トトラの馬

元々はエコロジーやスローライフについて書いていましたが、とりとめなくなってきた。

環境報告書の楽しみ方

2004-12-10 19:53:45 | エコ&スロー
昨日の記事で、エコプロダクツ展に環境gooから「環境報告書情報」のブースを出展していることを書いたところ、のれんさんから

"該当している企業の担当者さんは感心高いですね。大阪の方でも。
作り慣れた会社のパンフレットとかと違って、何を作ったらいいのか解らないってのもあるでしょうし、競合他社のものよりいいものを作りたいという気持も強いみたいです。
"

というコメントを頂きました。

環境負荷や数値目標、達成率など、様々な「具体的数値」や細かい技術的な記述などが散らばる環境報告書は、なんとなくムズカシくてとっつきにくいイメージがあります。
これから初めてレポートを作成する企業にとっては、なにから手をつけていいやら分からない分野でもあるでしょうね。

でも、環境報告書の世界はいま、さまざまな新しい取り組みや工夫が行われている最もエキサイティングな時期なのじゃないかとわたしは思っているのです。データばかりで読みにくい「報告」書が、どんな変化を遂げてきているのかに注目してみると、面白いことがいっぱいあるんですよ!

そもそも、環境報告書ってなぜ作るのでしょう?
第一には、環境に対する取り組みとその成果の公開という「情報開示」の意味があるでしょう。
その目的のためには、その業種や企業独自の特性に則した詳細な取り組み内容や、具体的なデータの公開は必須です。初期の環境報告書は、この点が重視され、より正確で詳細なデータ公開を目指したものが多かったのではないでしょうか。

そしてもう一つ、近年どんどん重点が置かれるようになってきたのが、企業がどのような理想や目標を持って何に取り組んでいるのかを消費者や地域住民などにわかってもらうことで、環境を通したコミュニケーションを図っていこう、という目的です。
そのためには、正確で詳細だけれども数値を羅列して分かりにくいものより、直感的に分かりやすく読みやすいレポートが必要です。

この二つの目的をクリアするために、ぶつかる部分や難しい部分があるのは想像がつきますね。
そこで行われる各社の工夫が、いまの環境報告書の見どころだ!とオススメしたいところ。


【工夫1】 レポートを役割ごとに分ける
例えば、詳しいデータを載せた専門家向けと、分かりやすく説明や図などを使った消費者向け・・・というように、役割ごとに複数のレポートを分けて作成するところも多くなりました。また、こども向けの小冊子を作っているところもあります。
冊子は分かりやすく作り、詳細データはCD-ROMやWEB上で別配布して、必要な人だけが参照できるようにする分け方もあります。

【工夫2】 環境以外のもっといろんな事を盛り込む
企業から発信するコミュニケーションツールとしての側面に重点をおき、環境に関する報告だけではなく、人権、安全、社会活動などの情報なども盛り込んだ「CSR(企業の社会的責任)レポート」や「環境・社会報告書」というようなレポートに仕上げるところも増えてきました。

【工夫3】 信頼性を高めるために
より信頼性を高めるための工夫として、第三者の監査法人や測定機関、専門家、NPOなどに評価を依頼する方法も多く使われています。
また、環境報告書の作成を専門とする会社も出てきているようです。

【工夫4】 環境報告書からさらに進めて
消費者や地域住民といった、その企業と広い意味で利害関係を持つ多様なステークホルダーに読んでもらったり、直接意見交換を行う場を設けるミーティングなどのイベントが行われています。
わかりにくい所をより分かりやすく解説して理解してもらう機会にもなりますし、作った報告書に対する反応を直接見られる場にもなりますから、翌年以降の報告書作成にも役立ちます。


ぱっと思いつくのはこんな感じですが、他にも色々な工夫があるでしょうね。
わたしは、仕事柄もありますが、WEBを上手に活用する例に興味を持っています。

これまで、企業WEBサイト上で公開される「環境報告書」情報は、紙で配布したもののPDF版や、安直な焼き直しが多かったと思います。
でも特にこの1~2年、WEB用にきちんと構想を練って作っている企業がすごく増えてきたことには注目しています。
WEBは興味さえあれば誰でもがアクセスできるツールですから、膨大な紙データをPDF化した、クリックしたが最後・・・のような重いデータを載せておくだけではやっぱりもったいないですよね。

2005年からは省庁や政府機関などでも発行が義務付けられますから、きっと来年以降はもっと関心が高まるのではないでしょうか。

環境報告書関連のリンク
環境省:環境報告書ガイドライン
 --環境省が、環境報告書の作り方や記載項目などをまとめています

環境報告書データベース
 --日本国内で作成された環境報告書のデータベース

環境goo:環境報告書リンク集
 --各企業・団体の「環境報告書が含まれる」ページにリンクしています

環境goo:環境について調べる:「環境報告書」
 --環境用語ごとに解説やQ&Aを読むことができます

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大幅に話は (Unknown)
2004-12-13 13:38:11
逸れますが、私のかつての相方についてです。

台所の流しが詰まるとパウダー状の化学製品を排水口に振りかけて詰まったものを溶かし水が流れるようにするのをご存知だと思いますが、ついぞ彼女がそういう類のものを使ったのは、見たことがなかったです。

彼女曰く「海が汚れる。世界中の人が使っても私は使わない」

おかげで家の中はやはり臭気がしていました。どうやって管の詰まりを取っていたかというと、トイレでも最近見なくなりましが、ゴム状のお椀に棒がついたものを排水口にギュッと押し付けて空気を押し出し思い切り引っ張る、真空状態になるので排水管を詰まらせているゴミが空気の衝撃を受けて流れ落ちるというものです。バッコン、バッコンうるさいわ、臭いはするわ、でたいへんでした。でも、そういう彼女を今でも尊敬しています。

グローバルな話でなくて申し訳ない。たまたま思い出したものですから。

サイトに来ていただいて有難う。



返信する
グローバルですよ (ひろた)
2004-12-14 11:06:52
こんにちは!Unknownさんなので、どちらのサイトからいらしていただいたのかな???と想像をめぐらしています。



> 「世界中の人が使っても私は使わない」

なんて、とってもグローバルだと思いますよ。



ゴム状のお椀に棒がついたものって、正しい名前はわからないけど、いわゆる「スッポン」ですね。



合成洗剤を使わなくても、実は重曹と酢、熱湯があればきれいになるし、臭いもでないんですよ。

昔の彼女さんも、それなら臭いに悩まされなくてすむと思います。
返信する
ありがとう (帰っても旅人)
2004-12-14 16:47:06
「重曹と酢、熱湯」については伝える機会があると思います。
返信する
そうですか! (ひろた)
2004-12-14 20:47:45
帰っても旅人さんだったんですね、

じゃあ、詳しい方法を。



まず、流しに重曹を振りかけて、そこにカップ1/2くらいのお酢を流します。シュワシュワーと発泡しますから、そのまま、放置。何時間でもいいです。

で、最後になべにお湯を沸かして、それでざーっと流してしまいます。

こすらず簡単、キレイですよ。
返信する