「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

新緑の日向岬と高千穂峡

2006年05月05日 | 旅の足あと
 延岡から、もう一つの目的地高千穂峡へ向かう途中、日向市内の国道10号から東へ約5k、「馬ケ背」の名前に惹かれて、観光地としてはまだあまり知られていない日向岬に立ち寄りました。

 快晴の山道は汗ばむほどで、駐車場から15分くらいの遊歩道を歩いて岬の突端に向かいます。途中に見所のクルスの海、や、柱状節理のリアス式海岸、奥行き200m、高さ70m.の断崖を見て、右手に灯台を望み、突端に出ると、はるかに太平洋が開けています。

 足元には、立浪草の波頭をもたげた可憐な紫の姿がところどころにありました。
 



願い事が叶うというクルスの海 馬ケ背の絶壁の間の太平洋


岬の突端からの太平洋の眺望 柱状節理の見事な岩場と島


 正午近くなって到着した高千穂峡は、新緑の萌え立つ彩りで、夜神楽で賑う秋とはまた異なった、活き活きとして清々しい若やいだ一面をみせていました。



 駐車場からの70メートルの急な足場の悪い階段は、手すりに掴っての、恐る恐るの下りで、もう今回が最後だなと身(足)に沁みて思い知ったことです。
 好天に恵まれての日曜日とあって、ボートを漕ぐ若い人たちで賑っていました。

 阿蘇の火山活動で流れ出た溶岩流が、五ヶ瀬川に沿って帯状に流出し、それが急激に冷却されたために柱状節理の懸崖となった渓谷ということでした。
 1934年に天然記念物に指定されています。

 それにしても、途中で目にした昨年秋の台風14号の爪痕は無惨の一語です。
 高千穂鉄道はいたるところ寸断され、鉄橋を流された橋脚だけが虚しく草を生やして五ヶ瀬川に立つ姿は、水が澄み切っているだけに一段と悲しげでした。高千穂鉄道の復旧再開は困難と聞きました。