9月14日
成城学園前のアトリエ第Q藝術で〈成城マドモアゼル〉の舞台「マドモアゼルのトランプ占い」を観劇。脚本:和田尚久。席数は30人ほどで満員。若い演者7人によるコント6編をギターとサックスのデュオで繋ぐ構成。オチがないまま暗転していくコントの連続に最初戸惑う。他のお客さんもおそらく同じ思いだった様子、大きく反応できないまま淡々と進行していくので、役者側も大変。スキルが問われる。焦りや照れを感じれば場全体に伝播し、何とも言えない緊張感が走る。が、慣れるとそれもお楽しみになった。3回のみの実験的な公演。
9月15日
テアトル新宿で公開中の映画『タロウのバカ』。〈大森立嗣監督のルーツに迫る渾身のトークイベント〉なる告知アリ… ゲスト:麿赤兒!6年前の大森監督作品「ぼっちゃん」公開時にも同様のイベントがあり驚喜した自分、じつはそのとき取材させてもらっていた。当時、月刊「美術手帖」に連載していた『に・褒められたくて』に合わせて制作を進めていたものの、突然の連載終了により有耶無耶になってしまった案件(プロ野球で頭がいっぱいなっていたことも大きいのだが…)。今年に入って『タロウのバカ』のことを耳にし、ヒリヒリするアノ大森映画を予見。呼ばれるように再制作、銅版画を水彩画に換えて描き直していた…(!)
9月16日
午前中、絵を持ってテアトル新宿へ向かいお伺いを立てるも、館としては返答しようがないと、やんわり断られる。イベント開催は週末の、9/22。どうしよう…
午後、ニッポン放送会議室で高田文夫主催『全裸監督』視聴会の第3回。高田先生に呼んでいただく。7〜8(最終)話を鑑賞後、高田先生と食事。この件を話すと「そりゃそうだ。相手にも失礼。ちゃんと本人に連絡とってから出直せ」と諭される
9月17日
『タロウのバカ』の制作会社(ハーベストフィルム)へ申し入れすることに。ケータイ片手に30分、意を決して電話ス。意図を汲んでもらうのに窮するも、なんとかご理解いただけた様子。テアトル新宿からも連絡が入っていたらしく、検討して返答いただけるとのこと
9月20日
ハーベストフィルムへ再度電話ス。時間調整が難しく、実際に絵を見てから判断したいとのことで、館に作品を預けておくよう指示される。
ラグビーワールドカップ開幕。日本vsロシアをテレビ観戦。なんとなく勇気をもらった、ような気がする。。
9月21日
TBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」ゲストは大森立嗣監督!じっくり拝聴、その後、渋谷へ。
マウントレーニア渋谷で頭脳警察「結成50周年セカンドライブ」。元の渋谷松竹セントラル。ここで観たのは黒澤明の「八月の狂詩曲」のみで、上京したて18のとき。きのうのことのようにも思えるが、もう四半世紀も前の話… なんだかクラっときたその態で頭脳警察のマネージャーさんにお会いし、『愛の頭脳警察』を掲載した9/14の山形新聞をお渡し、ペコリ。自分はそのまま新宿〈かくれが〉へ。三上寛「投げ銭ライブ」。今回の告知に『愛の三上寛』を使わせてもらったよ、とのことで。
この日は、いつものセミアコではなくアコギ使用。「アコギを持つと喋りたくなるね」とMC長め(チロチロギターをつま弾きながら)。上京したころの話から先日亡くなった安部譲二さんの話、70年代後半お客が居なくなって俳優業が増えたころの話〜松田優作〜村川透〜深作欣二、12月開催の山下洋輔トリオ結成50周年記念コンサートまで、いずれも新宿絡み。なんとも素敵なライブだった。
9月22日
テアトル新宿で『タロウのバカ』13:00〜。上映前、受付けに作品を託し、花園神社に参拝。上映終了後、大森監督と主演のYOSHIくん、ゲスト麿赤兒さんでトークイベント。テーマらしいテーマがなく、やりにくそう。司会はハーベストフィルムの近藤さん。監督にとって駒大からの先輩らしく、随分と長いつき合いのよう。イベント終了後ロビーで待機。しばらくして大森監督と麿さんが現れた。そのまますぐに出られる模様。急ぎかけ寄り「絵、見ていただけましたか!?」「…ああ、見たよ」「6年前に取材させてもらったまま時間がたってしまったのですが…」「随分ね。でも書いておきましたよ」そのままスーっと行ってしまわれた。麿さんとは話せず終い。電話で応対していただいたプロデューサーの近藤さんは残られており、ご挨拶。「見てもらうことができましたよ」とのこと。控え室に通され、絵を確認。雄叫びを上げた。オ〜!「一言だけですが、これでよかったですか?」「充分です、ありがとうございます!」「これってユーロスペースのビルですよね」「ハイ、屋上に出てもらって撮影しました」「麿さん、“こんなに老け込んでないだろ”とおっしゃってましたけど(笑)」「スミマセン!」
今回は作品を委ねることになってしまったけれど、こんな突然の申し出を受けとめてもらえたことに感謝。作品が僕の手を離れてもしっかり着地してくれたことに感動を覚えた。表に出ると6年前にもお会いした麿さんのマネージャーさんが居られたので、お詫びとご挨拶を。「本人、喜んでましたよー」とのことで、ホッ。“愛の”というか “大森立嗣と麿赤兒に褒められたくて”、6年越しで完成!
大森監督、麿さん、近藤さん、テアトル新宿の皆さん、ありがとうございました!
書き記していただいた言葉は、“幽契” と “いいじゃん!” でした。
ワーイ!
現在のユーロスペース、なかなかいいですよ。名画座シネマヴェーラもあるし。最初はこんな場所に!?って思いましたけど。