先週から、古い2階建てのアパートの取り壊し作業が始まっているのは気づいていました。
彼岸のお寺参りから帰宅して、裏城戸から入ろうとして、足が止まりました。見晴らしが変わって、今まで見えなかった谷の向うの家々の全景が、あからさまに目に入ってきました。一瞬目を疑いました。思いもかけなかった出来事で、桜が全部伐り倒されて、影も形も見当たらないのです。
谷の縁に沿って、いつごろの人が植えたものか、等間隔に並んでいた二抱えもある櫻の古木が伐り倒されて、もうその姿さえもないのです。この櫻はJRの列車の中からも目印になるほどで、花見にやってくる人もありました。
裏の傾斜地の大きな櫻も咲きはじめており、この木の足許を埋め尽くす借景の櫻が、うすくれないに煙る眺めも間もなくと、楽しみにしていました。
お風呂に入ってこれを眺める贅沢は、何物にも換えがたいものと、花盛りの時期には朝からのお風呂が習慣でした。
人様の地所のことで文句をつける筋合いではないのですが、せめて最後の春を、花を咲かせて見届けてやりたかったと、よしない嘆きを繰り返しています。
これ以上の変化はないように願っていますが、ブルトーザーの動きが呪わしいことです。工事の人が帰った後、谷に下りて、未練がましく遠くから切り株を写真に収めました。椿はまだ健在です。私たちがこの地を去らない限りは。
それでも、周辺の変化は止めるすべもなく、やがて景観もみすぼらしものに変貌するのかもしれません。
心なしか今日の弥生尽は、いつもにまして哀愁にとらわれています。
色も香もうしろ姿や弥生尽 蕪村
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<椿谷の藪椿> |
今は、三椏が花の盛りなのですね。
6日の花祭りにでも出かけて見るとしますか。人出で大変かもしれませんね。
三椏は、絵にはなりにくい花です。
お知らせありがとうございました。いつも教えていただくことばかりですね。
はい、仰せのように今週末は博多まで花見に出かけます。
まだ爛漫の花とは参りませんで、「花冷え」を感じて、肩をすぼめていますが、二貝の女を木にしています。終末あたりはきっと見ごろと期待していますが。
かの子女史の短歌、初見でした。先行する、かの鬼貫の有名な句、
「咲くからに 見るからに 花の散るからに」の本歌取りでしょうね。かの子らしいいい歌ですね。
学習もかなりお進みのようで
今日、岡垣町の鎮国寺に行ってきました。
梅は終わり、桜もいまいちでしたが、
「みつまた」 の花が、満開でした、とても奇麗でしたよ。
今年は、黄色い 「みつまた」 の花も有りました。
あれほどの、花は初めてです。
お出かけになる価値はあるかと・・・・・・。
お得意の腕をふるって、boa!さんらしい絵を見せて下さい。
この6日には、御釈迦様の、花祭りも有るとか・・・・・。
ボランティアの方も、いらっしゃるので、楽しいお話もきけますよ。
お知らせまでです。
余計なお世話でした・・・・でしょうか?
野球を知らぬ者でも高校球児のひたむきさに魅了されるとか。
今週の短歌は、岡本かの子女史の、
"櫻花 命一杯に 咲くからに 命をかけて わが眺めたり”
一年に一度、精一杯頑張る姿を眺めるのに観客が寂しい気持ちでは櫻も可哀想でありますね。
櫻の木の下で、酔っ払うのはなんですが、お弁当をひろげワイワイガヤガヤ お喋りしても櫻チャンは怒らないかも。
さー、参りましょう。ご主人様の手を引っ張って。
岡本女史のように”命までかける”事はありません、チョッとした笑顔と暖かい眼差しだけで 十分。
切り倒された木への鎮魂は理解いたしますが、彼方此方に
桜花爛漫。
伐られた桜は、私がこの家に来たとき既に大木でした。子供たちのままごと遊びや、鬼ごっこを思い出します。
metaboさんの櫻も、せめて、命終わる日まで、春ごとに盛りの花をめでてやってください。
「散るを惜しまぬ人やある」「散ればこそいとど桜はめでたけれ」と散る桜を、咲ききった桜以上に愛でる日本人の美学が、こうした美しい言葉を生み出したのですね。
千鳥ヶ淵にお母様を誘っての「花鎮め」、絵の中のたたずまいです。
「さみしがり屋のソメイヨシノ」とは、はじめてうかがいました。
これから、人ごみの中でそう思って見ることでしょう。
清少納言式に、”花は盛りなるを、大きなる瓶に挿して”眺めたいほうではありますが、わたしも山桜が好きです。
櫻は成長が速やかではありませんので、なるべく早く内緒の美しいたくらみを実行なさってくださいませ。
今年の櫻はさびしい桜になりそうです。
拝見いたしました。お互いにさみしい思いの春ですね。わたしも、家主も古い家屋もきれいに消えてしまったあの場所を通りがかるたびに、根こそぎもってゆかれた椿や柳のことを惜しんでおります。蕪村の句がリアリティをもってせまってきて、哀しくなります‥
東京の桜は散りぎわです。今日は花の雨でしたけど、なんとかもっています。明日母を連れて千鳥ヶ淵に浮かぶ花筏をながめ、さみしがり屋でいっぱい花をつけては人を呼びつづけるソメイヨシノとはお別れしましょう。
桜は、山桜か普賢象を主人の里の庭にひと本だけ植えてしずかに楽しみたい‥ 主人にはまだ内緒の、ひそかに抱いている夢です ^^
ご主人さまとよい春をおすごしくださいませ。桜の樹の下でうつうつと咲いている椿を追いかけつつ。