アルファロメオのエンジンの焼き付きは、ほとんどオイル不足によるもので、エアーを吸い込み油圧不足になったエンジンは、ポンプから遠い4番子メタル、4番メインメタルの順で焼けるのが一番多い。
また、古い、ろ紙交換式のオイルフィルターは、内部の押さえ板の紛失から、中のろ紙が遊んでいて、フィルタの役目をせずに、ゴミが回ってメタルを削って摩耗しているものが、かなりの確率であるのも事実で、それは、OHの時に、ジャーナル側が、筋状に削られていることで、そのことが判る。メタルが削られて、クリアランス過大となり、油圧低下したものもある。最近アフターマーケットで手に入る、スピンオンフィルターアダプターは、そのろ紙フィルタの欠点を解消してくれる優れものである。
そのほか、2000エンジンと、アルフェッタでは、クランクめくら栓が飛ぶというトラブルが当時多発して、油圧低下と、クランクケース内での必要以上のオイルまき散らしからの、オイル消費過大、アイドリング時の油圧低下での警告灯点灯というのも多く有った。
メタル焼き付きは、油量不足からであり、それは105系の場合油圧ランプがあるので、判ったドライバーなら、ブレーキング時とか、コーナーリング時に、ランプが点灯した時点で、気が付いて、ペースを落とすことによりトラブルを回避し、すぐにOIL補充することにより、問題となることはない。
ただ、ドライバーすべてが、あのランプの瞬間点灯に気が付く人間ばかりでないことも事実である。また、すでに、OILフィルター等のトラブルで、メタルクリアランスの大きくなったエンジンや、メクラ栓のトラブルで、油圧が保てなくて、高速走行後のアイドリングで、油圧ランプが付いたり、メーターが上がらない車は、一刻も早くプロの診断を仰ぐべきだ。
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わたしが、ロメオの16Jに乗っていたころ、阪神高速の急コーナーで何度もOILランプが点灯してから補充して事なきを得ていた車両が、わけあってGTV6の下取り車として伊藤忠オートに下取りされて、東京の中古車販売へと。
後日、大阪の人が東京にまでわざわざ行って、元私の車を中古車として手に入れ、自走で帰阪する途中、静岡で、オイル切れによる、メタル焼き付きで、エンコし、大阪からトラックでとりに行くことになった。伊藤忠の工場の車置き場で、元わが車と対面した私は、東京でせめてOIL満タンにしておけば、大阪までの距離は走りきれたろうにと、心の中で思っていた。売るほうも買うほうも、まるで素人だった悲劇である。
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私のOILに関しての考えは、昔から変わらず、必要最小限の油量で、必要最小限の油圧で、必要最低限の柔らかい粘土のOILが良い。
油圧ランプが点灯し始めた時点で、あわててOIL補充するのは、軽四に乗るようになった今も同じである。オイルは、必要最小限の時に、一番エンジンは軽く回るし、パワー感もある(というよりパワーロスが一番少ない)
だから、軽四のような、比出力の高い高性能エンジンで、相対的にエンジンの負担の大きなものでは、特にその違いがよくわかる。(ただし、実験したり真似しないでください。ほんの少し間違うとメタルを焼きますから)
OIL銘柄も、特に気にもしていない。今の時代、よほどの粗悪オイルでない限り、どこのオイルが良いというほどのことはない。
事実私は、現在載っている足車の軽4(走行距離十数万の、ハイゼットと、ムーブの4気筒ターボ)には、少し前のランチアデルタ用のOLIO FIATをいれたり、40年前の日産のエレファントオイルを入れたり、東名自動車の鈴木誠一さんの84番サニーでおなじみの、当時のレーシングオイル、テクニカRを入れて、何の問題もなしに走っている。こんなに距離の走った中古車で、しかも片方はターボ付きの軽四と言いうOILに過酷な条件でも全く問題なし。
今どきのOILは、それほど銘柄にこだわる必要もないし、販売業者が言うほど、性能差がないというのも事実である。
(必要以上にオイルにこだわるショップは、エンジンメンテに自信の無い証とも思える。)
私の組んだアルファロメオのエンジンは、基本的に、ペンズOILの、10-40を仮に指定しているが、バルボリンでも、何でも昔から有名なOIL会社のものなら、特に問題はない。アルファロメオ本社が、10-40を指定しているメタルクリアランスと純正材質のメタルで、なんでフリクションロスの塊の20-50を使用したがるショップやオーナーが多いのか私には、まったく理解できない。(エンジンの本来の要求粘度より高粘度のオイルを使う、これって、油温上昇の原因なんですよ)
まして、直打式のタペットには、昔ながらのペンシルバニアのミネラルオイルが必要だなど、たわけたことは、私は言わない。直打式タペットは、何もアルファロメオだけのものではないし、多くのツインカムエンジンは、直打式だし、OHVのタペットのほとんどは、直打式タペットである。
昔からドイツの大衆車のSOHCも結構直打式が多いし、OILとの境界摩擦において厳しいのは、むしろロッカーアーム式の、滑り構造のタペットのほうである。
その昔、排ガス対策が始まったころ、シェルのクリーンエクセルの時代、直打のロメオより、ロッカーアーム式のBMWのほうがよほど、カムとロッカーの損傷が多かったではないか。それも極端に掘れ込むほどの摩耗が見られたのが事実ではないか。そんな過去の事実も知らない素人メカが、壱ブランドのオイルを薦めるのは、ウサン臭いものだ。
今の時代に、ペンシルバニアオイルの20ー50でないとダメというメカほど、信用のできないものはいない。確かに、いい加減なクリアランス管理のエンジンでも、粘度の固いオイルなら少しでも、機械的騒音は抑えられるのは事実だが、きっちりとマニュアルのクリアランス内で組まれたエンジンなら、少しでも粘土が薄くて潤滑性能の良いOILを推奨するのが最新の技術である。そのためのオイルの進化、エンジン部品の材質の新化なのだ。
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必要以上に固いオイルを推奨するショップで、エンジンOHして、パワーがないとか、油温が上がるとかでお困りの方もいると聞いています。
せめて、アルファロメオ純正の10-40のOILの使えるエンジン、ノーマルどうりの、メーカーマニュアルどうりのエンジンが組める腕のあるショップでのメンテをお勧めします。
最近は、わかったマニアの方は、シンセオイルが使用できるようにと、シールをシンセ対応品で組み上げたというブログ記事も目にします。
一人でも多くのわかったマニアが増えるということは、嬉しい限りです。
あ、最近手に入る、アルファロメオのエンジンライン「O/H G/Kキット)には、バイトン製などの、シンセオイル対応のシールが入っている事が多いですよ。エンジンラインは、新しいものを買うほうが良いと思いますよ。ガスケットならやっぱりあのスーパースペシャル(クーパーリング)でおなじみのラインツ製がいいと思います。ごく普通にチャンと組めば、ガスケットリングがビローンと伸びるような事もないですし。
はずかしながら20-50のオイル使ってます。
今度10-40にしてみようと思います。
いっぱい漏れなければいいのですが
105系は鉱物系のオイルしか使用できないのでしょうか。
(メーカー指定値どうりの寸法で、組まれたエンジンで、メタルの状態が良い場合は、もちろんメーカー指定粘度の10-40で、何ら問題はありませんが、使用過程車で、過去の履歴、メタルの状態が判らない場合は、必ずしも10-40のほうが良いとは言えません。たとえばメタルがヘタッテいる場合など。)
化学合成系のOILでも、シールを犯さなければ、大丈夫です。きっちりしたOILメーカーなら、シンセオイルを使って大丈夫かどうか教えてくれるはずです。(最近は知りませんが、以前のペンズはそうでした)
OIL漏れは、OILの粘度に左右されるものではありません。シールとの相性と、シールの状態次第です。
主治医とご相談ください。
まだまだ勉強して永く維持したいと思いますので、またこういった面白い話をお聞かせください。
OILは、日進月歩、進化しております。
メーカーの指定も、確実に自分たちの安全を確保した上で、以前よりも柔らかいものでも大丈夫。古い規格の硬いOILより、新しい規格の柔らかいOILのほうが、油膜も強くて、流動性が良く、潤滑性能も良いのでパワーロスも無く、当然油温上昇も抑えられると言う、そのことをメーカーレベルとで確認できたからこその指定粘度変更なんです。メーカーは、絶対的に信頼性を重要視しますので、同じ仕様のエンジンのままOIL粘度指定が変わったということは、新しいOILのほうが、次元の違うほど良い品だと言うことなんです。クレームや、保障に関して、敏感なメーカーのお墨付きのOILグレードが、そこらの小さなショップの勧めるモノより、信頼性が高いのは当然です。
弱小メーカーや、小さなケミカル屋さんが、いくら誇大広告しても、メーカーのお墨付きには、とてもじゃないけどかないません。
ごく薄膜の流体潤滑のみ存在するとまで、言われた時代もあったのですが、時代はナノレベルが常識となり、過去の常識は通用しない時代となりました。
しかしながら、依然として、焼き付きという問題は常に存在し、内燃機関のピストンを、熱伝導性の低い材質を使うと異常燃焼するというような、熱の放熱性と、熱損失とのしのぎあいの場合のように、潤滑油も、もし、それなくして潤滑できるのなら、より損失の少ない、熱効率の良いエンジンができるでしょうけれど、時代は、化石燃料を燃やす時代は、限りなく終末期に近づいているようで、ハイブリッドエンジンよりも、燃料電池のイオン交換の効率化等の方が、より未来に貢献するように思います。最新技術と、旧来のアナログ技術、必要に応じて、住み分ける時代になるのかと思います。