葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

ロゼワイン

2006年06月03日 00時07分56秒 | ワイン 些事放言
Vinotheque (ヴィノテーク)6月号が届いた。
最も敬愛するワインジャーナリスト・有坂女史が主宰していた月刊誌だ。
女史が主宰を退いて、田崎真也にその座を譲ってからは、
一貫して女史が携わっている、巻頭の 「編集前記」 しか読まなくなった。
田崎真也セレクションと銘打った 「ワイン・バイイングガイド」 が
袋とじで31回目だが、その袋とじなど、ついぞ開いたこともない。
深い意味はない。 有坂女史の姿勢が好きなだけだ。

今月の 「編集前記」 では、ロゼ・ワインを取り上げ、
なぜ、日本でロゼの人気が沸騰しないのかと嘆じておいでだ。

私はワインを飲み始めたときから、
自分に任されたワインリストには、好んで (辛口の) ロゼを加えてきた。
あわせる料理の 1/4 が中国料理だったせいもあるが、
理屈ぬきでロゼが好きだったのだろう。 今も。

アンジューのロゼは、数本飲んで私の対象からはずした。
タヴェルは、どの銘柄も私を感激させなかった。
カステッロ・ディ・アマがサンジョベーゼから作るロゼとめぐり合ったときは
これぞ、待ち望んでいたロゼ! と感嘆した。
それ以降、ローヌのロゼが加わった。 どれも期待を裏切らなかった。

清涼感に加えて、ワインとしての酸味とほのかなタンニンのバランス。
触感には冷ややかで、視覚にはバラ色の温かさ。
赤ワインの伝統品種、地元の伝統品種で、赤ワイン産地として確立された地方のロゼ。
マストを凝縮させるために、セニエという方法が普及し、
タンクから最初に流出する赤ワインがロゼになるケースも。
有坂女史はこのように述べているが、私にはそんな小難しいことは分からない。
本能的に飲んできただけだ。
本能的に飲んできたから、田崎が薦めるワインと軌を同じにしなかっただけだ。

日本のワインラヴァーが、ロゼに目覚める必要はない。
ロゼに注目する必要もない。
日本の (一部の) ワインラヴァーが、飲んだワインを、ああだこうだと言うときに、
重要なのは、銘柄と、価格と、PPなのだ。
そんな方々が、ロゼを飲まなくたっていい。
そんな方々がロゼを飲み始めたら、ロゼまでが、価格高騰を追随する。
既に、その傾向はあるが。

人知れず、ロゼを飲み続けよう。

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