[加筆あり] 初級者のために、ホールドアップ(或いはダック†)の必要性についての解説を補足しました。(1/18朝)
[記号変更] 関連記事と記号を統一するために、NTの台を表すnを、Nに変えました。(1/20朝)
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[アンケート]プレイ 新春一(➡全体のハンド)に関連して、NISHIDA様が、ルール・オブ・セブンに言及されました。英文ウィキペディアから抜粋して訳します。
ルール・オブ・セブンとは:3NTコントラクトのプレイを想定しているもので、次の通りである。
デクレアラーとダミーが、ディフェンダーの当該スーツに持っているカードの枚数を7から引き、彼らのそのスーツのリードをその回数だけダックせよ。[Wikipedia ”Hold up (bridge)” ‡]
♠リードが来た上例のハンドの場合、デクレアラー側は♠を6枚持っているから、NISHIDA様が書かれた通り、ダックは1回というわけです。
(但し更に書かれている通り、このハンドの場合、♦シフトされたら、もしも絵札がハンドと逆になって居た場合即ダウンするから、本来はダック出来ない。)
デクレアラー側が、6枚持っているときの理由説明:
相手の♠7枚の内、Wが5枚持っているならば、Eは2枚しか無いから、1度ダックすれば無くなる。(Eから♠リードバックできなくなる。=ダックの目的 ➡補足) もしEが♠3枚持っていれば、Wは4枚しか持っていないから、♥Aでどちらにリードが入ってもその後♠2トリック(全部で3トリック)しか取れない(から他に負けないハンドであればメークする)。[同上]
念のため、デクレアラー側に5枚しか無い場合を確かめてみます。相手の8枚が5-3ブレークなら、2回ダックして3度目に取れば、リードバックできなくなるからOK。6-2でも、ダックが一回余分では有るが勿論OK。4-4ならば上の様に、そのスーツでは全部で3トリック取られるだけで済む。Q.E.D.(証明終り)
ルール・オブ・セブンの一般化として、3NTでなくN-NTの場合は、〝7〟でなく N+4 を使う。[同上*]
つまり「ルール・オブN+4」になります。例えば2NTなら6から、1NTなら5から引けばよい。ダックの必要回数は、3NTの場合よりも、それぞれ1回または2回減るわけです。
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[補足] ダックすべき理由(初級者のために):
ダックの回数が足りないと何が起こるか見てみましょう。
今回のハンド例(初級者向きの教科書レベルより上ですが)では、Wからの♠リードに対して、ルール・オブ・セブンでは1回ダックすべき所、一度もダックせずに直ぐAceを取っても、長い方のWが4枚だけだから、♠では3トリックしか取られません。しかしもしWが5枚持っていると、♥でトリックを得る(エスタブリッシュする。)ためにAceに負けに行ったとき、それが今回の様にWに有れば、処置無しで3トリック、全部で♠4トリック取られて即ダウンしますが、Eに有る場合でも(➡図1)♠7をリードバックされて、同じだけ取られてしまいます(100%)。一回ダックして居れば、Wの残り♠3トリックは封印されてしまいます。この成功率は、ディフェンダーのHCPがほぼ均等に分かれていると想定すると、フィネスの成功率の50%をかなり超えます。
図1. O.L. ♠6 (朱字はダックしない場合の第1トリック。Eに♠7が残り、♥Aで入ったときにリードバックされる。)
♠984
♥KJ75
♠KQ1065 ♠J7
♥1063 ♥A84
♠A32
♥Q92
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† ‡ もともと冒頭で「ダック」より「ホールドアップ」が正しいと書いているのは、このWikipedia記事だが、この部分では自ら「ダック」と記している。(執筆者が異なるのかもしれない。) 言語の進化ーーー人に依っては退化と見る。ーーーの一般的傾向から見れば、「ダック」という簡潔な言葉の方が優勢になるのは、ごく自然な現象ではある。特に米語では。
* 原記事のnは、N+4のことである。
NISHIDA様のご指摘は、英文ウィキペディアとずれている以上に、対立する主張なので、少し時間を掛けて分析したいと思います。
読者各位も、コメントをお寄せください。
ストッパーが1個の場合:7-(合計枚数)
ストッパーが2個の場合:6-(合計枚数)
但しPlay計画で負ける回数より多い数の
ストッパーを持っている場合はホールドアップの必要が無い(損をする)事も明らかですから3ストッパー以上では必要の無いルールと思われます。