コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

春期研修会 8回目

2009-07-01 23:40:18 | ミニカウンセリング
いよいよ春のミニカンも終わりが近づいてきました。

逐語録検討は、先週のペアが役割交代。
こちらもカウンセラーさんは始めての逐語録録音でした。
やはり緊張があるのか、序盤はレスが少なめ。
しかし、中盤で一言二言レスが付けられると、あとは結構上手くされてましたね。
クライエントの方も徐々に乗ってきて、話の調子が上がってきているのがわかります。
声の調子、スピード、使われる表現なんかが変化してきます。
一転、ちょっと間があいて落ち着いた感じになる時、その前の段階で言いたいことに思いが到達した瞬間がありますね。
実際にカウンセリングしていると、そうやって次の話題に移ると、その話題についていこうとしてしまいますが、こうやって逐語録で見るとその変わり目の前に「大事なこと」があるのがよくわかります。


後半はペアを組んでのミニカウンセリング。
今回の参加者の中では、経験を積んでおられる方の方です。
先に私がクライエント役で話をします。
最初は今話したいことを探りながら、浮かんでくる思いを意識的に言葉にしていきます。
私の心得として、出来るだけ感情の言葉が出てきたら、それを最優先に表に出そうと。
今回のカウンセラーさんは、うまくそれを拾ってくださいます。
そうすると、あとは井戸の呼び水のごとく(って、いまどきの人は井戸を知らないだろうなぁ…)意識化の作業抜きで言葉が出てきます。
今度は、私自身がその言葉を頼りに、自分の今の気持ちを確認していけるという。
最初は”負の感情”も出していたのですが、その言葉が負のものであっても、言葉がどんどん湧き上がってくるところに楽しみを感じ出します。
話している出来事は”負”であっても、今は話していることを楽しめる…なかなかこういう体験はありません。
「いま・ここ・わたし」で居られるという、とてもよい関係を作ってもらえたんだなと。

交代して私がカウンセラー役になりますが、私が楽しい時間を過ごせたことが伝わって、クラエントさんもリラックスして話が出来たと言ってくださいました。
話の中身にはちょっと”しんどさ”の話題も話されているのですが、表情は穏やかな感じ。
そうすると、「あぁ、今はしんどいことの話だけど、クライエントさんの中には”穏やかになれる”ものにつながっているからこういう表情なんだな」というものを味わっていました。
実際、後半はそういう話題につながっていきました。

そのときは「相手のそこに流れるものを読み取る」ということが出来ているのかな、と思っていましたが…
もしかすると、そこにこちらの「想像」が混じっていたかもしれません。
だとすると、いまここで話されている相手の方を尊重することから逸脱して、「他のものを付け足して聞いている」ということになります。
ちょっと、このあたりは課題として、心に留めておこうと思います。

声のトーンや、表情など、そういうものも含めて「そこにながれるもの」を感じていく。
これができれば、言葉の中に現れる感情を丁寧に拾うことでとどまらず、言葉に現れない感情にも寄り添っていけることになるのか…大事なテーマですね。
あまりこれを試して先走ると、どんどん想像が付きまとい、レスが操作的になってしまうかもしれませんから。

いやぁ、まあまだ奥が深いです。