BROblog:フロンガス規制が効果を発揮――オゾン層が回復中
を読んで、しばらく感じていた違和感について。
コメントを入れようと思ったらあまりにも長くなりすぎてしまったので、こちらに書くことにしました。
フロンガス規制が効果を発揮――オゾン層が回復中
フロンガス排出規制の効果で、破壊が進んでいたオゾン層は1997年をピークに回復傾向にある、という研究報告が、8月30日に発表された。
この研究は、米航空宇宙局(NASA)と米国海洋大気庁(NOAA)のデータに基づき、米ジョージア工科大学の研究チームが行ったもの。地球の成層圏内のオゾンの量について、気球や地上に設置された機器、NASAやNOAAの衛星などから得られた25年分の観察結果を分析した。
元記事は、このように始まります。
BROSさんと同じく、わたしもこの記事には恣意性を感じます。
元データを探し出していないので実際どうなのか良く分からないのですが、記事中では分析結果のみが示され、実測値に関する記述はありません。
わたしは、記事中の以下の部分に非常に数字のマジックを感じました。
今回の研究報告によると、北極/南極上空の成層圏内のオゾンは、1979年から1997年にかけて減少が続いていたが、1997年を境に増加傾向にあるという。
減少していたものが増加した、と書くことで、一種楽観的なムードを生み出そうとしているように感じてしまいます。
実際は、どうなんでしょうか?
記事は、このように締めくくられています。
オゾン層破壊の人体への悪影響が最初に認識され始めたのは1980年。このレベルまでオゾンの量が回復するのは、今世紀半ばごろになる見込みだという。
79年から97年までの18年間で減少したオゾン層が、約70年かけて回復すると見込んでいるわけです。
とすると、回復度合いは減少の1/3程度でしか進んでいないことになります。
わたしたちの生活によって失ったオゾン量と、わたしたちの生活を変えることによって取り戻したオゾン量は、現時点では全く釣り合いが取れていないということがわかります。
そしてもう一点、オゾン層回復の基準を「人体への悪影響が認識され始めた」1980年に置いていることは、妥当なのでしょうか?
人体に影響が出始め、それがオゾン層破壊によるものであり、さらにそれがフロンによってもたらされたものだと認識されるまでにはどのくらいの時間を要したのでしょう?
人体への悪影響が認識された年を基準にしても遅すぎることは明らかでしょう。
フロンが開発されたのは1930年。
以来、人体への悪影響が認識されるまで(それとも、モントリオール議定書の1987年まで?)使われ続けてきたフロンガスの影響は、80年を基準にした時点で考慮されていないことになります。
BROSさんご指摘の通り、“これだけ規制の効果をアナウンスしたがるのはなぜか?”と勘ぐらざるを得ない楽観的な見出しと発表に、違和感を感じています。
を読んで、しばらく感じていた違和感について。
コメントを入れようと思ったらあまりにも長くなりすぎてしまったので、こちらに書くことにしました。
フロンガス規制が効果を発揮――オゾン層が回復中
フロンガス排出規制の効果で、破壊が進んでいたオゾン層は1997年をピークに回復傾向にある、という研究報告が、8月30日に発表された。
この研究は、米航空宇宙局(NASA)と米国海洋大気庁(NOAA)のデータに基づき、米ジョージア工科大学の研究チームが行ったもの。地球の成層圏内のオゾンの量について、気球や地上に設置された機器、NASAやNOAAの衛星などから得られた25年分の観察結果を分析した。
元記事は、このように始まります。
BROSさんと同じく、わたしもこの記事には恣意性を感じます。
元データを探し出していないので実際どうなのか良く分からないのですが、記事中では分析結果のみが示され、実測値に関する記述はありません。
わたしは、記事中の以下の部分に非常に数字のマジックを感じました。
今回の研究報告によると、北極/南極上空の成層圏内のオゾンは、1979年から1997年にかけて減少が続いていたが、1997年を境に増加傾向にあるという。
減少していたものが増加した、と書くことで、一種楽観的なムードを生み出そうとしているように感じてしまいます。
実際は、どうなんでしょうか?
記事は、このように締めくくられています。
オゾン層破壊の人体への悪影響が最初に認識され始めたのは1980年。このレベルまでオゾンの量が回復するのは、今世紀半ばごろになる見込みだという。
79年から97年までの18年間で減少したオゾン層が、約70年かけて回復すると見込んでいるわけです。
とすると、回復度合いは減少の1/3程度でしか進んでいないことになります。
わたしたちの生活によって失ったオゾン量と、わたしたちの生活を変えることによって取り戻したオゾン量は、現時点では全く釣り合いが取れていないということがわかります。
そしてもう一点、オゾン層回復の基準を「人体への悪影響が認識され始めた」1980年に置いていることは、妥当なのでしょうか?
人体に影響が出始め、それがオゾン層破壊によるものであり、さらにそれがフロンによってもたらされたものだと認識されるまでにはどのくらいの時間を要したのでしょう?
人体への悪影響が認識された年を基準にしても遅すぎることは明らかでしょう。
フロンが開発されたのは1930年。
以来、人体への悪影響が認識されるまで(それとも、モントリオール議定書の1987年まで?)使われ続けてきたフロンガスの影響は、80年を基準にした時点で考慮されていないことになります。
BROSさんご指摘の通り、“これだけ規制の効果をアナウンスしたがるのはなぜか?”と勘ぐらざるを得ない楽観的な見出しと発表に、違和感を感じています。
オゾン層に関するニュースは前から気にしてチェックしていたので、米国の大学が発表する報告に何やら政治的配慮でもあるのではないかと感じておりました。昨年のシカゴ大の調査は統計的にみても調査年数が少なく、あれでオゾン層が回復傾向にあると言ってしますのはあまりにも乱暴な気がしておったのですが、それについては私が気付くぐらいですから多くの方の指摘があったのだろうと思います。今回のジョージア工科大は25年と言っていますが、データ量としては問題ないかもしれませんが細かいところまではよくわからないのが正直な感想です。
私もちょっとコメントしておこうと思ってたら随分長いものになってしまいました…(汗)Blogも相変わらず(というか前より更に)マイペースで何とか続けさせてもらってます。また今後ともよろしくお願いします。
まあ、地球温暖化然りですが、長い期間かけて変化した環境変化をどんな期間調査すればOKなのか、というのは簡単には決められないとは思いますが。
それにしても、回復傾向にあるというのは言いすぎですね。
日本の景気の発表みたいに、「ゆるやかに回復含みと言ってもいい」位ならまだ余地が感じられますけど。
一朝一夕で不安を取り除いてあげる解決法がないだけに、難しいですね。
お母様としてはご心配でしょう。
「自分の行動がすぐに解決に結びつくわけではないけれど、できることから環境対策をはじめてみよう」
と、家族でなにかに挑戦してみるのはどうでしょう?
環境省で、家族のエコ度チェックなどができるサイトを作っていますよ。
http://www.eco-family.jp/
ごみを減らしたり、エネルギーを節約したりとお家でできることにお母様も一緒になって取り組んでみて、
「今月はこれだけがんばれたね。
地球の行く末のために、少しずつやっていこうね」
などと話し合ったりして、少しずつ不安を解消してあげるといいのでは、と思います。