にちじょうのわな

ひびのにちじょうとつれづれて

りはく

2013-01-28 | めも
めも

李白

「月下獨酌」 四首 其の二

天 若(も)し酒を愛さずんば
酒星(しゅせい) 天に在らず
地 若し酒を愛さずんば
地 応(まさ)に酒泉(しゅせん)無かるべし
天地 既に酒を愛す
酒を愛するも 天に愧(は)じず
已に聞く清は聖に比すと
復た道(い)ふ濁は賢の如しと
賢聖 既(すで)に已(すで)に飲む
何ぞ必ずしも神仙を求めんや
三杯 大道(たいどう)に通じ
一斗 自然に合す
但(た)だ酔中(すいちゅう)の趣を得んのみ
醒者(せいしゃ)の為に伝ふること勿(なか)れ

天がもし酒を愛さないなら
「酒星」が天空にあるわけがない。
地がもし酒を愛さないなら
地上に「酒泉」があるはずがない。
天も地も確かに酒を愛している。
酒を愛することは天に恥ずべきことではないのだ。
酒の清らかさは聖なるものと言われ、
また、濁った酒は、賢(知性)のようだと言う。
賢も聖もすでに酒にあって私はそれを飲んでいる、
どうしてわざわざ神や仙人になろうか。
三盃飲めば正しい道に入り、
一斗飲めば自然に溶け込む。
ただ酒を飲んでたのしみたいだけだ、
酔わない人に教えてやる必要などはない 。


「横江詞」 六首 其の五

横江の館前(かんぜん)  津吏(しんり)迎え
余(よ)に向かいて東のかた海雲の生ずるを指(さ)す
郎  今  渡らんと欲するは何事にか縁(よ)る
此(か)くの如き風波  行く可からず

横江の館(やかた)の前に  津(みなと)の役人が迎え
東のかた  海に沸き立つ雲を指さして言う
君がいま渡ろうと急ぐのは  なにゆえか
このような風波のときに 行くべきではないと

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