先日、赤いGTV6を京都のDr,Hのショップに納車に行って、その足で、またまたGTV6を受け取って、クーラーを付ける筈だったのだけれど、中古パーツを手に入れる時間との間に、以前に納めた、エンジンの調整をしてほしいと言われ、1750を受け取って、キャブセッティング確認、123イグニッション再検証、IGタイミング調整をし、一応の納得の線が出たので、1750を納車し、本来の予定のガンMGTV6を受け取り、クーラー取付まっしぐらのはずだったのだが。。。。またまた たまたま
できるだけ純正パーツで組み上げた。
液体パッキンも、赤や黒のシリコン系の見た目の悪いものではなく、純正と同じタイプで。
1750のミッションからの音が気に入らないというDr,H
私は、エンジンOHし、エンジン単体で納めたので、ミッションのことは責任はないのだが、エンジンセッティングの時の試運転でも、ギヤーの入りが悪い。ヤケに固いのである。
Dr,Hの話では、最近のシンクロを組むとこうなるとのことだけど、私がこの前納めた純正シンクロスリーブと組み合わせた、GTV6は、私の感覚では、問題ないというより、純正の当時そのままのシフトフィーリングに仕上っている。
ミッションのシンクロはDr,Hから支給されたもので、たまたま、Dr,Hのショップにスリーブの在庫がなく、私の手持ちの純正スリーブを使ったもので、違いはそれだけなのだが。
75ミッションの場合、アメリカのインターナショナルオートパーツから手に入れたシンクロスリーブの場合、明らかにタッチが固く、同じシンクロリングを使いながら、シンクロスリーブが純正か、否かだけで、これほど違うのかというほど、掌で軽くシフトする昔ながらのポルシェシンクロ使いのドライバーには、その違いがよくわかる。
私の弟分のメカニックも、75V6改マニュアルを作った時に、私の勧めで、1-2速スリーブは、純正を、それ以外はインターナショナルの外品で組んだのだが、私より一回り年の若い彼は、日産の車で、ポルシェシンクロを、いやというほど味わったその掌で、純正と、外品のスリーブとの違いがよくわかるといって、今度組むなら、すべて純正でないとダメだなと言っていた。
これも、75あたりから、ロメオに乗り始めたオーナーは、ローの減速シンクロの付いたミッションで、静止からのギヤセレクトに、一反他のシンクロにあてるという儀式が不要となり、それに伴い、ポルシェシンクロの操作方法を守らずに、シフトレバーを固く握りしめてカツンとシフトセレクトする、いわゆるワーナータイプのシフトをする人が多くなり、あの、ルマンのトップクラスドライバーのするような丁寧なシフト、ポルシェシフトをする人が少なくなった。ポルシェシンクロは、クイックシフト用のシンクロではないということを知らない人が多いのだ。
フォーミュラーカーのドグミッションのクイックシフトを知っているレーシングドライバーが、ルマンのレースの時や、ラリーレイドでは、ポルシェシンクロのクルマで、ポルシェシフトをする。
プロは、その車のメカニズムを知り、そのメカニズムを生かした操作をするものだ。
まあ、素人のオーナーが、自分の車のメカニズムの特徴を知らず、それを生かせないドライビングしかできなくて、車の寿命が短くなっても、無知が悪いのであって、自業自得というものだ。
ただ、考える頭のあるオーナーや、より深く、クルマライフを楽しみたいというオーナーには、本来の新車当時の味というものを、少しでも知ってもらいたいと思っている。
私の組んだ、GTV6のミッションと、すべて外品で組んだという、1750のトランスミッションのシフトフィールの違いの差に、Dr,Hも、その違いを認めざるを得なくなり、再度1750のミッションをOHする気になり、手持ちのミッションはないかと、言い出した、
エンジン調整が終わった車の納車の折に、ミッションを1台トランクに積んで行って、Drの目の前でマグロの解体ショーならぬ、ノルドミッションの解体ショーを行った。(マグロの解体ショーと言いながら、机の上でミッションをバラす私の傍らで、Drは、まな板本番ショーとつぶやいた。)←嘘ですよ。
中身を点検し、これで、中古ミッションを置いて、次の仕事のGTV6に乗って帰ろうとすると、バラしたミッションを持って帰れという。おまけに、Drのショップにあった、バラシ済みのミッションも一緒に持って帰り、2個イチでもいいから、安く1台組み上げろとのこと。
どうやら、自分のところで、もう1台組み上げても、同じ外品のシンクロを組み込んだら、前のミッションと同じ結果になると考えたようで、私に持って帰らして、解体部品を多く持っている私に安く上げろと言えば、何とか使えそうな、純正パーツで組み上げてくると考えたのだろう。外品パーツを使っても、意地でも、純正フィーリングに仕上げてくるだろうとの目論見であることはこちらにもバレバレである。 もちろんお望みどうり、純正シフトフィールになるように、組むつもりである。
Drに、用意してもらった新品パーツは、シンクロリング3個、前後のシャフトシールと、シフトロッドのシールと、メーンシャフトロックワッシャで、シフトフォークのロックタブは、もう手に入らないとのこと。(まあ、これだけ、新品あれば、きっちり組める)
左純正、右リプロ 純正はキッチリ嵌る リプロはタブの幅が広くて入らない
削っても浮いてしまう
もう純正ロックワッシャーは手に入らないかも。
すごく古くて珍しいパーツタグもありますね。
必要だと私が判断した時には純正使います。
シンクロスリーブは、またまた純正新品を組むのか?って?
指令は、安く上げろとのことである。 超貴重な、純正スリーブの新品を出すわけにはいかない。(あと一つしか手持ちがないのだ)
今まで、何台も解体したノルドのミッション。ほとんどのパーツは捨てずに、おいてある。
今こそ、出番だ。
使えない新品いい加減精度のリプロより、使える中古部品の出番だ。
ミッションの場合、幸いなことに、シンクロリングは、使えるパーツがまだ手に入る。
シンクロスリーブは、中古の5速用の物を取り出せば、バック側の部分は、まったくの新品だ。
この新品部分をセカンドに使えば、純正新品フィーリングのセカンドとなる。
もっともシンクロに頼る、セカンドと、サードに、5速に使っていたスリーブの新品側を持ってくれば、、完全に新品フィーリングのミッションの仕上げとなる。
5速に使われていたスリーブ
R側は、新品のままだ。
同様に、1速2速によく見られる、かみ合い歯の先っちょのヘタリ、丸くなった歯は、プレスで丁寧に抜いて、5速とか4速の先の尖ったシンクロの歯と換えれば、それで新品同様に復活する。
丸くなったシンクロスリーブの歯先
先が丸くなった歯 プレスで抜いて 見事先が丸いでしょ
使えそうな歯 外せば綺麗な歯 ギヤに組み付ければ出来上がり
すり減ったバックフォーク 部品は高価なので、TiGでステンレスで肉盛り仕上げ
こうして組まれたミッションは、できの悪い、新品リプロパーツの組み合わせのミッションより、安価で新品と同じ効果が手に入るのだ。(今まで破棄されていたパーツの寄せ集めで)
頭とチOOは使いようと、口の悪い先輩メカニックはよく言っていたじゃないか。
パンツ脱がさずに、パンツの脇から手入れてオOOいじるような整備するなとも。
頭は使え、手を抜いてコスイことはするなということだ。
判断できないものが部品換えても、修理はできていないということだ。
ケースに借り組 シンクロ同士の幅を測定し、シムで規定値に調整
こういう方法であと、何台組めるかな?