お風呂上がりの穏やかな時間。
キッチンでは、お嫁ちゃんがカップラーメンを啜っていて、一才の女の子は、
自分も食べさせてと、アピールしていた。
寝そびれたんだね。
私は、そう声をかけると、その光景を眺めていた。
そしたら、
「お母さん。」
改めてそう切り出す声のトーンに、ただ事ではない雰囲気を感じた。
嫌な予感は的中。
彼女の夫、つまり、うちの次男は、
浮気をしているのかも知れなかった。
まだ確信はない。
でも、怪しいと思われる行動は、いくつかある。
それを声を詰まらせながら、話してくれた。
小さな女の子は、その間も、もっとちょうだいというそぶりを見せては、
満足げに笑顔を見せた。
悪いけど、
今の私には、次男のそれを咎める資格はない。
当人同士で、話し合って、今後のことを納得いく形で決めてほしい。
ただ私ができることは、
お嫁ちゃんが、そんな瞬間でも、
歯を食いしばって、
子供の世話をしている姿に、
辛いのに、よく頑張ってるねと、
寄り添ってあげることぐらい。
お嫁ちゃんは、最後にこう言った。
もうすぐ、私の長女の結婚式があるのだけど、
それが終わったら、
離婚するかも知れないと。
この女の子は、
よく食べる。
そして、よく笑う。
そんな姿を2人でずっと眺めていた。