昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

乾電池の危険性

2013-05-31 13:32:31 | その他

普段、何も考えないで、手軽に使っている乾電池。

近年のものは、容量を大きくするためか、メーカーが利益重視で耐久性無視なのか、私の若いころより、とにかく液漏れが多くなっている感じがする。

そんなこんなで、液漏れのない乾電池ということで、ここ10年くらい前からは、充電式の乾電池を主に使っている私である。

しかし、今回思わぬトラブルが。

 

2枚目3枚値の写真で、プラス側の上の部分がまだブツブツと湧いているのが判るでしょ。

この有名な、充電式乾電池。(私的には お好みだったのだが。)
以前から、マグライトに入れると、出てこなくなるくらい太いので有名だが、今回、机の上で、勝手に自己発熱し始めたのに気が付いて、、、、、、、、。

 

仕事場の机で、ノートパソコンでブログを書いていると、何やら、「ブツブツと」音がする。「シューという音」も。

パソコンの右横で聞こえる謎の音???

事務机の上には、趣味の自転車のパーツと、デジカメ&コードレスマウス用の充電乾電池が、何本か。


OH中のカンパのリヤハブに触ると、ヤケに熱い。

そばには、ビニールのラッピングが縮んだ充電乾電池が。

マウスを動かしたときに、自転車パーツのハブが転がったのか、充電池が転がったのか。

とにかく、ハブの横で、充電池がブツブツと文句を言っていた。

 

この充電池、今回よく見ると、お尻のマイナス接点が、ほかの乾電池よりほんのわずかだが飛び出ている。(でべそはプラスだけだと思っていた。マイナス側は、少し凹んでいると、勝手に思っていた。)

その上、めくれたビニールのラッピングを見ると、プラス側の脇まで、マイナス接点兼用の金属の外筒が。

カンパのハブと、電池を並べてみると、ハブのフランジ幅と乾電池の幅がぴったりと。
どちらかが転がってくれば、ハブのフランジの間に、乾電池が挟まる可能性がある。
そうなれば、乾電池をショートさせたことになる。

果たしてそうだったのか??
その可能性があるのなら、マイナス側を少し凹ますなど、メーカーには配慮が必要なはずだ。
またこの簡易ラッピングの外筒から、もし、このビニールが少しめくれていたとしたら、たまたまその部分とプラスのでべそが同時に、金属部分に触れたとしたら、もちろんショートする。

容量を大きくしたいが故に、安全性の配慮を欠いた設計をしたのではないだろうか?

フランジ部分には、ショートした痕のようなところが。
噴出した酸化物で、アルミが侵されている。

どういう経緯で、ショートしたのかは、わからないが、とにかく、このハブかなり熱くなっていて、長く持っていられないほどだったし、電池は、触ることができないほど、熱くて、ブツブツ言いながら、中から酸化物を噴出していた。

何処で何が起こるかわからない。
電池はケースに収めて保管しなければと。

 

そのまえに、量産メーカーは、こんなことが自然に起こらないような設計をしなければならないのだが人間性の無くなった、利益の奴隷となったメーカーに勤めているような下品な技術者たちには、そんな配慮はないのだろう。

アメリカあたりで、何億円にもなる損害賠償でも起これば、少しは考え直すのかも。

 

そんなこんなを考えていると、思い出したのが、40年くらい前の話。
学生時代だったか、もう働き出していたころか、正確には思い出せないが、お気に入りだった、懐中電灯が、いきなり大きな音とともに、コンセントで発火しかかった。(充電中だった。)


当時、このメーカーの自慢の、充電式の携帯用懐中電灯。
買ってから、ずいぶん日にちが立ってからのことではあるが、(この品には、使用期限の表示などなかった。)台風の備えか何かで、充電しておこうと、コンセントに入れて、何分かした時のことだった。
大きなバチバチという音と、光がと煙が。すぐにコンセントから抜いたが、この携帯懐中電灯は、素手では持っていられないほど熱くなっていた。
もし、私が、コンセントに入れて、部屋を離れていたら、自宅は全焼していたことだろう。
あの時のことを思い出してしまった。

それがこの懐中電灯。(親戚に、中国に売り払われてしまった会社の製品だ。ただし、この部門だけは、手元に残していたマネしたさん)

発火記念に、いまだにコレクションしてあった。
(というより、手軽で、すっきりした、このデザインが好きだったので、ずっと置いてあったのだ)

 

真横から見ると、当時のアメリカンモータースのランブラー アンバーサダーとか、プリンス縦目グロリアのサイドビューに似てませんか??


バルブ脱落

2013-05-29 23:20:51 | エンジン

バルブが折損、脱落して、ピストンに穴がいて、ヘッドも完全にガタガタになった。

 

これは、高速走行中でも、サーキットでもない。朝一番、家を出て、200メーターくらいのところ、広い道に出る前の道幅4メーターそこそこの生活道路でのことだ。

最初急にタペット音が高くなったような感じで、何かなと思ったが、プロペラシャフトのカップリングかなとも思い、一度4000RPM位まで空ぶかしした瞬間だった。大きな「カタカタカタ」という音がして、エンジンがバラつきだした。
私の家の近所は、小学校の通学路でもあり、一方通行なので、ぐるっと回ってこないと家には帰れない。せめて、対面通行できる少し広い道でないと、車を止めるわけにもいかず、片肺的にばらつくエンジンをだまして、もう200メーターほど走ったところ、急にエンジンパワーが、まったく無くなった。なんとか、対抗できる道路までたどり着いていたので、そこで車を止めて、私の工場のお隣さんのクルマ屋さんに、レスキューをお願いし、ローダーで、工場に持って行った。

すぐに、プラグを外して点検始めると、4番シリンダーのプラグが外れない。それだけで、バルブトラブルだとの確信を得た。
バルブの傘が落ちて、燃焼室内で踊り、プラグ部分にも、ぶち当たり、ネジを変形させてしまったのだろう。
これは、伊藤忠オート時代に、アルファSUDで、何台も経験した、バルブ落ち、燃焼室傷だらけ、ピストントップ穴明きと、同じ症状だった。

とりあえず、シリンダーヘッドを下してみたら、案の定、EXバルブが、落ちてピストントップに埋もれこんでいた。

SUBの場合のオーバーレブによる、サージングからくる、ピストンとバルブの干渉による、バルブ脱落と違い、ランチアなどでも見られるソジュウーム封入バルブに時々起る、バルブ落ちだ。
ソジュームバルブは、中空構造故、製造過程で何かの不具合があり、肉厚が均等でないものがあったりし、それが熱により、温度が上昇した時だけバルブの首まがりが起こったり(ユリゲラー現象と私が名付けていたのだが)、バルブ落ちがあったりと、あるいち時期、EXバルブのトラブルは結構あったものだ。ロメオのクランクシャフトの、めくら栓が緩むというのも、あるいち時期製造のものが多かったし、部品の品質という点では、やはりイタリア製そのものだった。(先日書いた、コンロッド折損の件でもそうだし、イタリア車のデーラーでは、一般に公表していない本来クレームものの故障がけっこうある。)
だから、私は、ソジュウムバルブが、絶対的にいいとは思っていない。実際、ソジュウム封入しても、どれほどその放熱効果が、貢献しているのか、ノーマルアスピレーションのエンジンでは、ほとんど無意味だ。まして、サーキットでも、国産のSOHCのエンジンに負けているようなパワー位では。むしろ、バルブトラブルの原因となっているという弊害のほうが大きいのではないだろうか?

 


リプロパーツ  エンジンマウント

2013-05-29 11:49:34 | ALFAROMEO

このメーカーの名前を見るたび、「OOOOなら、毛糸洗いに自信が持てま~す。」と、歌ってしまう私。


その昔、外品ブレーキホースのメーカーとして、よく聞いた名前だが。(純正より、むしろ耐久性はよかった)

 

しかし、今回のエンジンマウントのネジをよく見ると。


右マウントのネジは、浮いている。 (何で,こんな状態で出荷が出来るねん。どんなアホ労働者つことる国やネン)


左マウントのネジは、なんと、対角が13㎜ではなく、1/2インチ。


ナットが締まりきっていない、右マウントは、スタッドボルトが、極細目1mmピッチに対し、細目ピッチ1.25mmのナットをねじ込もうとして、途中で止まって浮いていた。
こちらは純正で使っている、本来の1mmピッチの薄いナットと、厚手のディッシュドワッシャーに換えて締め付けた。

左マウントは、締りが緩かったが、ねじピッチは、1mmだったので、そのまま締め付けたが、ノギスで対角を測ると、1/2インチ、12.7mmしかなかった。(不思議なサイズのナットだ)

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今回交換したのは、20年近く前に、私がO/Hしたストリートハイパフォーマンスチューンエンジンのものだ。


私が、OHした時以来、エンジンマウントは交換した記憶がない。
さすがに経年変化で、トコトン、ヘタッていた。


このGS、だいぶ前から手放すという話は有ったのだが、なかなか値段が合わず、今回やっとめでたくご縁があり、次のオーナーのもとへ嫁ぐことが決まったばかりだ。

私がOHしてからは、当方では、ほとんどメンテナンスすることもなく、ちょこちょこと、オーナーがドア内貼り換えたり、マフラー換えたりと、そのたびに部品を買ったところの関係先で、軽くメンテしたり、とにかく大きな、トラブルは全くなかったこの車。
まあ、年数は20年近くたっているが、走行距離が、何万㌔も走っているわけではないので、ノートラブルであるのは当然なのだが。
一度、真面目に、しっかりと手を入れたロメオは、本当にトラブルがないという見本だ。

今回久しぶりに、エンジンをブリッピングして、やっぱり本気で手を入れたエンジンは気持ちがいい。
デスビを見ると、やはり、ボッシュのケタリングのままだった。
(あの出来の悪い、アホたれ進角のOOOデスビが出てくるずっと以前のチューニングだったのが幸いで、本来の瞬間的レスポンスが体感できる。)
ポイントのメンテナンスフリーと引き換えに、アカンタレエンジンにするよりはこのまま、数千キロに一度のポイントメンテナンスするほうがよほど良いと私は思う。(それほどあのOOOフルトラデスビの、進角は、私の作ったエンジンの加速についてこれないアカンタレなのだ。)

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Dr.Hの指示で、クーラーマウントキットを用意していたのだが、何かちょっとエンジンが低いなと。。
仮にクーラーベルトを張る位置とかの確認をしていると、なんと、ベルトが通らないほど、スタビライザーと、クランクプーリーが近い。明らかにマウントがヘタッテいる。クーラーステーキットをきっちり作るには、正しい位置にエンジンがなくては困るので、ドクターに連絡して、マウントを交換することになったのだ。

 
新品と中古を 並べると、ヘタリ具合が良くわかるだろう。

 
左マウントには、これもごく良くある、クラックが。

 

今回のマウント交換も、リプロパーツがあるだけましで、こんな古い車のパーツが、あることだけでも感謝しなければならないのは重々承知だが、今の技術の進んだ時代に、このリプロパーツのクウォリティの低さというか、これは製品の制作技術ではなく、ブラケット部分とマウント部を組み付ける人間の労働力の質の低さというか、組立工の人間としての知能の低さが、こういう間違ったねじをぶち込んだり、ネジを締めていなかったり、(よそのブログでも、キャブマウントのすたっどが締めこまれていなかったと嘆いている記事があった)
とにかく、リプロを用意してくれることには感謝するが、その作る工程に投入する人間の知的能力をほんの少しだけあげてもらえないものだろうか?
そりゃ、田舎の貧困層の無知なものに作業させれば、奴隷のように、安い労働力が手に入るが、結果としてその程度クウォリティの製品となるのは明白だ。

こういうクウォリティ低いパーツを使わねばならない現在、ますます、チェンジニアメカニックを擁する押し売りショップと、まともなメカニックとの仕事の差が際立つこととなる。


116系メンテナンスの共通問題点

2013-05-23 01:05:32 | 116系

ここのところ、116系トランスアクスル車の駆動系に問題のある車両が多かったが、共通しての問題点は、116系独特の構造を理解していないメカニックにより、いじり壊されていたということだ。

 

116系のトランスアクスル車の整備が、他の車と大きく違う点は、トランスアクスゆえの独特の駆動系だ。「特にプロペラシャフト」。
116系の、エンジンと等速で回る、ゴムのカップリングでジョイントされたプロペラシャフト。
エンジンの回転部分のダイナミックバランスが狂うことは少ないが、このプロペラシャフトは、カップリングという、ゴムジョイントが定期交換の消耗部品である。これがエンジンのクランクシャフト等と同じレベルのダイナミックバランスを要求されるのだ。もちろんリヤークラッチユニットも。普通に定期交換のメンテナンスでダイナミックバランスに気を使わねばならない車なんて、ほかにはあまり見当たらない。
いまどきの、FFばかり触っているメカニックには、プロペラシャフトにお目にかかることが少ないし、エンジンと等速で回るプロペラシャフトなんて、触ったことも無いメカニックにとっては異次元のものだ。(カップリング取付ネジの長さの不揃いや、ナットの形の不揃いが、とんでもない振動を引き起こすということさえ知らない。たった一つ重さが違うだけで、ゴトゴトと振動するのだ)
この構造の根本的違いの重要性が判らないメカニックが、116トランスアクスル車両をメンテすると、壊しておいて知らん顔ということになる。(自分が壊したことに気が付くことさえできないのだ)

 

前回、今回と問題になった、プロペラシャフトその他回転部分が原因のバイブレーション。これは、回転部分のパーツのダイナミックバランスを取ることにより解消する。
ダイナミックバランスは、グラムセンチ(g-cm)という単位で表すのだが、その昔のノーマルエンジンが、たしか3.5g-cm以内と聞いたことがある。これがチューニングオプションパーツとなると2.5g-cmになるとのことだった。
現在では、ダイナミックバランサーの機械の精度も上がっているので、1g-cm以内、目標0.5g-cm以内ということを書いているチューナーのブログも見たことがある。

ダイナミックバランスというものの、その単位を見れば解かるが、グラム-センチメートル。そうどこかで聞いたことがあるだろう。キログラムメートルとか。ネジの締め付けるときのトルクと同じ表示方法なのだ。

「半径 X 重さ」で表す単位で、それが1グラムとかの次元なのだ。
半径1センチのところで、1グラムなら、 1g-cm
半径2センチのところで、1グラムなら、 2g-cm

1グラムというと1円玉の重さであり、今回赤い11646のクラッチユニットのフライホイール外周部の鉄部分に開けた穴の数から、数グラムはあろう。 そしてそれが、あの外径の部分でのことなので、その半径をかけると、おのずから、どれほどのアンバランス量が有ったか判るというものだ。
カップリングジョイント取り付けネジも重要だ。今回、ナットが新品に換えられたりしていたが、それ以前に、その長さにバラつきがあった。長さのバラつき=重さのバラつき。半径数センチのところの、鉄のボルトの、1mmの長さの違いでも、回転した場合のアンバランス量は、どれほどのグラムセンチになるか考える頭は無かったのだろうか??たとえ、そのわずかの長さの違いが、1グラムであっても、数グラムセンチのアンバランス量なのだ。

エンジンでは、爆発圧力の振動もあり、コンロッドの大小端部の各ロッドのばらつきもあるので、クランクのダイナミックバランスのみで、振動は語れないが、この116系の車のように、エンジンと等速で回る、フレキシブルシャフトでマウントされたプロペラシャフト、および、同じくエンジンと等速で回る、リヤークラッチユニットなどは、単に回転バランスのみの良し悪しが、大変重要な問題となる。
プロペラシャフトは細いところでも、直径5センチくらいはあるものだ。半径で言って2.5センチ。そこに1グラムの重りが必要なら、2.5g-cmのアンバランス量なのだ。
したがって、あのプロペラシャフトについている、薄い小さな鉄板の、1~2グラムの重さが、いかに大きな振動を抑える役目をしているのか知るべきだ。 鉄で出来た、プロペラシャフトを、プレスで、修正すれば、どれほどダイナミックバランスが狂うか、考えなかったのだろうか?
もし、今回、プロペラシャフトを壊されていなかったら、長さが等しいボルトで、正しくカップリングとセンタマウントを組みなおしただけで、クラッチユニットにアンバランスがあることは、即座に判断できたことなのだが。
 

昨年の夏から続けて、4台の116のGT系のメンテナンスをして、よくわかったことは、よそのメカニックにいじられていない車のバランスの良さそう、あの2千キロくらいしか走行していないという、新古車状態のガンメタのGTV-6の回転バランスが、抜きん出て良いことである。(特別にわざわざダイナミックバランスを取ったわけでもないメーカーからのラインオフ状態のものなのに)

伊藤忠オート時代から、大沢時代になっても、ディーラー系のメカニックの間で、116系のプロペラシャフトをメンテナンスすると、以前より振動が多くなったという話は、あまり聞いたことが無い。
 唯一あるのは、V6エンジンのクラッチユニット、純正のアルファロメオの箱のもの意外を使った時に、バランスが悪くなったということぐらいだ。(同じザッハスでも、アルファロメオメーカー経由の純正品とサードパーティとして外品ルートで安売りされているものとの精度の違いは驚くほどある。)
確かに外品供給のザッハスのパーツのバランスは、純正より数段劣るが、それでも今回のように、私が「これでは、絶対にお客様に納められない」と思ったほどのひどいものは、初めてだった。プロペラシャフトを、変にいじる以前に、このクラッチユニットを組み付けたのなら、そのメカニックは、エンジンをかけたとたんに、クラッチユニットのバランスの異変に気が付いていなければならない。(私が言う普通のメカニックなら気が付くレベルだ)
しかしこの、アンバランスクラッチユニットを私の前に組み込んだメカニックを恨んでも仕方が無い。彼は、ガタガタのベアリングで組んでいたほどの、振動に無知なメカニックだったのだから。 まして、その後はプロペラシャフトのセンターピローなしでエンジンかける、??メカニックなのだから。(前に書いたように、1グラムセンチが重要な部分に、ピローなしで組んで、センターが1センチ狂えばどうなるか。素人でもわかることなのに。
プロペラシャフトは、一歩間違えば人身事故、死亡事故になるほどの部分であるということもわからないメカニックがいるというのも怖い話だ。(わずか1グラムほどのことから)

 

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フィアットになる以前の本物のアルファロメオの特徴は、いたるところに極細目のネジピッチを好んで使っている。

当然、締め付けトルクや、取り扱い方法は、一般の車用の細目ネジとは違う。
車用に使われるネジは、基本的に、細目ネジで、一般の並ネジとはもはや違うものなのだ。

国産でも、ボディ系に使われるネジと、エンジン、駆動系に使われるネジは強度が違う。
国産車で、ネジの頭に、④とか、⑧とか⑫とか書かれているのを目にしたことがある人もいると思う。
これは材質の違い、熱処理の違いで、引っ張り強度の値を、ネジの頭に書いてあるのだ。
アルファロメオも同じで、5.6とか、8.8とか、10.6とか12.0とか書いてある。

国産車では、極細目のネジは、一部の車種のコンロッドとかにしか使われていないのだが、アルファロメオの場合は、いたるところに、この極細目ネジが使われている。当然、ゴミとかの混入によるカジリには弱いし、ピッチが細かい分、締め付けトルクも、細目ネジとは2割くらいはゆうに違う。

普通の車に使われているネジサイズのつもりでネジを締めると、それだけで壊してしまうのは、この極細目ネジが使われているからだ。

ネジを締め付ける前に、ネジピッチの確認もしないヤカラメカニックは、ネジについているゴミをふき取る繊細な気持ちも無い。

きれいに清掃もしていないネジで、極細目なのに、細目ネジのトルクで締め付けると、それだけでネジ山は倒れて、カジッテしまう。
そんなこともわからないアホがメカニックには多いのだ。(私もアホの仲間だからアホのことはよくわかる)
たとえばF1のレースでの、タイヤ交換の際、たまにあるホイール脱落や、ナットがインパクトレンチから外れないというトラブルがあるが、F1のようなレベルのナットの各部の公差は、きわめて精密に作られているがゆえに、ほんのわずかな、ゴミの混入で、ネジがカジッテしまうことになる。精密なものほど、こういうトラブルの発生率は高くなる。
ロメオのネジの公差は、大したレベルではないが、普通の車用の細目ねじから見ると、ロメオがよく使う極細目ねじは、普通の扱いをするとカジッテ壊すことになる。

ボルト、ナットの組み合わせの場合はまだ救われる。
難儀なのは、太い本体の外側に、極細目のオスネジが切られている場合だ。(小径のメスネジなら、ヘリサートで簡単に修正できるんだが)

このネジをカジッテつぶすと、本体アッセンブリーを交換しなければいけないことが多い。
もちろん、潰れたネジ部に、メッキとかメタリコンとか溶着肉盛りとかし、あらためてネジを切れば修理は出来る。
しかしそれが、プロペラシャフトなどの場合、ながさが1mを超えるサイズのものの中間部に、肉盛して、ネジきりをしなければならない上に、全体の芯出し、ダイナミックバランスなどが必要で非常に高額な修理となる。(もし新品が手に入るのなら、高価な新品のほうがまだ安いということになる)

 

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私がまだ30代のころ、初期の本物の証の750エンジンのコンレレロチューンのSZや、TZなど、万が一壊すとどうしようもないヒストリックカーのメンテナンス及び、エンジンチューンをさせてもらったことがある。少しではあるが戦前のグランプリブガッティとか、6C2300MMとか、博物館でしか見られないような車のメンテナンスも。
それらの車は、絶対に壊してはならないものなので、当方としては本当に気を使ってのメンテナンスをしたものだが、その仕事を与えてもらえた喜びのほうがはるかに大きかった。
その当時ヒストリックカーは、今のように若いオーナーのものではなく、特にビンテージカーと呼ばれる車の整備には人一倍気を使ったものだ。

ただし、50年代以降のアルファロメオのエンジンメンテナンスに対する心構えは、SZ,TZも同じアルファロメオの750、101、105系の車の一車種として、特別扱いは無かった。
もちろんGTAも同じである。GTAは、1600,1300Jともに、20代だったディーラー時代に、すでにレストアさせてもらっている。(あのGTA純正のヘレボーレと外品ヘレボーレとの違い、GTAヘレボーレ用の組み立て式ハンドルボス、ホーンボタンの細かい構造を、かの有名なドライブショップのOOさん〈車の世界では大先輩の方なのだが〉に教えたのも私だ)
私にとってのアルファロメオは、750ジュリエッタから、105系を経て、116系最終の75まで、おなじDNAのオールアルミエンジンを積んだひとつのグループであり、同じ扱いだ。


アルファロメオがアルファロメオであるが故の、メカニズムのため、それがわからないメカニック、思考力の無いチェンジニアによって、壊されるようになってきたのは近年のことである。
それは、アルファロメオのヒストリックカーが、SZや、TZという一部の車種だけでなく、ジュリア系のベーシックのTIまでもが手軽なヒストリックカーとして若いオーナーにもてはやされるようになってからのことだ。

バブル崩壊後に、乱立した、アルファロメオ取扱店。
古いアルファロメオを並行輸入するところも多くなったが、75以前の車をまともにメンテナンスできるメカニックは、大沢商会時代のメカニックまでといっても差し支えないくらいだ。(もっとも、ここまでが本当のアルファロメオで、その後はフィアットのバッジを換えたアルファだから、仕方ないのだが)


輸入車の看板がかかっていても、ドイツ車と、イタリア車は、まったくそのメンテナンスが違う。
その昔は、ドイツ車を扱う工場は、イタリア車との違いを知っていたから、イタ車には手を出さなかったものである。(ある意味軽蔑していた?)
今はどうだろう。アルファロメオがアルファロメオで無くなり、フィアットにアルファロメオのバッジをつけたものが、アルファーロメオだと思われている。
整備も、アルファロメオではなく、フィアットとして整備したほうが、しっくり来る。
そう、75までのアルファロメオと、今のアルファロメオとは別なのだ。

そのことが判っていないメカニックが、古いアルファロメオを壊しているのだ。
彼らも、本物のビンテージカーをメンテするくらいの気心があるなら、片っ端から壊すような整備はすることも無いのだろうが。


私が、はじめてGTAや、TZ,SZを託された時代と、今のジュリア系や、116系の車両価格や、パーツ代は、、物価と対比すると、あの当時とは次元が違うから、メカニックの腕もそれ相応なのだろう。恥ずかしい話だ。

 

 壊しておいて、工賃を請求されたなんて、話も良く聞く話だ。

 

古い車のオーナーになる前に、その車をメンテナンス出来る、信頼のおけるメンテナンスショップを見つけることのほうが大事だということだ。(メカニックとしての腕もないし、車のことも良く知らないけど、金の亡者であるというショップは多いですよ。)


 


11646やっと作業終了

2013-05-20 20:28:30 | 11646

土曜日の深夜に、ゴミ箱号のゴミをおろして、荷室に、ミノウラのフロントホークマウントアタッチメントを装着。(ゴミ箱号は、ロードレーサー車載用に、床にナットと角度調整の穴の加工がしてある)

チューブラータイヤに空気入れて、マイロードを積み込んで、予備のチューブラーをもう一本ボトルゲージに入れてビンダのストラップでしばって。

ことしは、重い1眼レフはやめて、ブログ用に使ってる豚カメラだけでと。。。

 

日曜日の朝、まだ天気はいいが、昼くらいから悪くなるという話。

今年も、2本のクリテリウムの後に、堺の大仙公園の周り 1周のタイムトライアル。プロローグランから、本題のツアーオブジャパンが始まる。

昨年見ていて驚いたのが、本チャン選手のタイムトライアルの時って、自転車のことなどかまっていない手荒さ。
立ちこぎで、加速かけながらのシフトアップ。
ディスクホイールでなくても、シフトアップのたびに、カン、カンと、金属をたたく音が響き渡る。それもかなりの大きさの音で。
フリーのラチェットのつめが割れたら、そのまま勢い余ってもんどりうって落車するのではと、心配するくらい激しい乗り方だ。

今年は、午後から雨模様
ウェット路面の走り方は、どんなのだろうとは気になったが。

結局、雨に濡れるのが嫌で、ロードレース見物は、ヤンピ。

去年も、その前も、役員とかにも知り合いがいなかったし、それも行かなかった理由のひとつ。

少し前までは、昔の仲間が役員に来ていたし、工場のお向かいさんのメイタンさんが、チームスポンサーで出てきたりしていたのだが。ちょっと寂しい。

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結局お昼過ぎ、2時くらいになって、工場に出かけた。
11646の排気系のその他もろもろの仕事をしに。

以前ブログに書いたが、エキマニの下側のスタッドボルトが、1本ホゲテいたので、エキマニを外してヘリサートをいれてスタッドを立て直しとともに、当たり面が、ぼろぼろになってガス漏れしているので、面出し作業だ。

 
外した左エキマニ  スタッドボルトが抜けてしまっているのと、ご覧のとうりの排ガス漏れ


完全に、さびで、食われてしまっている。
とりあえずヘリサートタップを立てて。



ダイヤモンドやすりで少しずつ、当たり面を修正


面出し出来たら、新たにスタッドつけて。(少し長いのしかなかった)


こうしてみると、エンジンのリヤマウントの位置、プロペラシャフトの位置から、エンジンが頭を振って搭載されているのがわかるでしょ。
ラバーカップリングで、この角度を逃がしているんですよ。
ポルシェのトランスアクスルとの、考え方の違いが。
こういうことが解かってから、メンテナンスしないと、修理ではなく、壊しになるんですよ。


ヒートシールドを取り付けて。
この状態でも、排気管が、完全対象ではないのが解かるでしょ。


 

普通こういうところって、左右対称が当たり前。

エンジンはまっすぐ付いているのが当たり前。

 

当たり前が常識と思っている人は、イタリア車は触らないでくださいね。

今回のプロペラシャフト曲がり修正のような壊し方をしてしまいますから。

 

 


今回ボツになったプロペラシャフト
  
2枚目の写真に、一連ナンバーが。
3枚目の写真になにやらシールが。

このプロペラシャフト。本来のノーマルではない。

只者ではない証の一連ナンバーとシール。

 
フロントペラシャフト、前側のバランスウエイトと、
普通なら付いていない、後ろ側にもウエイトが。しかもなにやら書いてある。  

 
後ろのペラは、ノーマルと同じく、前後2箇所にウエイトが。  
このボツになったプロペラシャフトは、フロントペラを見て解かるように、どこかのショップが、前後別にダイナミックバランスをあらためて取っていたのであろう。
その証が、一連ナンバーと、シールだ。
せっかく完全バランスを取っていたはずの高価なプロペラシャフトを、曲がり修正という名目で、本来の芯を曲げてしまって。。。。。。。
もったいない話だ。(この車の構造を知らぬものの強みか?)

 

 
車に積んであった、外したフロントカップリング。
まだ十分に使える品物だが、このカップリングの時点で、センターのピローボールのグリス飛散防止のシールは付いてなかった痕がある。

 

 
どこかのブログでは、フロントと紹介されていた、本当はリヤカップリング。
センターのピローのグリスが、さびで茶色に。
本来はプロペラシャフト側についているものが、抜け落ちている。
このまま、センター抜けて回すから、ペラが暴れて、センターが、ガタガタに。
もちろんシールが入っていた形跡も無い。

 

  
リヤカップリングを後ろ側からよく見ると、クラックが。
本来は、クラッチユニットの3本ヨークと止まるところ、センターで位置決めされて、ボルト部分までいったいのはずのものが、一箇所根元で、ひび割れが。 ここは、変な方向には力がかからないし、取り付け相手の3本ヨークと、センター位置も、3本止めの位置も、同じピッチで互いに固定だから、ネジで締め付けられていたら割れるはずが無い。
ヨークとボルトで止めるときに、センターを先にきっちり嵌めずに、ボルトで斜めに締め上げて無理につけようとして壊したな。

 

最初っから、当方に来てくれていたらと、残念でならない。
116系のトランスアクスルをよく知っている、旧伊藤忠系のメカニックや、旧大沢系のメカニックなら、絶対に失敗しない実に簡単な、というより失敗のしようが無い、ごく普通のメンテナンスの部分なのに。

いったん無茶苦茶にされてしまうと、どこまでが正しくて、どこまでが壊されているのか、判断するのが非常に困難なのだ。
エンジンから、プロペラシャフト、トランスアクスルまで、すべてOHを任せてくれたほうがよほど楽に、一度の分解、組み上げで、完全な仕事ができる。

今回は、ペラ修理だけではなく、最初から付いていたミッションマウント組み付け間違いや、クラッチユニットまでが、バランス取れていなかったので、何度もバラシテは組み直し、挙句の果てに違うユニットまで仮に組み付けての、不良個所の確認をするなど、余計に時間がかかってしまった。

まだ、クラッチディスクとシャフトのガタとか、ミッション内部のガタ等、気に入らない点はあるが、初期の目的の回転バランスの修理は完了である。

 

 


作業が終わり、これから試運転に行くGTV6

 自宅までの、高速道路の長距離試運転の結果、トランスアクスルは、要オーバーホールだ。
アウトプットシャフトシムが飛んでいるのであろう。アクセルのオンオフで、デフピニオンが前後に動き、デフの唸り音が、アクセルONの時も、OFFのときも聞こえる。
アイドリングのときの、ギヤーのチャタリングはかなりひどく、クラッチを踏まずに、シフトレバーを少し動かして、シンクロスリーブを押すと、音は止まるから、ガタガタの状態である。

今回のように、回転部のアンバランスがプロペラシャフトだけでなく、クラッチまでダイナミックバランスが狂っている状態なら、最初っから、トランスアクスルまでOHさせてくれていたらと悔やまれる。

いつも言うことだが、過去の素性のわからない車の場合、私が嫌な予感を感じたところは、必ず何かトラブルが起こる。今回もやはり、ペラだけの問題ではなく、振動の点だけでもクラッチOHなしには解決しなかったし、トランスアクスルも、近いうちにOHしないと、内部でギヤーがせってしまって、大きなトラブルとなるだろう。

エンジンはレスポンスも良く、パワーもあるが、加速時の音の感触から、メタル系トラブルの前兆があるような気もする。エンジンオイル漏れもあることだし、エンジンもそのうち要OH。

足回りは、フロントの車高も高く、アライメントが完全でないのだろう。11646にしてはセンタリングが甘い。リヤはなぜか、自棄に固いコイルが付いている。その分、ノーマルのようなアンダーは感じないが。

まだまだ、メンテするところはいっぱいある状態だ。