サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

7月:第2週

2019年07月15日 | 愛の肖像画

7月13日
 朝4:30起床。支度して水戸へ向かう。水戸芸術館現代美術ギャラリー『大竹伸朗 ビル景 1978-2019』初日。開館10分前の9:20に到着。存分に堪能す。大竹さんの作品は実物で見たい。表面のテクスチャーと、大きさ。触りたいという欲求に抗うのが大変だ。8室に渡る展示中、第3室と第5室で2度震えた。新作の音の出るオブジェ「時憶/Bldg.」もGood!

 13:30〜隣接する〈みと文化交流プラザ〉でアーティスト・トークあり。整理券が配られるものと思い、11:30ころ向かうも、並んで待たなくてはならないという。先客1人。埼玉からいらしたという女性。さすがに2時間待つのはキツいので、しばし市内を散策。別雷皇太神に参拝ス。12:30に戻ると10人ほどの列。13:00開場。最前列で聞くことができた。手帳にメモをとっていたのだが、どうやらその手帳を落としてしまったらしく、それに気付いたのは帰りの電車の中。日々思ったことを記してある手帳なので青ざめるも、後の祭り。。
 15:00〜サイン会。“サインは展覧会の図録か大竹さんの関連書籍に限る”とのことで、最新のエッセイ集「ナニカトナニカ」を持参。図録は買わなかった。大竹さんの作品は目で記憶するに限る。図版があるとかえって記憶が曖昧になることがままある。人の話もそう。メモしたからと安心し、そのメモを失うと何も覚えていない自分と出くわす、なんてことになる。ク〜泣。待つこと20数分、いよいよ自分の番。意を決して「大竹さんを描かせて下さい!」すると「えっ、オレを?いいよ〜そんなの」という応え。〈いいよ〜〉は〈やめてよ〜〉のニュアンス。「いや、あの…」と言いかけるも、学芸員さんが割って入り「本日、写真はお断りしています!」と制され、あえなく断念。この場合は仕方なし「…分かりました。お話が聞けて嬉しかったです」「ありがとう」というやりとり。それもまた嬉し。

 やや落胆し、ポツネンと立っていると、目の前を音楽評論家の湯浅学さんが通った。「あ!湯浅さん…ですよね?」「はい」…今回は湯浅さんを描けってことか!と瞬間的に理解し「自分、絵を描いたりしてるんですけど、湯浅さんを描かせてもらえませんか?」なんて、節操がないように思うが、大竹さんに散った直後に出会えたのは天命、別雷皇太神のお引き合わせだ!「…いいよー」と、ここでの〈いいよー〉は〈喜んで〜〉的なニュアンス。「ちょっと、その前にグッズをチェックさせて」と館内ショップでブツを漁るその姿にレコードコレクターの神髄を見た。お買い物を済ませた湯浅さんを、失礼承知で表に連れ出し、パシャ。「こんな活動をしてます」と拙著『に・褒められたくて』をお渡しする。「描いたらまた現れます。ありがとうございます!」なんとも失礼な奴と訝しく思われたかもしれないが、それは絵の仕上がりで納得していただくよりない。「わざわざ水戸まで来られるんですね〜」と口をつくと「そりゃ来るでしょ!」

 『大竹伸朗 ビル景 1978-2019』は10月6日まで

 

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