ。
当方も、自己防衛のために、直接客以外は、今後受け取らないし、技術相談も受けない方向で考えている。
工場も変わったのだから、隠居仕事に体制を切り替えて、同じ境遇のものとだけ手をつないでいく方向へ進もうと思う。
大切にしてくれた人にだけ、お答えする方向で、仕事をしていきます。