「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

旧漢字

2006年05月10日 | ああ!日本語
 國 學 藝 戀 傳 賣 將 廣 櫻 眞これらは誤字ではありません。
昔の漢字なのです。

 終戦の年が旧制女学校の四年生でしたから、それまでに確り憶えてしまった漢字です。殊に私の場合、小学校の二・三年時の担任が漢字の書き取りに大変熱心な方で、朝始業前の10分間、毎日宿題のテストがあり、成績が張り出されるので、競って憶えたものです。

 ところが、昭和21年の当用漢字制定で、その努力は水泡に帰し、生涯の混乱の基となった次第です。
 今でも、意識せずに書くと、つい旧漢字を書いてしまうことがあります。本家筋の中国でも、日本以上の漢字改革が行われたのですから、時代の趨勢なのでしょう。
 よくやってしまうのが、「ム」と「-」です。「專」や「惠」のように「ム」のあるものには、「、」がなくて、「ム」のない「博」「敷」には「、」がある。と憶えたものです。

 川家康も、今は身軽くなりました。
 「戻」は、ドアから、大きな荷物が入らず返品するの意かもしれません。昔は犬が戸口にモドッてきたものでしたが。

 こんなことを考えて当用漢字を眺めるのも面白い暇つぶしになります。