葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

ふるさとの燈台 川尻岬灯台

2006年02月23日 22時24分01秒 | 燈台めぐりノート
山口県人はどうだか知らないが、長州人は政治好き、だ。
力のある政治家を輩出したことも手伝ってか、山口県の道路はすこぶる良い。
それは幹線道路よりも、地方道、農道において顕著だ。
A代議士の墓がある油谷町(現 ・ 長門市油谷) の道路は、それは立派なものだ。
私の高校時代、大学時代を通じての友人F は、向津具半島川尻の生まれだが、
あの頃はまだ道路事情が悪くて、彼は高校の近くに下宿していた。 
今なら、楽に通学できただろうに。

彼が生まれ育った川尻に川尻岬があって、燈台が建っている。 
川尻岬燈台。 正式には長門川尻岬燈台という名称だ。
川尻の集落で二人の土地の人に、川尻岬燈台への道を聞いたが、教えてくれる内容が違う。
それも、直進していい、と言う人と、バックしろ、と言う人だから、
こちらは股裂きの刑にあったようなものだ。
山に登っていた頃、道に迷ったら元の場所に戻れ、と教わったのを思い出して、
二択でバックを選んだ。

道は良いから、数キロのバックは苦にならない。
海があって、緑が多くて、道が良くて‥‥。 
後背に大都会があれば格好の別荘地だろうに!
川尻岬は公園になっていて、そこまで車でいける。
潮場の鼻燈台と今岬燈台と、2つの山道を駆け上り駆け下った後だから、
楽ができるのは嬉しい。 公園から、岬の突端に燈台が見える。 
初めての土地で、目標が視認できるのはこれまた嬉しいことだ。

しかし、燈台が遠望できるのも考え物で、なまじっか見えるから、
気ばかりあせっても脚がついていかない。もどかしい。
下って上って、たどり着いた燈台の敷地からの眺望は、一方向を除いて、悪い。
驚いたのは、普通、燈台にたどり着けばそこが行き止まりで、
それから先は海に転落するのがオチだが、
川尻岬燈台の場合、道は燈台の脇からさらに先に伸びている。
ここは海釣りのメッカ、なのだ。 
燈台への UP DOWN の途中で海岸を見下ろすと、岩場に何人もの釣り人がいる。
ニュースで、時折、遭難が知らされる。 高波にさらわれて命を絶った人は数知れない。
故人にはお気の毒だが、自制が効かない人間に、灯す燈台は、ない。

北緯 34°26' 27", 東経 130°58' 24"
白色 塔形 コンクリート造
明暗白光 明4秒暗2秒
6,000カンデラ
光達距離 20海里
地上~頂部:8.6m、水面~灯火:70m
初点灯 昭和4年11月30日

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