松沢顕治の家まち探しメモ

「よい日本の家」はどこにあるのだろうか。その姿をはやく現してくれ。

震災後の住宅

2014年03月13日 08時17分01秒 | 日記
昨年3度被災地を歩いた目的のひとつは、何もなくなってしまった更地にどのような家ができて、どのような町並みがつくられようとしているのか観ることだった。というのは、古く美しい町並みをたくさん調べてきて、いくつかのことがわかったからだ。

かつての日本家屋にオール電化はあるはずもない。すべての家庭が枯木や草を燃料にしていた。家屋の材料も草木と泥でできていたから、ひとたび火がつけばよく燃えた。火事になりやすい条件が揃っていたわけだ。全国いたるところで古い資料をみれば、江戸から昭和初期くらいにかけて「大火」があったと記録されている。

いま私たちが眼にすることができる古く美しい町並みというのは、そうした「大火」後につくられたものが少なくない。災害後に統一したコンセプトでつくられた家々が年を経て美しさを増しており、観光資源になっている。個人的資産でもある。

各地を歩いて、私はそのことに気づいた。ならば、震災後に同じような動きが生まれていないだろうか。

そこで、昨年一人で二度、ある大学の関係者たちと一度被災地をまわった。しかし一つひとつの家が自己主張をし過ぎて色も形もバラバラで、萌芽さえみつからなかった。政治、行政、建築家、ディベロッパー、だれも「景観」を考えなかったのだろうか。

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