サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

10月:第3週

2019年10月20日 | 愛の肖像画

10月13日
 代官山・蔦屋書店で新刊『オーガ(ニ)ズム』発売記念 “阿部和重トーク&サイン会”。じつは同郷の先輩だ。僕は丁度入れ違いで中学に入学したんだと思う。阿部さんが生まれ育った町“神町”を舞台に、およそ20年に渡って書き綴った神町トリロジーが『オーガ(ニ)ズム』で完結した。僕は小学校へ上がる前に神町から市内の別学区へ引っ越したので神町小学校ではなく、隣の東根小学校だったのだが、この2つが合わさり東根市立第一中学校になる。その時分の遊び場が神町だった。その神町で起こる壮大な物語。土地勘がヒットするので、読んでいて脳内に立体的な情景が浮かび上がる、得難い経験となった。殺戮あり、強姦あり、魔術あり、あまりにろくでもない奴ばかりが出てくるので地元での評判はイマイチのようだが、今回ばかりは違ってるかもしれない。だって神町が首都になっちゃうんだから。神町を舞台にした小説はこれで終わりにするという阿部さん、だとすれば今このタイミングでこの偉大な東根の星を描かずしてなんとする!と鼻息荒い“お願い”メールを阿部さんの公式HP宛てに送ったのだが、返事はなかった。。やはり面と向かって直接言うしかない。「描かせてください!」と…

 今回の新刊発売記念イベント、注意事項には〈*録音・撮影禁止〉とある。でも本人がOKと言ってくれたら、なんとかなるんじゃないか?…ふと大竹伸朗さんが頭をよぎる。「やめてよ〜」と断られ、現場を仕切る学芸員さんに静止されたあの日のこと。美術館の隅っこで呆然とたたずんだ、捨てられた子犬のような自分。しかし、それがあって湯浅学さんに出会えたのだ。うちの田舎では臆病者のことを“すぴたれ”と呼ぶ。すぴたれとサヨナラするためには自ら行動しなければならない。待っていても何も起こらないのである。
 して、トークショー後のサイン会。宛名を書き添えてもらえるというアナウンスがあった。時間にしておよそ10秒くらいか…充分だ。そして、自分の番。取り巻く係の人、数人を横目に、ペンを持った阿部さんに話を切り出す。「自分、絵描きなんです。阿部さんを描かせてもらえませんか?」「え?」「あの… 写真を撮らせていただけたらそれを元に描くので、1枚だけでいいので写真を撮らせてもらえませんか?」係の人達は静観している。「んーああ、いいですよ」「あ、ありがとうございます!サイン会が終わるまで待ちますので、是非お願いします!」
 この日のイベントは定員50人。女性はゼロ、全員が男だった。そんな阿部和重だ。「自分も神町出身なんです。阿部さんはご存じないかもしれませんが、3年前、東根市に〈まなびあテラス〉という図書館と美術館が一緒になった複合施設ができて、自分も2回ほど展覧会をやったのですが、次があれば阿部さんの絵を掲げたいんです!」活動を理解してもらうため、拙著『に・褒められたくて』をお渡しする。「へ〜、すると絵はどこで見ればいいんですか?」「え〜っと、出来上がったらご連絡します」「連絡先、どうしようかな…」「では、私の方にご連絡下さい」と担当編集者さんが間に入り、名刺を頂戴した。ありがたい。気持ち込めてしっかり仕上げてご連絡します。どうぞ宜しくお願いします!

 

10月18日
 新宿・バルト9で『蜂蜜と遠雷』。いたく感動ス。

 宮藤官九郎、三宅弘城、よーかいくんの3人からなるパンクバンド〈画鋲〉の1stアルバム『画鋲ファースト』とラストアルバム『画鋲ラスト』同時リリース記念レコ発ミニライブ at dues新宿。初めて訪れたdues新宿はディスクユニオン・シネマ館の上階で、とても狭い(ギュウギュウ詰めれば60人くらい入るかな?)が、しっかりしたライブスペースだった。帰りに新宿三丁目をブラブラしてたら、高田先生と松村邦洋さんに遭遇。松村さんに猫さんの絵のデータを送っていなかったことを糾弾される。高田先生には見てもらい済みで「松村にも送っとけ」と言われていた案件。すっかり送った気になってた。。平謝り。

 

 テレ東「孤独のグルメ」からの流れで、新ドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』を見た。タイトル通りの内容。オチらしいオチはない。けど面白かった。来週も見よう。

 

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