昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

トンボ

2013-06-26 11:50:28 | その他

先日、工場のシャッターを開けて、数歩入ったところで、何やら入口の横の窓のところで動くものがいるのに気が付いた。

最初、動きから、蝶々かなと思ったが、華奢なトンボだった。

飛び方が、トンボのように、シャープなものではなく、チョウトンボのようにゆらゆらと。

チョウトンボにしては華奢すぎる。

締められた窓のところで、かんたんに捕まえることができた。

捕まえて羽根をそろえて摘むと、観念したのか、それとも精神的ショックで気絶したのか、動かなくなった。
この手のトンボを捕まえるのは初めてなので、写真を撮って図鑑で調べてみた。

どうやら、カワトンボ科 アオハダトンボ属 ハグロトンボらしい。

本来清流に住むトンボらしい。

私の工場の前は、まだ田んぼで、いまも稲を作っており、今の時期はちょうど水を張っている時期で、カエルの合唱の時期でもある。(こんな場所でいまだに田んぼ??とよくいわれる)

子供のころは昆虫採集や、わけもなく虫たちを殺生したりしたので、大人になってからは、見つけた虫たちは必ず自然に帰してやるようにしている。

 

工場の脇の少し涼しい、風通りの良い所の草の葉に帰してやると、何とか葉をつかんでくれたが、まったく動かない。長い間工場の窓のところにいたから、もう弱ってダメなのかなと。

しばらくは、指で押しても動かなかったが。どうやら、ショックで動けなかったのではなく、死んだふりをしていたようだ。

いきなり飛び出して、少し距離を置いて、また葉につかまったが、2メーターくらいまで近づくと逃げる。


元気な写真を、アップで撮ろうと思ったが、間合いを詰めることはできなかった。
3~4回近づいては逃げてを繰り返し、どこかに飛んで行った。

 

私が、今の場所で、工場を始めたころ、35年くらい前、摂津市は、市になって間もないころであり、有名な会社と言えば、ダイキン、カネカ、ダイヘン、そして今はお向かいさんの、梅丹くらいで、一般的には、茨木市のとなりの淀川沿いの田んぼ地帯(確か三島郡と言ったと思う)で、淀川の支流が何本か流れており、その堤防や、田んぼの畔には、春になると、つくしが芽吹き、黄色い菜の花に埋め尽くされるところだった。
都会の近郊の里山そのもので、私の子供のころの、大阪の郊外の姿と、同じ景色が広がっていた。

自然豊かで、当然虫も多かった。子供のころでも、里山とかに行かなければ見ることのできなかったオニヤンマが、工場の天井の明り取りのところで、外に出ようとコツコツと当たったり、夜には工場の明かりに誘われて、田んぼから、何匹ものカエルが入ってきたり、そんなところだった。

自然が無くなるのは早く、田んぼしかなかった工場の周りは、準工地なのに、マンションが建ち、やがて、民家が立ち、環境が悪化していった。 とくに、中央環状線の道路に、モノレールが走り出してからは、一気に住宅化が進んだ。
おかげで、コンビニが出来て、食事する事ができるようになったのは、ありがたいが、私の好きな環境ではなくなったのは確かである。

 

子供のころもそうだったのだが、山沿いのところや、近郊の自然豊かな丘陵地が開発されると、行き場を失った、昆虫たちが、住宅地に現れるようになる。

住宅地に現れた虫たちを見て、、人は、自然が帰ってきたとかいうが、それは違う。
どこかで自然が壊された結果なのだ。

帰る家が無くなったものが、都会をさまようように。

 

金もうけにしか興味のない強欲な人間が滅びて、自然な地球に戻るまで、そう長い時間はかからないだろう。グローバル、グローバルというような、田舎を食い物にする経済、一部の金持ちにコントロールされたマネーゲーム。このような人間社会が、続くわけがない。自然が許すわけがない。

自分の足元の地球をこわし、他の惑星から、レアメタルを持ち込むとか、他の惑星に住むとか、宇宙産業とか、いかにも最新技術のようで、実は自分がエイリアンで、自分の住む地球を壊す最悪のバカが、人間だと悟ることもできない我々知恵という名のバカに犯された人類。

やがてその人類が滅びるまで、虫たちよ、待っていて欲しい。

 

車という、化石燃料を使う道具に魅せられた愚かな私だが、そう先が長いわけでもない。
化石燃料の世が終わり、いまのバカげた先進産業が終焉を迎えた時に、この世は醜い争いがおこるだろう。そして人類の滅亡。やっと地球は自然を取り戻すのだ。

知恵が自然を滅ぼす。(有ってはならないことが現実なのだ。)

自然はやがて、おごり高ぶった人類を滅ぼす。それが自然だと思う。


ゾウさん ゾウさん 走れば早いのよ

2013-06-20 13:06:58 | LANCIA その他車種

いざ、テスト走行へ。

気分は、S ムナーリ

サファリでは、早着が過ぎて、失格

S.ムナーリの繰るランチアが、サファリラリーで、オフィシャルが、チェックポイント開設する以前にその場所を走り去ってしまって、あまりに早すぎるからと止めたのを無視して走り去ったとして失格という、前代未聞、あまりのスーパー快走ぶりに、あのままだったらどうせリアイヤしたとか、いや、ぶっちぎりでの優勝だったとか、当時はいろいろ言われたものだ。

それほど、S.ムナーリと、ランチアの取り合わせは早く、カッコよかった。

 

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ランチア フルビアHF この2ドアクーペは、過去に、1.3と、1.6と、少しだけ触らせてもらったことがある。

1.3は、エンジンがピーキーで、1.6は、うんと大きなオーバーフェンダー仕様だったので、ハンドルと格闘する羽目に。
どちらも試運転には、すごく気を使った。

今回の車は、1.6で、ホイールも極端に張り出していないので、ごく普通に乗ることができる。

この独特のV4 マギーブイヨンは、キレの鋭い、よく回るエンジンだ。

 

今回の指令は、エンジンと、ブレーキと、ヘッドライトの3点の修理だ。

まずは、ジャダーが出るというブレーキの状態の確認と、Dr.Hが、畑中葉子の歌を歌いだすという、私にはわけのわからないエンジンの状態確認の試運転から始める。(この試運転が役得なんですよね。自分では買うことのできない貴重な車に、乗ることができます。過去には、本番のMMに出場予定だった、アルファロメオ2300MMという、Hコレクション所蔵だったビンテージカーも、オーナーの自宅から万博公園周りまで走らせたこともあります。)

いつもの、北大阪トラックターミナル、試運転コースで、いろんなパターンでの、加速減速コースティングと、エンジンのチェック。 畑中葉子というよりも、Dr.Hが好きな豊丸姉さんだった。(どんな状態だって?加速して、少し気を抜いたようにコースティングに移ると、誰かが後ろから前から、バッコンバッコン。
ブレーキは、リヤの片側ロックと、片方のパッドの当たりが悪いようなジャダーが出た。
状態は確認できたので、すぐに工場に戻っての、心当たりの個所の点検だ。

エンジンの息つきは、キャブのジェットもしくは、点火時期の不適合の感じなので、ジェット点検から入った。

スロージェットを外してびっくりくりくりくりっくり。
メイン系のジェットブロックを外してまたまたびっくりくりくりクリックり。

 
なんと、1600のエンジンに、スロージェット#60
エマルジョンチューブが、DCOEキャブに、F7

なんと特殊なセッティング。いや雪隠愚。

あまりに不思議なので、ちょっと、PC開いて、フルビア ウェーバー等で、検索。

あった、あった。 (本当はノーマルの、キャブセッティングが知りたかったのだが。)
ジェットセッティングで、素人が苦労している記事が。
サラーっと流してみていると、途中から、出てきましたよF7エマルジョン。
DCO50の標準とか????????????
わりと最近まで、DCO50の新品は持っていたが、そんな間違ったエマルジョンだったっけ???

このフルビアのサイトも、Dr.Hと同じ人種で、「後ろから前からどうぞ」と書いてある。

 

何が間違い??  キャブのメイン通路の入り口の位置と、エマルジョンの胴の上側の角の位置の組み合わせ。

今回装着されていたキャブは、45DCOE9の旧タイプで、DCOE系共通のメイン系統の通路位置で、キャブ本体上面から、22mmのところに、メイン通路の穴の下側が来る。図の赤い線の位置だ。
この位置以上に、油面が来ると、メイン通路からガソリンが噴き出す。
当然ながら、静止時の基準油面は、この位置より下で、ウェーバーのマニュアルでは、29㎜となる。すなわちメイン通路の下側からさらに7mm下に標準での油面がある
エマルジョンチューブが装着されると、エマルジョンの胴の太い所と、キャブ本体の壁との隙間で、毛管現象で油面が少し上がる。(図の右側F16 F11のほうが青い部分が、基準油面よりも上に上がってる)
静止時に、毛管現象でも、絶対にメイン通路まで届かないように、エマルジョウンの胴の太い所の上端は、取り付け状態で、キャブ本体上面から24mmの位置になっている。(F11,F16、F9,F2,F15等、DCOE用エマルジョンの場合。)

メイン通路の穴の下端が22㎜だから、まだ2mm届かない位置に、エマルジョンの胴の角が来る。

この位置から、エンジンがかかった場合、そしてスロットルが開いていって、インナーベンチュリに負圧が生じるエアーの流量になると、メイン通路を通して、チャンバー内の気圧も下がり、エマルジョンチューブの入っているところの油面が高潮状態になる。せりあがった油面は、メイン通路から、インナーベンチュリーの中心に引っ張られて、インナーベンチュリーの中心から霧吹きの状態でガソリンが噴出する構造だ。

今回装着されていたエマルジョンF7の場合は??肩の高さが,装着状態で、上から29㎜という低い位置だ。
この29㎜という位置は、静止時の標準油面高さと同じで、そこより上はエマルジョンが細くなっているので、ほとんど毛管現象がおきない。したがって、メイン穴の位置まで、7mmもの高さを、高潮状態になるまで、気圧がさがらないと、燃料が噴出しないのだ。そして、上部にブリード穴のない状態は、メインからの燃料噴出が、ある時点でいきなり噴出する。子供がストローでぶくぶく遊びしていて、いきなりテーブルにジュースをこぼすように。
F7の場合、エマルジョンサイドのブリード穴は、肩の部分の下側と、ほんの少し上にあるだけなので、メイン通路から燃料が出るほど、チャンバー気圧がさがった状態では、もはや最初からほとんどすべての穴が、メインエアーで計量されたエアーブリードとなり、補正がほとんど入らない。

何のためにエマルジョンチューブがあり、何のために、PLタワーなのだ。(意味わかりませんか??)

エマルジョンチューブの意味、命は、胴の膨らんだ部分の太さと、開けられたブリード穴の位置と数なのだ。胴の太い部分のすぐ上にずらりと並んであけられた穴が、エマルジョンチャンバー内への、基本的なエアーの流れで、その上の部分の穴は負圧補正用、そして、胴の部分に開けられた穴がブリード穴だ。この胴の太い所にある穴で穴で順番にブリードしなければ、ブリード補正ができないのだ。エマルジョンチャンバー内の負圧がまだ少ない時、インナーベンチュリーからの燃料噴出がまだ少ない時は、この下部のブリード穴は、エマルジョンチューブ内に、燃料がが入る穴となり、回転が上がり、メイン通路のほうに流れる混合器の量が増えるに従い、エマルジョンチューブ内の油面がさがり、胴の穴の上部から順番にエアーブリードが始まる。最終的にはすべての穴から、エマルジョンチャンバー外側に向かってエアーが噴出し、メインジェットと、エアージェットで計量された混合比にの燃料が供給される。
散らした穴からのエアー流入は、ジェットブロックの入る穴の中の圧力を徐々に調整し、必要に応じてのブリード穴からのエアー供給で、エンジンの要求する燃料噴出量にコントロールするためのものなのだ。

回転数ごとの要求に応じたエアーブリード補正の特性が欲しくて、ウェーバーでジェットセッティングするのに、この形のエマルジョンでは、DCOEキャブの正しいセッティングはできない。ゼロ四とか、特殊な回転域だけを使って、ブリード穴の位置での特製変化を使うようなセッティングをしないのなら、ガキのぶくぶくストローでも問題ないのだろうけど。

 

基本的に、エマルジョンの太い部分の上端位置は、キャブのメイン通路の位置の少し下になるものをセットするのが基本となる。いや、そう設計されているものなのだ。もちろん、基準油面も、同様である。

要するにキャブのタイプによって、エマルジョンの基本形状が違うのだ。
一部のイレギュラーで使う使い方をアマチュアが真似してはいけない。

異常に低い油面セッティング
   
なんと裏返して、8.5㎜の状態だ。
F7エマルジョンという、45DCOEキャブに使うエマルジョンとは違うものを無理に使っていたから、本来の基準油面では、かぶってしまうから、異常に低い油面にセットして、そうなるとスローの吸いが悪いから、16エンジンとしては異常に大きな#60というスロージェットで、ごまかしていた。結果、コースティングの時に、エンジンが吸い込みすぎてむせて、過呼吸というか、バッコンバッコン後ろから前からになっていた。

もちろんこれでも、アクセルをONかOFFしか使わない走りなら特に問題はないのだろうが、普通の人間が普通に使うには、ハーフ、コースティングでもきれいに回る仕様でなければ困るであろう。

  
本来のフロートレベルとの違い。

 

WEBERと言えばアルファロメオ

その昔の極東のWEBER MANUALや、近年売られていた、雑誌のキャブマニュアルよりも、アルファロメオのワークスマニュアルには、よほど詳しく載っています。
油面位置と、調整方法、車載での測定方法

  
フロート位置は、カバーを立てて測るんですよ。
裏返したらダメですよ。


私の嫌いなもの つづき

2013-06-13 22:01:55 | ALFAROMEO

前回の続きで、私の嫌いなもの。

 

進角特性が???の代替フルトラデスビ

純正の、ボッシュもしくは、マレリーのポイント式のデスビで、レスポンスの良かったエンジンが、ポン替えのフルトラデスビーに変えたとたんに、スロットルレスポンスがマイルドに。

ずいぶん以前の話。
伊藤忠オートの末期。イタリアのアウトデルタから取り寄せた、新品の2リッターグループ2エンジン。この本物のアウトデルタチューンエンジンには、その特性に合わせた、マレリーのフルトラが、同梱されていた。
見た目は当時のアフターマーケットの品と同じだが、型番が違った。当然、進角特性も、チューニングエンジンにマッチしたものとなっていた。
このフルトラASSYは、当時私がチューニングしたエンジンにもよくマッチしていたが、普通に手に入る、マレリーデュープレックスというフルトラでは、進角の立ち上がりが遅くて、レスポンスが悪く、すぐに、ボッシュのデスビに戻したものだ。
当時のボッシュのデスビには、ポイントを取り外して、そこに、ホール素子やら、オプチカルトリガーを仕込む、フルトラ改のキットが、何種類も出回っていた。
フルトラキットのメーカーにより、一長一短が有ったが、進角特性に関しては、オリジナルのポイントデスビのものと同じままなので、メンテナンスフリーと、アイドル時の点火時期バラつきがないことからのスムースさが加わった、非常に具合の良いものだった。望めば、ボッシュのデスビは、簡単に進角チューニングが出来るのも、私にとっては具合の良いものだった。
永井、ウルトラさん、コネクターの熱対策だけして、もう一度、フルトラキットを再販してくれませんか~~ (もちろん、ボッシュ、ソレンセン、ピラニア、ルーメニションでもいいのだけど)

あのボッシュ偽者では、調子が出ないんです。
何が原因か、それは無意味な加速リタードするからだ。(進角特性というか、遅延回路が入っているのか、演算性能がアホで、加速に計算が追いつかないのか、)

なぜ、アメリカ等で売っているデスビは、そんなに進角が遅いのか??
答えは簡単、US仕様のアルファーは、日本の48対策の36特性のデスビより、比較にならないほど、進角が遅いデスビーが標準だったから、36デスビくらいの進角だけでも、大幅なレスポンスアップだったからである。次元が幼稚園なのだ。(もちろん排ガスの問題で)

せっかく新たにエンジンOHしても、あのデスビでは、本来のアルファーロメオにはならない。
まあ、あの醜い、国産発電機と、軽四の他車種専用クーラーコンプレッサーを、性能が良いからとかいって、無様を平気で売りつける神経の持ち主なら、問題とはならないのだろうが。

 

いかにも国産軽四 オルタネーター かっこ悪いでしょ。

古い車のイージー維持は、電気系統の信頼性アップから。
そんなことは、言われなくても判っています 。

でも、直流ダイナモの付いてた車には、出来れば、元のものをリビルトして、旧750SZなどでは、絶対ですよね。

そんな希少車ではないといっても、出来れば出来るだけオリジナルと関係あるものでないと、話が飛んでしまいます。

ジュリアー系に、デンソーですか??

アウトデルタに、あこがれて、名前をもじったり、カルロキティ博士に憧れ、名前をもじったりと、60年代アルファロメオにあこがれているなら、デンソーは無いでしょ。イギリスのアルファホリックでも、あるようですが。

アウトデルタの当時のカタログ見てみると、不細工なデンソーは無いですね。
ダイナモは直流スタイルのものが、最近は出てきているし、オルタネーターは、75のものまでが、同じボッシュで、ポン替えで、壊れてもダイオード交換か、ICレギュレーター交換、外付けレギュレーターなら、70年代そのままの格好で、内部がTR化された、少し小型のものが、違和感無く格安で使えるのに。ボッシュの75に使われていたものは、ICで65Aが標準で、その後、75Aモデルが出て、最終的に164初期の85Aモデルが流用合体も出来て、信頼性も高いのに。  なぜ、スタイルが不細工なデンソー製などに、無理やり変えるのでしょう??


あのアウトデルタ、GTAMでも、ボッシュの大型のオルタネーターが、カッコ良く付いていますよ。

 


アウトデルタレプリカホイールを使うなら、室内のバケットシートはローバック。

 

その昔、六甲モンテミリアに出た時、鈴鹿のイタリアンレストラン開店記念のサーキットラン5月の連休3日走り放題のときに、オーナーとともにSZ,TZを繰りオーナー以上に自由に、エンジンを歌わせていたときも、ダイナモは、直流ダイナモのまま、シートはノーマルの、バケットともいえないような、SZ,TZのオリジンなるのままのシートだった。私は、TZの、そのオリジナルシートの座面を外し、シートのパイプフレームに付けられたゴムの帯の上に直接座りヘッドクリアランスを確保して、サーキットを走りまわっていたし、助っ人のドライバーも、そのシートのままで、私よりさらにタイムを刻んでいた。 クラッシックカー遊びとはそういうものなんです。出来るだけ現代のものは持ち込まない。外来種との混血化は、特に気を配りたいものです。(というかアルファロメオのほうが外来種なのだけれど。)

もともと本物のコンレロチューンだったSZでは、フロントが(なんとその当時から)3ポットディスクになっていたのだが、リヤーアルフィンドラムでは、鈴鹿の1コーナーの侵入で苦労し、シフトダウンでのエンジンブレーキを最大限に利用しながら、東コース最終コーナーでは、LSDなしのためリヤタイヤCR48を激しく空転させながらもオーナーの繰るTZの真後ろにくらい付いたまま走り回ったあのころ、誰一人として、国産ディスクブレーキでの強化とか、ハイバックバケットを付けようとするもはいなかった。なぜか?本物のクラシックカーオーナーたる者そんな、はしたないことをするのは恥だから。
晴れの舞台だし、タイヤさえも、わざわざCR48や、CR65をチョイスして、見た目に気を配ったものだ。(もちろん私は、メカニック兼ドライバーで、オーナーではないし、一銭のお金も出していない。出すのは、メンテナンスする手と、口だけだった。
しかし当時の、クラッシックカー趣味のオーナーは、ほぼすべての人が、私の気持ち以上に、オリジナルの心を大切にしていたものだ

そう、あの日、同じSZオーナーのある雑誌の方が、フルスロットルし放題の調子の良いSZ,TZを見て、オーナーに話しかけられて、「エンジンは2台ともこの人が作ったんですよと話した途端」、足元で、TZのディスクブレーキを磨いていた私をコイツかという目で見下したのを覚えている。以前に何度か、奈良のSさんと一緒に会ったことがあるにもかかわらず、あの日の目は、明らかに調子の良いSZ/TZに対するOOの目としか感じられなかった) 

クラッシックカーを使ってのサーキット走行は、その時代を楽しむためのもので、明らかに現代のものを、これ見よがしにつけてまで、タイムのコンマ1秒を削るものではないと思う。 私も20代のころは、本チャンのJAF戦のラリーや、ダートトライアルに出ていたが、そのときは、コンマ1秒を削るために、違反ぎりぎりのチューンまでしていたし、ダートラでは、無制限改造のDクラスで走っていた。その20代のころのライバルドライバーが、TOPクラスの有名ドライバーになり、やがて何人かが、クラッシックカーオーナーとなっていた。彼らはやはり、その時代を大切にしていた。時代錯誤の肩当の有るハイバックシートや、FCベンチブレーキは嫌っていた。同じ4ポットブレーキがほしいなら、当時にあった、ATEか南京豆を使うべきだと。(意味のわかる人だけが当時を知る人です)

 

そうそう、この前、工場に入っていた、33ワゴン

これもデンソーではなくサンデンコンプレッサーです。

この水平対抗エンジンにサンデン505をつけるのは、伊藤忠最終の頃に入ってきたSUD1.5に、クーラーをつけた、所沢自動車がそのオリジナルです。
その後アルファロメオ本社も、まったく同じコンプレッサーと、そっくりの取り付け方法で、コンデンサーだけ、ホイールハウス前方に移して、33のクーラー仕様としてきたものです。だからサンデンコンプレッサーが、アルファロメオの王道なのです。

 

33ワゴンと入れ替えで、やってきたのがこれ。 アッカエッフェ

ぞうーさん、ゾーさん。 当然、ローバックシートのままだった。
なんとかっこいい、すばらしいコンディション。 
72モンテカルロステッカーに、ハルダツインマスター(縦長0)。 
当時を復元したいというのが、本当に車の好きな人のクラッシックカー趣味だと思います。

 

ショップが恥ずかしいものを売りつけるようでは困ります。むしろチン問屋は止めてねと導くのがプロショップかと。
過去に、いちオーナー時代はオリジナルが最高といっていたように。

 

 


クーラーステー改造。  その他

2013-06-09 23:45:19 | クーラー

1960~70年代のアルファロメオは、伊藤忠オートでクーラーがオプションで用意されていた。

アルファロメオ純正オプションも、メーカー装着ものが何台かな輸入されたが、主流は、伊藤忠オートが用意した、国産品(日立と共同開発)だった。

アルファロメオ純正品と、伊藤忠オートの用意したオプションとの一番大きな違いは、コンプレッサーで、アルファロメオ純正の旧式のヨークのタテ型ピストンコンプレッサーに対し、日立のものは、斜板ロータリータイプのもので、振動が少なく、よく冷えるクーラーだった。
初期のものは、マウントブラケットが、リジッドだったので、クラックがよく入った。同じリジッドマウントながら、105の2000時代は、ブラケットの板厚がアップされ、クラックは大幅に減った。

その後、116アルフェッタが登場し、105と併売のころになると、コンプレッサーマウントブラケットは、ラバーブッシュで、フローティングマウントされるようになり、振動対策としては、完成の域に達した。

このラバーマウントブラケットの日立製クーラーは、よく冷えるというので、実に評判は良かったのだが、少々、ずうたいが大きかった。

その後、排ガス対策された116系の時代に、クーラーは、アルファロメオ純正がメーカー装着されて輸入されたのであるが、日立製のものと比べると、数年以上、時代遅れの代物だった。(まあ、ヨーロッパでは、まだ結構な高級車がクーラーがオプションだった時代だ)

評判の悪かった、ヨーク製のコンプレッサーの代替えとして、サンデンのロータリーコンプレッサーを使うというのが、この改造の始まりだったのだが、同じ手法で、あの大きな日立コンプレッサーの代わりに、サンデンコンプレッサーを使って軽量快適なクーラー仕様にするというのが、当方の工場のやり方だった。

毎回手作りで、改造するので、そのたびに、少しずつそのステーが異なるのではあるが、使うコンプレッサーは、アルファロメオが75以降に純正採用しているサンデン製であり、陳腐な軽四用を流用した、とってつけたような、ものとは異なる。

 

今回のクーラーブラケット改造

 
ダイナモと、ステーのクリアランス
ベルトと、ダイナモのクリアランス  

 

 
ボディとのクリアランスも十分

 

私の整備、改造の手法の基本は、出来るだけ、元のアルファロメオと関連のあるメーカーの品を使い、いかにも、正常進化として、アルファロメオ本社も、そうしたであろうと言えるような改良をすることを心掛けている
これらは、私がまだ若いころに、レーシングメカだけでなく、クラッシックカーメカニックにも憧れて、その心を大切にしたからであり、本物のクラッシックカーや、ビンテージカーを扱った人間ならわかるのだが、出来るだけオリジナルの形状を維持して、リビルトするのが腕となる。
今の新しいものを、性能が良いからと、何でもかんでも平気で取り付けるような節操のない、人間には、クラッシックカーを扱う事はできない。(そういう、見た目ちんどん屋仕事は、フェイクカーの次元だ。)

オリジナルが一番と言って、新車と同じ次元でレストアしたという高価な車と売る一方で、最新の軽四用のパーツをかき集めて取り付けたアルファロメオのような車を、並行して取り扱うような器用なまねは私にはできない。(私には、そこまで、もうけにだけ忠実になるような人間性にはなれない。まちがっても、クソミソ一緒、そこらの何の脈絡もない軽四のダイナモや、クーラーコンプレッサーを使っての改装という、支離滅裂、節操のない下品な仕事はしないことを信条としている。特に、目に見えるようなところには、気を使っている)

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私の嫌いな、アーシング

今回の車両、私の知らないうちに、どこかでアーシングケーブルがつけられていた。

私はこのような節操のない、後付けの汚らしいケーブルが大嫌いだ。
なぜなら、アルファロメオの場合、バッテリーケーブルは、もともとかなり太いものが用いられているうえに、ボディと、エンジン系、そしてキャブと、それぞれ隠れた場所にすでにメーカーでアーシングケーブルが仕込まれているからである
(こういう汚らしいものは、これ見よがしに見える位置に付けるのではなくケツの穴と一緒にパンツの中に隠しておけ)

 

 
そして極めつけはこの仕事。
なんと、キャブのアーシングは、バタフライシャフトに付けられている。
もちろんバタフライシャフトは動くから、ナットはキツク締められてはいないのだが。
純正のキャブアースは、ちゃんとキャブの下側とマニホールド間に取り付けられていた。

こんなアースが必要というメカニックがいることが問題だ。

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私の嫌いな、レーシングバケットシート

 
イタリア製。スパルコだが、こういう形状は、GTV6ならいざ知らず、105系に付けると、私、常識知らずですと言っているようなものだ

時代考証を間違えたパーツ選択で恥ずかしいのが、レーシングバケットシート。

アルファロメオの中でも、特に105系に、この手の肩当ての付いたハイバックバケットを装着した、ちんどん屋カーを、イベントでよく見る。

これはオーナーの時代考証に関しての無知の表れ、自分の車に対する愛情の軽薄さの象徴である。
60年代、70年代クラッシックとして、自分の青春時代の憧れとして、現在オーナーとなっているのなら、その時代の雰囲気を大切にするのが大切で、何よりもそのオーナの頭脳の程度を表していることになる。

時代錯誤のハイバックは、化けた狸が、しっぽを付けたままだというのと同じで、無知ですよと言っているのと同じである。

ハイバックは、70年代中期以降が、一般的であり、日本におけるTOSCOバケット(TA22セリカ用)が、国産では最初のメーカーオプションだろう。それまでは、70年のサファリ優勝510のダットサンバケットに象徴される、ローバックバケットが常識だったのだから。


ローバックバケット(こちらはコブラローバック)

ロメオオーナで、アウトデルタという言葉を聞いたことのあるオーナーなら、肩当てバケットを105系に装着するのがいかにはしたないことかわかるはずだ。

アルピーヌA110、ポルシェ911、フォードエスコート、BMW,等々、60年代から、70年代前半のレーシングシーンでは、ローバックバケットが、常識中の常識で、75年以降でないとハイバックは恥ずかしいのだ。

 

ケツで飯食って口からくそ出すヤツがいないように。

くそ喰って、ケツから飯出すヤツがいないように。

この世界には最低限の常識があるのだ。

 

ダークスーツ着用が常識のパーティに、ふんどし姿で参加するようなはしたないことしている貴方。
いますぐ、時代に合った常識ある姿に換えてほしいものです。

ピカピカの2000ベローチェが、由緒正しいGTAが泣いていますよ。

軽薄ご主人様では。