「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

味わいの表現

2004年12月08日 | 塵界茫々
「うーん、まろやか!」おいしいを表現するこのごろの流行語のようです。
7,8年ぐらい前、テレビの美食の旅のキャスターや、料理番組のアナウンサーの、おいしさの形容にこの表現を聞いたときには、なんとウマイ表現かと感心した「まろやか」ですが、今ではすっかり手垢にまみれた没個性的な味覚の表現になってしまい、あーあ、またかと思ってしまいます。
 できることなら、それ以外にないと思える表現で、自分の言葉で言い表して欲しいと思います。
マスコミの仕事に関わる人が、流行の表現に乗って、おざなりの言い方をされると、腹立たしくさえ感じます。自分の言葉で表現するのは、何も言葉で構築する俳句や和歌といった芸術の世界だけではないはずだと思うのですが。
 それと、いつも不思議に感じるのは、料理と器との取り合わせ、盛り付けに託されている料理人の想いが、時間の制約もさることながら、ほとんど取り上げられないことです。
うつわ半分というのは、この国の文化だと思うのですが。