徒然なるままに修羅の旅路

祝……大ベルセルク展が大阪ひらかたパークで開催決定キター! 
悲……大阪ナイフショーは完全中止になりました。滅べ疫病神

In the Flames of the Purgatory 31

2014年11月19日 23時53分14秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    海賊どもは変わらず距離を保ったまま、こちらを見据えている――いずれも金属や革で作られた上半身だけを鎧う簡易的な軽甲冑に、船の上での取り回しを優先した小剣と短剣の中間くらいの中途半端な長さの舶刀《カトラス》を帯びていた。上半身裸の者や、火縄銃《マッチロックガン》を持った者もいる。  最初に腕を斬り落とした海賊だけが甲板の上にへたり込んで、斬り落とされた腕を傷口に押しつけて元に戻そ . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 30

2014年11月19日 23時52分34秒 | Nosferatu Blood LDK
 ある個体は全身が癌化して巨大なアメーバの様な姿になり、調製槽の内側でぎりぎりまで膨れ上がっている。ある個体はまるで発生過程の胎児の頭に魚の様な眼がくっついた様な姿、あるものは鼻のあたりから上が無く、全身からトナカイの様な蹴爪を持った脚が生え、あるものは手足が退化して胴体がまるで風船の様に膨れ上がり、その中に頭が埋没したかのごとき姿になっていた。  おそらくキメラかなにかの実験体なのだろう――正確 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 29

2014年11月19日 23時49分39秒 | Nosferatu Blood LDK
 さあ《・・》――遊びの時間だ《・・・・・・》。 「Aaaaaa――raaaaaaaaaaaaa《アァァァァァァ――ラァァァァァァァァァァァァッ》!」  咆哮とともに――主檣の根元あたりにいた海賊のひとりに襲いかかる。特にそいつを選んだ理由は無い――近くにいただけのことだ。  腰元に帯びた船上白兵戦用の舶刀《カトラス》を抜きかけていた赤毛の海賊に向かって、塵灰滅の剣《Asher Dust》を一閃― . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 28

2014年11月19日 23時49分13秒 | Nosferatu Blood LDK
     †    ごう、と耳元で風が鳴る――眼前に迫った海賊船の砲甲板を兼ねた中央凹甲板の舷側の向こう側で、こちらの姿を目にした砲手たちが大騒ぎしているのが見える。耳元で鳴る風斬り音のせいで、アルカードの聴力を以てしても彼らがなにを叫んでいるのかは聞き取れなかったし、唇を読んで話している内容を理解出来たわけではない。  だが、その後の反応を見ていればなにを叫んでいるのかは一目瞭然だった――次の瞬 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 27

2014年11月19日 23時48分54秒 | Nosferatu Blood LDK
     †   「速度自体は、悪くない――風が変わらなけりゃの話だが」 その返答に、金髪の乗客が岩山から視線をはずして背後を振り返った。 「どうした?」 その問いに、乗客は返事をしなかった――こちらの針路がずれたのか向こうが針路を変えたのか、海賊船はこちらの船のほぼ真後ろにつけている。彼我の距離は二ケーブル(約三百七十メートル。一ケーブルは〇・一海里)ほどか――船体の凌波性で劣るために、大幅に上 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 26

2014年11月19日 23時48分31秒 | Nosferatu Blood LDK
     *   「取舵一杯、主檣、後檣大三角帆《ラティーン》、主檣補助帆風を抜け!」 後方から船長の指示が聞こえてきた――同時に主檣と後檣の大三角帆《ラティーンセイル》と檣上部の補助帆の索が繰り出され、それまで風を孕んで膨らんでいた帆が強風ではためく。 「前檣大三角帆《ラティーン》帆桁廻せ、開き変え!」  その指示に、前檣の下で操帆についていた者たちがあわただしく動く――それまで船体に対して左斜 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 25

2014年11月19日 23時48分15秒 | Nosferatu Blood LDK
 北欧神話に登場する雷神トールの持つ金槌《ハンマー》、ミョルニルの名を冠する由来がこれだった――ごく短時間ではあるが天候を操る力を持っており、狙った場所に落雷を落とすことが出来るのだ。  ただし雷雲を招き寄せた状態を保つことが出来ないため発動に時間がかかり、また天候によって発動までの時間にばらつきがあるという欠点もある。  バーンズがそのままアモンの頭上に落下し、梟を象った頭部に手にした戦槌を叩き . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 24

2014年11月19日 23時47分56秒 | Nosferatu Blood LDK
 しかしこのアモンの場合、動力源になっているのは内部に蓄積された魔力ではなく、地獄にいるアモン本体から魔法陣越しに直接供給される魔力だ――要するにガーゴイルが乾電池で動いているのに対してこの動く石像は家庭用電源で動いている様なもので、アモンの本体が魔力供給を絶たない限りガス欠を起こして止まることは無い。逆に言えば、アモンの魔力供給が途絶えれば活動を継続するのは不可能だということでもあるのだが。   . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 23

2014年11月19日 23時47分17秒 | Nosferatu Blood LDK
「近くに陸地があるとあの娘が言っていたが、ということは沿岸からの略奪帰りかな」 「そんなところだろうな」 船長は返却された単眼鏡を縮めてケースにしまいつつ、そう答えてきた。  海賊というと輸送船や旅客船を襲って略奪を行う様に思われがちだが、実際にはそうではない――そういった略奪の仕方が無いわけではないだろうが、実際のところ海で海路を通る船を襲うのは非常に効率が悪い。  街道を通る商隊を襲うなら通り . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 22

2014年11月19日 23時46分55秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    船首楼で舷側にもたれかかる様にして腰を下ろしていたアルカードは、閉じた瞼の上からなお視界を明るく照らす陽光が遮られたのに気づいて目を開けた。 「――またこんなところにいる」  そう声をかけてきたのは、アマリアだった。燦々と降り注ぐ昼過ぎの陽光を背に、あきれた様な表情でこちらを見下ろしている。 「もう三日だよ。よく飽きないね」 「部屋に閉じこもっているよりはな。こんな船の上じゃ鍛 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 21

2014年11月19日 23時46分41秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    狭い階段を昇りきったところで、彼らは足を止めた。  おそらく本来の使われ方からすると、そこは中庭なのだろう――広いスペースの片隅に井戸と思しき縦門がある。周りにはおそらく実験設備と思われる建物があり、それとは別にベルクフリートと呼ばれる主塔があった。  中世においてはベルクフリートは城塞の周辺監視所であり、長弓狙撃兵の待機所でもあり、君主の最終的な避難場所でもあるのだが――魔術 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 20

2014年11月19日 22時48分34秒 | Nosferatu Blood LDK
     †   「そうする! じゃ、またね! 寂しくなったら声かけてよ!」 よく日に焼けた十代半ばの娘がそう告げて部屋から出ていったところで、アルカード・ドラゴスは溜め息をついた。  開け放たれた扉を見遣って、苦笑する――窮屈な寝台の上で姿勢を変えると、甲冑の装甲がこすれあってぎしりと音を立てた。  さて、どうしたものか――  胸中でつぶやいて、アルカードは首をかしげた。  あの娘も含めたこの船 . . . 本文を読む
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In the Flames of the Purgatory 19

2014年11月19日 06時51分58秒 | Nosferatu Blood LDK
     *   「おおっ!」 咆哮とともに、手にした撃剣聖典を振り下ろす。長剣の刃が火花を散らしながら鎧の胴甲冑と帷子を引き裂き、鎧の肩口に喰い込んだ――だがそれでも、まだ斃しきれてはいないらしい。  鎧がぎしりと音を立てて手にした長剣を握り直し、そのまま肩を支点に振り回して水平に振り抜く。それよりも早く、ブラックモアは体を沈めてその一撃を躱した――剣の回収は考える必要が無い。護剣聖典は材料にな . . . 本文を読む
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