Tsukuba Scientific, Bridge Seminar

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ブリッジ用語99 ルール・オブ・セブン

2020年01月17日 | Weblog

[加筆あり] 初級者のために、ホールドアップ(或いはダック)の必要性についての解説を補足しました。(1/18朝)

[記号変更] 関連記事と記号を統一するために、NTの台を表すnを、Nに変えました。(1/20朝)

 

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[アンケート]プレイ 新春一(➡全体のハンド)に関連して、NISHIDA様が、ルール・オブ・セブンに言及されました。英文ウィキペディアから抜粋して訳します。

 ルール・オブ・セブンとは:3NTコントラクトのプレイを想定しているもので、次の通りである。

 デクレアラーとダミーが、ディフェンダーの当該スーツに持っているカードの枚数を7から引き、彼らのそのスーツのリードをその回数だけダックせよ。Wikipedia ”Hold up (bridge)”  

♠リードが来た上例のハンドの場合、デクレアラー側は♠を6枚持っているから、NISHIDA様が書かれた通り、ダックは1回というわけです。

(但し更に書かれている通り、このハンドの場合、シフトされたら、もしも絵札がハンドと逆になって居た場合即ダウンするから、本来はダック出来ない。

デクレアラー側が、6枚持っているときの理由説明:

 相手の7枚の内、Wが5枚持っているならば、Eは2枚しか無いから、1度ダックすれば無くなる。(Eから♠リードバックできなくなる。=ダックの目的 ➡補足 もしEが♠3枚持っていれば、Wは4枚しか持っていないから、Aでどちらにリードが入ってもその後♠2トリック(全部で3トリック)しか取れない(から他に負けないハンドであればメークする)[同上]

念のため、デクレアラー側に5枚しか無い場合を確かめてみます。相手の8枚が5-3ブレークなら、2回ダックして3度目に取れば、リードバックできなくなるからOK。6-2でも、ダックが一回余分では有るが勿論OK。4-4ならば上の様に、そのスーツでは全部で3トリック取られるだけで済む。Q.E.D.(証明終り)

  ルール・オブ・セブンの一般化として、3NTでなくN-NTの場合は、〝7〟でなく N+4 を使う[同上*

つまり「ルール・オブN+4」になります。例えば2NTなら6から、1NTなら5から引けばよい。ダックの必要回数は、3NTの場合よりも、それぞれ1回または2回減るわけです。

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[補足] ダックすべき理由(初級者のために)

ダックの回数が足りないと何が起こるか見てみましょう。

今回のハンド例(初級者向きの教科書レベルより上ですが)では、Wからの♠リードに対して、ルール・オブ・セブンでは1回ダックすべき所、一度もダックせずに直ぐAceを取っても、長い方のWが4枚だけだから、♠では3トリックしか取られません。しかしもしWが5枚持っていると、でトリックを得る(エスタブリッシュする。)ためにAceに負けに行ったとき、それが今回の様にWに有れば、処置無しで3トリック、全部で♠4トリック取られて即ダウンしますが、Eに有る場合でも(➡図1)♠7をリードバックされて、同じだけ取られてしまいます(100%)。一回ダックして居れば、Wの残り♠3トリックは封印されてしまいます。この成功率は、ディフェンダーのHCPがほぼ均等に分かれていると想定すると、フィネスの成功率の50%をかなり超えます。

図1.  O.L. ♠6 朱字はダックしない場合の第1トリック。Eに♠7が残り、Aで入ったときにリードバックされる。)

     ♠984
     KJ75
     
♠KQ1065      ♠J7
1063      A84

     ♠A32
     Q92

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† ‡ もともと冒頭で「ダック」より「ホールドアップ」が正しいと書いているのは、このWikipedia記事だが、この部分では自ら「ダック」と記している。(執筆者が異なるのかもしれない。) 言語の進化ーーー人に依っては退化と見る。ーーーの一般的傾向から見れば、「ダック」という簡潔な言葉の方が優勢になるのは、ごく自然な現象ではある。特に米語では。

原記事のnは、N+4のことである。


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2 コメント

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ルールオブ7 (H.NISHIDA)
2020-01-19 22:29:50
このルール?はディフェンダー間の断絶を目的とするものですから、コントラクトのレベルで変わる事は無く。
ストッパーが1個の場合:7-(合計枚数)
ストッパーが2個の場合:6-(合計枚数)

但しPlay計画で負ける回数より多い数の
ストッパーを持っている場合はホールドアップの必要が無い(損をする)事も明らかですから3ストッパー以上では必要の無いルールと思われます。
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ご指摘感謝 (五S)
2020-01-20 00:05:53
原文を読み直したら、拙訳はnの定義を読み違えていたことに気付きましたが、ルールの数学的表現としてはプロの私の書き方の方が、より良いものだと思いますから、訂正しないで置きます。

NISHIDA様のご指摘は、英文ウィキペディアとずれている以上に、対立する主張なので、少し時間を掛けて分析したいと思います。

読者各位も、コメントをお寄せください。
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