先日、クルマの中に置き忘れていた携帯電話が光っていた。
知り合いのメカニックからの電話だった。
折り返し、電話をすると、アルファー75の3リッターエンジンのフライホイールの話だった。
2~3年前に、同じような話を、部品屋さんからもらったことが有ったのだが、この日本に、3リッターの75エンジンのフライホイールなど、単品で余っているわけがない。だいたい、3リッターの116カーと言えば、SZが一番台数が多くて、次に、RZ,そして、わずかに、75の3リッターモデルが、USA仕様のOROか、ヨーロッパ仕様のアメリカ、およびクワドリフォリオが、数台づつくらいではないだろうか。
ひょっとして、その、何年か前に部品屋さんからの話の車が、まだあったのかと、詳しく話を聞いてみた。
基本ボディは、75ミラノで、ミッションをマニュアル化してあり、T/SのO/Fと、サイドスカートを装着したものであるとのこと。
どうやら、その昔、当方の工場で、その当時に作り上げた、ミラノのマニュアルミッション装着車らしいことがわかった。
その車は、どういう経緯で、オーナーが替わったのかは知らないが、京都方面のショップから、エンジンチューンの話か何かから、当方の工場にあった、走行距離の短いSZのエンジンを、積み込むことになった。
間にショップが1件噛んでいるので、その場限りの仕事なので、細かい組み上げ方法とか、使ったパーツの組み合わせとかは覚えていないが、改造ものとはいえ、基本、素人メカニックしかいないショップでも、普通のメンテぐらいはできるように仕上げてある。
事実、その車は、以後一度も当方のショップには、点検にも、メンテにも、現れていない。
私が、SZエンジンを積み込んだのが、2010年の年末、とあるショップに下取りされたのが、(そのショップのブログによると)2015年の4月、その後、両引き鋸されて、新オーナーンもとへと行ったらしい。
https://blog.goo.ne.jp/campalfa/e/921c2b8aa0a6e885840286fa5185b7ad
2016 4月27日の当方のブログだ。
転売1年後には、プロペラシャフトからの振動で、まったく技術と知識の無いメカニックによって、壊されてしまったようだ。
ほぼ同時期に、今までなら、当方に相談してくるショップが、プロペラシャフトのカップリングからの振動で、どうしようもなくなり、当方が、プロペラシャフトのバランスを頼んでいる内燃機屋に、直接ペラのバランス取りを頼んだとの情報が、入ってきて、その持ち込んだプロペラシャフトが、大事なところが傷つけられており、交換以外にその内燃機屋では、手がないが、もともと当方が、ペラのバランスを持ち込んで、その手順などを話し合った工場なので、他のショップが直接持ち込んだ品を、Fさんに相談することができないんだという話が、まわりまわって聞こえてきた。そこのショップには、代わりの程度の良いペラシャフトの手持ちがないらしく、仕事がずっと止まっているとのことだった。
となると、同じショップ経由の、ミラノ改のプロペラシャフトが、ほぼ同時期にトラぶったということだ。
少なくとも、当方の工場では、ペラシャフトの振動は、バランス取りした品ものであれば、ウエイトが飛ばない限り、再バランスを取ったことはない。
よその工場で、カップリングを換えてから、振動が出始めたとの話をよく聞かされたが、点検すれば、まともなメンテがされていない、組み付け失敗からの、振動がすべてだった。
以前には、75オーナーのためにと、このブログで、ペラシャフトのメンテナンスについて詳しく書いたこともあったが、どうやら、車を売るだけのショップでは、トランスアクスルのペラシャフトは壊しても、修理ができないようなので、詳しいバランス取り等のメンテ話は削除した。それが、オーナーの損害を防ぐ唯一の手である。
今回の知り合いのメカニックからの話では、2016 4月27日の当方のブログの話の車そのものだということで、長い間、置いたままになっていたらしい。
今回詳しく話を聞いたのと、前回の部品屋さんからの話をまとめると、その車のペラシャフトは、私が最初にマニュアルミッションに換えたときのものなのか、エンジンを載せ替えたときに、確か2台分もっていた、SZ,QV専用タイプのペラシャフトをつけたのか、もう記憶にない。(クルマ見れば、私の目ならすぐわかるんですがね)
しかし、壊す前に、この手のペラシャフトのメンテナンス方法を十分に熟知していれば、壊すこともないし、この手のペラシャフトは2種類あり、SZ,QVタイプなら、スペア部品はまず手に入らない貴重品で、メンテに失敗すれば、車そのものが使用できなくなることを、この手のクルマを取り扱うショップは、肝に命じなければならない。
はっきり言うが、最初に当方のショップの持ち込んでいれば、簡単に再生できたということだ。元を知っている人間でなければ、元には戻らないのだ。
変なスケベ心で、他人のメカニックがの仕事を、見よう見まねで、真似仕事をしたり、下請け屋に、直接頼んで安く上げようとしたりすると、痛い目に合うということだ。
私が今まで簡単に、このブログや、電話で、ノウハウを明らかにしてきたのは、オーナーの質を上げるためであり、簡単に電話でノウハウを聞いてきても、自分の目が、自分の頭が、自分の手が、指先が反応しない口先メカニックでは、簡単には、技術は習得できないものだからである。
しかし、最近、決まった項目に、明らかに、アクセスが増えているので、もうこれ以上、訳の分からない、能力の無いメカニックの真似するものに、ノウハウを教えることは、アルファロメオを、金もうけしか興味の無い低技術ショップから、守るためでもある。