葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

ふるさとの燈台 今岬燈台

2006年02月22日 22時04分26秒 | 燈台めぐりノート
かつての大津郡日置町黄波戸は、長門市日置黄波戸と変わったが、
変わったのはそれだけで、他は何も変わっていない。
高校時代、一番信頼した友人宅も昔のままだ。
この友人宅には想い出がある。 彼の結婚披露宴で司会を頼まれ、
彼のために勿論受諾したのだが、
打ち合わせに行って、そのあと酒を飲むことになった。
彼の父君も交えての酒盛りとなり、一晩呑み続けて朝まで飲んだ。
その量、4升5合! 私が2升飲んだらしい。 いまだに破れていない私の記録だ。

長門市から黄波戸の集落を眺めれば、その突端に筍状の岩肌が見える。 今岬 だ。
最近まで、今岬 に燈台があるなんて知らなかった。
ある、と知ってから郷里の友人に尋ねたら、「あるけど、歩いて遠いゾ」
しかし、3ヶ月前の私ならイザ知らず、今の私に躊躇はない。

車は茅刈(かやかり) などと、刈干切唄みたいな集落の集会場まで。
途中までは比較的はっきりした下りの坂道だが、それからはただの踏み跡をたどるだけ。
海はベタ凪で潮騒も聞こえないが、最近備わりつつある 「勘」 で、
海に突き出た地形のどこかを歩いているのだ、と自分に言い聞かせるしかない。
頼りの電柱も電線も見当たらない。
それでも突き進んだら、これまでの灯台めぐりでは見たこともない建造物が。
太陽電池の発電装置だ。 これも、時代の流れだろう。
どうりで、電柱も電線もないはずだ。 
ほとんど下りばかりで燈台にたどり着いた、ということは、帰りは上りばかり、ということだ。
ただ、知らない道を疑心暗鬼で下るよりも、
一度通った道を上る方が早かったのは気のせいだろうか。

東には海上アルプスと称する青海島が、西には千畳敷の発電用風車が、北には見島が。
いい眺めだ。 長門市から筍状に見えた岩は、眼下に見下ろす格好だ。

位置  本州北西岸 北緯 34°24' 50", 東経 131°08' 01"
塗色及び構造  白色 塔形 コンクリート造
等級及び灯質  郡閃白光 毎10秒に2閃光 [Fl (2) W 10s]
光度  6,000カンデラ
光達距離  20海里
高さ  地上~頂部:6.6m、水面~灯火:74m
初点灯  昭和34年1月 [1.1959]
備考  昭和59年1月 改築

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